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2019年4月10日 松元 浩 :ピクテ投信投資顧問 常務執行役員・グローバル資産運用部長
財政拡大容認論「MMT」台頭に投資家はどう備えるべきか
「民主社会主義者」を自称するサンダース上院議員(写真中央)の流れをくむ民主党の新星アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(写真右)は、拡張財政容認論を支持 Photo:AP/AFLO
米国で現代貨幣理論(MMT: Modern Monetary Theory)を巡る論争が熱を帯びている。拡張財政容認論とも言えるMMTに対してはさまざまな意見や批判があるのは承知しているが、資産運用業に従事する者として、ここではMMTが台頭してきた社会的な背景を整理した上で、マーケットへの潜在的な影響に焦点を置いて考えてみたい。
時代のキーワードは民主社会主義
MMT派の急先鋒であるステファニー・ケルトンNY州立大学教授は、バーニー・サンダース上院議員が2016年の米大統領選挙に立候補したときの経済アドバイザーだった。泡沫候補の1人にすぎなかったサンダース氏は、格差是正を訴えてミレニアム世代の支持を獲得し、最後までヒラリー・クリントン氏と民主党の指名候補の座を争った。
サンダース氏の公約は医療の国民皆保険化、最低賃金の引き上げ、インフラへの投資拡大、大学教育の無料化など政府支出の増大を伴うものが中心だが、財政赤字の拡大を一時的に容認してでも格差を是正する方が政策順位は高い、という主張の理論武装としてMMTが用いられたのだ。
格差是正を求める動きは、2018年の中間選挙で米国史上最年少の女性下院議員となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏に引き継がれている。母親がプエルトリコ出身の移民でNY州ブロンクス生まれの同氏は、28歳という若さにもかかわらず予備選で現職の民主党重鎮を破り、一気に知名度を上げた。民主社会主義者を自称し、医療や教育など市民権の平等を訴えており、若年層やマイノリティからの人気ぶりは「キング牧師の再来」と形容されるほどだ。
オカシオ=コルテス氏は富裕層への増税を主張しているが、同時に財政赤字の拡大にも寛容で、MMT支持者としての顔も見せている。ちなみに前述のケルトン教授は現在、キング牧師により組織された貧困層救済活動「Poor People’s Campaign」の経済対策アドバイザーを務めているが、オカシオ=コルテス氏とも経済政策面で連携していると推察される。
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こうした政治的な地殻変動は、SNSでつながった若年層や低所得層が「富裕層の富裕層による富裕層のための政治」を変える影響力を持ち始めたことを意味している。
彼らは財政赤字を言い訳に政府支出を渋り、富裕層には減税する米国流資本主義に不満を感じており、民主的に選ばれた政権が社会主義的なアプローチで所得を再分配してくれることに希望を見いだしている。
米国で「社会主義」という単語がこれほどまでにネット上で語られることは、おそらく今までになかっただろう。英国でもジェレミー・コービン党首率いる労働党が「国民のための量的緩和」を訴えて2017年の総選挙で躍進するなど、民主社会主義は今や世界的なキーワードになっている。
焦点はFRBの独立性が大きく損なわれるか否か
「市場VS政府」という所得の再分配を巡る伝統的な議論が、低金利・低成長という環境変化のせいで「量的金融緩和VS現代貨幣理論」という非伝統的な方法論へとエスカレートした――。 これが、筆者が考えるMMT台頭の背景である。
現時点では民主社会主義を掲げる候補者を擁立しても民主党が2020年の大統領選挙に勝てる見込みが高いわけではなく、市場にはMMTの主張に沿った拡張財政政策が実行されることを想定した動きは見られない。しかしこれから本格化する大統領選挙を通じて、民主社会主義政策に米国民の支持が集まるようであれば、マーケットは突如としてその影響を織り込み始めると予想する。
おそらくそれは株式市場にとって芳しいものではあるまい。過去20年間に先進国で政権を取った中道左派政党には、英国の労働党(1997-2010)、ドイツの社会民主党(1998-2005)、日本の民主党(2009-2012)、フランスの社会党(2012-2016)などの例がある。
彼らは構造改革を重視し、必ずしも拡張財政に依存したわけではなかったが、結果的に英独では悲惨指数(消費者物価と失業率の和)が上昇し、日仏では政府債務残高が増加するなど、経済を改善させることはできなかった。
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また中道左派政党は企業に対して一定の負担を求める傾向があるのも株価にはネガティブだ。特に民主党が政権を取れば、温室効果ガスや自社株買い、タックスヘイブン(租税回避地)などの規制強化に動く公算が大きく、成長株への下落圧力が強まることになろう。
債券市場にとっても金利上昇が待ち受けていよう。ちなみに筆者は民主党のMMT派による政策がハイパーインフレを引き起すような危機的状況をもたらすとは考えていない。なぜなら民主社会主義派は財政赤字拡大よりも富裕層への増税を優先しているし、過去においても民主党の方が共和党よりも財政赤字を抑制してきたという事実があるからだ。
しかし市場がこの点を警戒しているのは明らかで、財政赤字のわずかな拡大に対しても債券市場が過剰に反応することは想像に難くない。
投資家はどう対応すべきだろうか。市場の初期反応がインフレ警戒的なものになるとの見方に立てば、ゴールドや原油といった商品市場が有望だ。物価連動債や不動産投資信託(REIT)にもインフレ抵抗力を見いだすことができる。株式では医療や教育、インフラ関連の銘柄に投資機会があろう。
ただし米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性が大きく損なわれたと市場が受け止めた場合は、一段と踏み込んだ資産の組み替えが必要になる。特にドル安への対応は必須だ。日本や欧州でも同様の政策が実施されると考える人々は、仮想通貨に避難先を見いだそうとするかもしれない。
繰り返しになるが、このような反応は、市場が政策転換の可能性を感じ始めたときに突然巻き起こってくるだろう。その時期を前もって知ることは難しいが、米国の世論が民主社会主義にどこまで寛容であるかを測るリトマス紙として、これからのMMT論争の行方を注目しておきたい。
*本稿は、ダイヤモンド・オンラインの特設サイト「政策・マーケットラボ」に掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。
https://diamond.jp/articles/-/199118
2019年4月10日 井上哲也 :野村総合研究所金融イノベーション研究部主席研究員
トランプ大統領の“金融緩和圧力”にFRBが対応する方法
FRB
Photo:PIXTA
トランプ大統領が、米国の金融政策を担う連邦準備制度理事会(FRB)に対する政策批判を一段と強めている。
ツイッターを活用したパウエルFRB議長についての言及も、利下げや量的緩和の再開といった具体的な措置を求めるものにエスカレートした。
欠員のままのFRBの理事ポストに、スティーブン・ムーア氏やハーマン・ケイン氏といったトランプ氏の経済政策の信奉者を候補として指名する動きも具体化している。
もちろん、これらの候補者が任命されるには議会上院の承認が必要なので、最終的な決着には不透明な面も残るが、金融市場やメディアの間では、大統領の一連の行動で、金融政策の独立性が危機に直面しているとの懸念が強まる。
強まる大統領の緩和圧力は
「予想の範囲内」?
最近のトランプ大統領のエスカレートに、筆者もこうした市場やメディアの「懸念」は理解できる面はある。だが、こうした展開は多かれ少なかれ予見可能だったと言えるようにも思う。
第1の理由は、トランプ大統領の主張が全く根拠の無いものとも言えないからである。
以前の本コラムでも指摘したように、米国経済は昨年のように好調なパフォーマンスの下でも、また労働市場のタイト化によって賃金上昇が加速しても、インフレが加速することはなかった。
さらに現在では、これはトランプ大統領が自ら仕掛けたものだが、米中貿易戦争などの影響による海外経済の減速によって、堅調だった内需にも不安定性がみられるようになっている。
その意味では、金融緩和にまで転じる必要性には疑問があるとしても、FRBが継続してきた「正常化」戦略に、大統領が違和感を持つことにはもっともな面もある。
第2の理由は、トランプ氏でなくても、大統領選挙での再選を期する現職の大統領が、支持率の向上のために景気刺激を指向するのは自然なことだからだ。
もちろん、ここまであからさまにFRBに金融緩和を求めることは異例だ。
だが、内輪の会合などの場でFRB議長に暗黙の圧力をかけるよりは、外部から何が起きているかを理解しやすいという点で、むしろ「透明性の高い」アプローチかもしれない。
さらに言えば、これもトランプ大統領の自業自得ではあるが、下院を民主党が支配する「ねじれ」の状況では、財政による景気刺激策は、合意どころか、債務上限の引き上げすら難航する恐れがある。
したがって景気刺激のためには金融政策が頼みの綱となっているわけである。
第3の理由は、逆説的ではあるが、これまでのFRBの人事には奇跡的に問題が少なかったからだ。
トランプ氏が大統領になった時点で、上院を支配する共和党と結託することで、政府の主要ポストにトランプ大統領の意向を強く反映した人材を送りこむとの見方があったし、実際にそういう人事が行われた。
司法や安全保障、エネルギーなどに関する分野では、その人事が大きな賛否を巻き起こしたり、人事への反発やあつれきから関係者の辞任を招いたりしたことも事実だ。
それに対してFRBの理事には、これまで、金融規制の面では緩和指向の人材を送り込んだとしても、議長や副議長の人事も含めて、金融市場や有識者が大きな疑問を呈する人事はみられなかった。
理由は不明だが、いずれにせよFRBはこれまでは幸運であっただけなのだろう。ムーア氏やケイン氏の理事就任などの話も、その是非とは別に、ある程度、想定の範囲とも言える。
トランプ大統領の意を受けた候補が理事に就任した場合は、連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策判断を巡って票が割れる事態になることも考えられる。
もしそうなれば、理事の票割れは現在のFOMC運営の枠組みが確立したグリーンスパン議長時代以来、初めてになり、金融市場が動揺する可能性はある。
しかし、イングランド銀行や日本銀行だけでなく、全会一致を原則とする欧州中央銀行ですら、今や多数決による政策決定が一般化している。
FRBで起きても、金融市場は次第にそういう事態に習熟することになるだろう。
また、米国景気が実際に、徐々に減速していくのであれば、FRBは「正常化」の局面を終了し、金融緩和の局面へと徐々に移行することになる。
前回(3月)のFOMCの判断はそうした端緒となる可能性を含むものだった。
トランプ大統領は自らの「手柄」と主張するかもしれないが、FRBはあくまで自らの合理的判断によって政策を決定したわけであり、そうした説明は金融市場やメディアにも理解されるだろう。
つまりは、景気減速が懸念される下では、金融政策の転換が正当化されるだろうし、理事の人選もあくまで合法的なプロセスに沿って行われている。
民主主義の下で政権が中央銀行の幹部人事に決定権を持つことも、それ以上に良い仕組みは思いつかないし、他の先進国にも共通してみられる枠組みである。
それでも残る大きな問題
金融システムに「ストレス」蓄積
だが、それでもFRBには大きな問題が残される。
それは、まだ先の話であるが、今回の景気減速が終了した後、景気が再び拡大局面になった時に、適切な利上げを行うことができないリスクである。
その時点でもトランプ政権が存続しているかどうかは予見できないが、違う政権であっても、選挙との関係で金融緩和を求めるバイアスは常に存在する。
そして、トランプ政権が金融政策を実際にコントロールできたという事実が残った場合は、政権がそうした影響力を行使することへの誘惑は一層、高まる。
そもそも、短期的な視点による金融緩和バイアスを避けることこそが、金融政策に独立性を付与することの意義であり、その意味でこれは古典的な問題である。
しかしFRBにとって悩ましいのは、次の景気拡大期にも、経済活動が活発化してもインフレ圧力が高まらないようだと、金融緩和を求める圧力に対して、高インフレのリスクを説得力をもって示すことが難しくなる恐れがあるということである。
景気拡大局面でもFRBが本当に避けたいのは、金融緩和の常態化に伴って金融面のストレスが蓄積し、最終的に金融危機を招くことだ。
米国の場合、金融システム安定のためのマクロ・プルーデンス政策は、FRBと財務省以外はミクロの金融当局からなる会議体(金融安定監督評議会)での決定に委ねられているため、機動的に発動されるかは不透明な面が残る。
しかも、欧州委員会の指導の下で、例えば住宅貸し付けに関するLTV(貸出/担保比率)などの具体的な政策手段の整備が進む欧州諸国と比べても、米国は対応が遅れており、金融危機の防止には不安な面が残る。
一方で、FRBは少なくとも法的には、政策目標が物価安定と最大雇用に限定され、金融システムの問題を政策運営に取り込みにくい。
さらに、米国は経常収支と財政収支に構造的な弱さを有しているだけに、いったん金融危機が生じれば、金融システム不安が実体経済にも波及し全般的な危機に波及することが懸念される。
この問題の厄介な点は、金融システムにストレスが蓄積し危機の形で具現化するまでの期間が、景気循環に比べて長期間になりやすい点だ。
この間に、最初の原因を作った人々は政治家であれ当局者であれ元の職を離れている可能性は高く、だからこそ「無責任」な行動へのインセンティブは高まりやすい。
その意味では、金融システムの安定こそ、短期的な視点から独立して運営されることが望ましいことになる。
「もう1つの正常化」は
「過度な期待」を元に戻すこと
トランプ大統領による金融緩和圧力に対して、FRBは有効な対応策は見いだせないのだろうか。
長い目で見れば、FRBにも対応策は残されている。
第1は、逆説的であるが、金融政策は万能との理解を修正することだ。
そうした理解が広く共有されれば、中央銀行の政策判断を支配し、非合理的な政策対応を求める政治家のモチベーションにも影響が出るのではないか。
実際、中央銀行は経済見通しを誤ることもあるし、政策効果の少ない手段に頼ることも多いわけである。
第2は、FRBは、金融政策で金融と実体経済の動きを臨機応変にファインチューニングするという政策思想とは決別することだ。
例えば、中立金利や均衡失業率、潜在成長率などを参照しながら金融政策を運営することは理論的に正しいし、中央銀行マンには、それが技巧を要する腕の見せどころと考える人が多いかもしれない。
しかし、これらは大きな計測誤差を伴うし、低成長・低インフレの下ではそうした“誤差”がなおさら大きな意味合いを持ち得る。
物価が上がりにくい状況で、前述したような金融システムへのストレスが溜まり、景気の安定を意図したのに、むしろ長い目で見て金融と経済の動きを不安定化させるリスクもある。
この方針の下で、中央銀行は、金融政策運営でできることは実体経済がトレンドから大きく逸脱する事態を防ぐことと割りきり、政策運営も事態を十分にひきつけてから、必要な際に果断に動くということになる。
これこそが、パウエル議長が多用している「忍耐強い政策運営」という表現にふさわしいし、リーマンショックや欧州債務危機などの金融危機を通じて大きくなり過ぎた中央銀行や金融政策への過度な期待を元に戻すという意味での「正常化」と言える。
(野村総合研究所金融イノベーション部主幹 井上哲也)
https://diamond.jp/articles/-/199292
2019年4月10日 ダイヤモンド編集部
政府の統計は信用できる?GDPを題材にカンタン理解!
『週刊ダイヤモンド』4月13日号の第1特集は「統計学『超』入門」です。毎月勤労統計の不正問題以外でも、政府の基幹統計56のうち26の統計で問題が見つかっています。毎月勤労統計に関連するGDPに影響はなかったのでしょうか。(本記事は特集からの抜粋です)
「先生、政府はたくさんの統計を作っているんですよね。初回の講義のとき、政府の56の基幹統計のうち26の統計で問題が見つかったと言ってましたけど、それ以外の統計は本当に信用できるんですか。」
確かに26の基幹統計で問題が見つかったんだけど、毎月勤労統計以外は、今のところ実際の政策に影響するような問題は見つかっていないみたいだね。だからといって許される話ではないけど。
「毎月勤労統計は、GDPに関連する統計ですね。もしかして、GDPも間違ってたんですか!!」
マナブくん、まあ落ち着いて。毎月勤労統計を基にしている雇用者報酬がGDPの年次推計に使われていて、雇用者報酬は小幅に修正したものの、幸いそれは四半期ベースのGDP推計には影響を与えなかったし、GDPの規模にも影響しなかったんだよ。
いい機会だから、GDPについてあらためて説明しよう。
僕たちは物を買ったり売ったり、いろいろなサービスを利用したりしているよね。他の国とも物やサービスのやりとりをしている。こうした活動で稼いだもうけを一定の期間ごとに国の単位で合計したものが国内総生産、すなわちGDP。国の経済規模を表す代表的な統計だ。経済成長率という言葉を聞いたことがあると思うけど、それはGDPの増加率のことを指している。
「なんだか作るのがいかにも難しそうな統計ですね。どうやって作っているんですか。」
GDPは毎月勤労統計のようなものとはちょっと違う作り方をしている。政府の作る多くの統計は、企業などに直接調査をしてデータを集めて作られる。GDPはそうした統計を組み合わせて作られる、いわゆる加工統計なんだ。
更新ごとに変わるGDP
GDPは七つの項目から成り立っている(下図参照)。個人が物やサービスを購入した額を合計した家計最終消費支出、政府や地方の自治体が橋や道路を造る公共事業を指す公的資本形成、外国との物やサービスのやりとりの収支である輸出入、企業の設備投資などの民間企業設備などだ。
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https://diamond.jp/mwimgs/2/0/-/img_2059f7ebd883ac771b1801d2b04608dd79072.jpg
その七つの項目を算出するときに、政府が作った他の統計の結果を加工する。輸出入なら国際収支統計という統計から、家計最終消費支出なら家計調査報告などからといった具合だ。
GDPは四半期ごとに1次速報、2次速報といった形で発表される。その後も、別の期のGDPが発表されるたびに、数値は更新されていく。ところで、1次速報と2次速報では算出するときに使われている統計が違うんだ。1次速報は、なるべく早く発表するために基にする統計が限られている。2次速報はより精度を高めるために1次速報より多くの統計を使っている。
最初から精度を高くできる統計を使えばいいじゃないかと思うかもしれないが、そういう統計は発表されるまでに時間がかかるので、最初の公表のタイミングが合わないんだ。
「ということは、発表されるタイミングごとに数値も変わってきたりするのですか。」
いい質問だね。その通り。同じ時期のGDPであっても、使う統計が変わったりすることで数値も変わってくるんだ(下表参照)。
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例えば2017年10〜12月期のGDPの増加率、つまり経済成長率は、18年の2月に発表されたときは、前期比で0.1%増。それが、18年3月の発表では0.4%増に上方修正された。その後も数値はころころ変わっている。だからといっていいかげんな統計だと思わないでほしい。使う統計が変われば、変化するのはある意味当たり前。細かな変化にこだわらず、大きな傾向を見た方がいいよ。
GDPの精度を高めるための改善も行われている。例えば、今は住宅リフォームの一部しかGDPの対象になっていないけど、四半期ベースで算出されるGDPに全てを反映するために、リフォームの統計を四半期ベースで集計するようにした。
三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「対象を拡大することでより正確に経済の実態を捉えることができる」と評価しているよ。
GDPの使い勝手について、ニッセイ基礎研究所の齋藤太郎経済調査室長がこんな注文を付けている。「エコノミストが速報の結果を推計するに当たって必要になる、産業の96分類ごとのGDPを開示してほしい」。それらのデータが開示されれば、エコノミストたちはより正確に予測ができるという。透明性を高めることも重要だね。
https://diamond.jp/articles/-/199228
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