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世界経済を懸念する理由−貿易や政治、金利、債務のチャートで読む
Michelle Jamrisko
2019年4月3日 13:29 JST
• WTOが今年の世界貿易伸び率予想を3年ぶりの低水準に引き下げ
• 債務巡り最近特に注目集めているのは米レバレッジドローン市場
2019年の世界経済が揺れている。リセッション(景気後退)懸念を生じさせるとともに、世界中の中央銀行に新たな緩和策の検討を促している。
こうしたストレスを背景に、各国・地域の政府・当局は経済見通しを下方修正。世界貿易機関(WTO)は2日、今年の世界貿易伸び率予想を3年ぶりの低水準に引き下げた。先月には経済協力開発機構(OECD)が景気予測を下方修正し、さらに下振れするリスクがあるとの認識を示した。
Slower Momentum
The world economy is predicted to grow just 3.3 percent this year
Source: Organisation for Economic Cooperation and Development
世界経済見通しについてアナリストらが懸念する理由を、貿易や株式、通貨、金利などのチャートから読み解く。
1.貿易
米中貿易交渉にはっきりした解決の兆しが見えず、中国経済が予想以上に減速したかと思えば時折改善するという捉えどころがない状況が世界の需要に幅広い悪影響を及ぼし、貿易フローには劇的な鈍化が見られる。
Highs and Lows
Global trade growth has seen a sharp downturn in recent months
Source: CPB World Trade Monitor
こうした傾向は輸出依存度が世界でも際立って高いアジアの国々が痛感し、購買担当者指数は数カ月にわたる悪化後、中国主導で回復する兆しを示し始めている。
2. 政策を巡る不確実性
通商交渉と報復関税合戦に伴い、政治と政策がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)にどのように影響するかについての臆測が広がる。英国の欧州連合(EU)離脱問題やタイなどの国政選挙に加え、世界の金融政策サイクルの急激な変化もこれに加わる。中国の政策の不確実性は特に顕著なほか、英EU離脱問題は設備投資や幅広い経済成長を抑える要因になっている。
3.金融環境
ブルームバーグ米国金融環境指数は昨年12月に2年半ぶり低水準を付けたが、少なくともそれ以降は改善されたように見える。
4.ドルの強さ
主要通貨のバスケットに対し、ドルは引き続き比較的強い水準で推移している。
5.ネガティブサプライズ
暗い内容の経済データに加え、アナリストによる予想が最近あまり的中しない事実もある。米国と欧州、アジア太平洋地域で発表されるデータがネガティブサプライズとなることは以前より多い。
6.低インフレ
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「われわれの時代の大きな課題の1つ」と呼んだ低インフレに対し、世界中で注目がますます集まっている。
Inflation Headache
Central bankers’ worries about price growth aren’t going away
Source: National statistics offices
7.債務
債務懸念は国・地域ごとに異なるが、最近特に注目を集めているのが米国のレバレッジドローン市場だ。イエレン前FRB議長も注視している。
Losing Streak
Investors cool on riskier U.S. loans funds with outflows extending for 18th week
Source: Lipper
原題:All the Reasons to Fret About the Global Economy, in Charts (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-03/PPD2HB6TTDS901?srnd=cojp-v2
ビジネス2019年4月3日 / 12:54 / 2時間前更新
インタビュー:
世界的資金フローで米比重低下、途上国への影響縮減=渡辺元財務官
Reuters Staff
2 分で読む
[東京 3日 ロイター] - 国際通貨研究所の渡辺博史理事長(元財務官)はロイターとのインタビューで、米経済は来年にかけて減速し、金利曲線はフラット化すると予想した。また、グローバールな資金フローにおける米国の比重は低下し、米金融政策の変更による途上国への影響は、かつてに比べかなり縮減されているとの見方を示した。
インタビューは1日に行われた。主なやり取りは以下の通り。
――米国経済の先行きについてどのようにみるか。
「米国経済は今年後半から来年にかけて少しずつ悪くなるとみており、今年夏前が転換点になるだろう。国内総生産(GDP)成長率が2%を下回るとの見込みが強まれば、利下げのチョイスもありうる」
「個人的には、米国経済が米国の定義によるリセッション(2四半期連続のマイナス成長)には至ることはないとみており、スローイング・ダウン(減速)にとどまるだろう」
「トランプ政権が赤字膨張型の財政運営をするなかで、米国債の中長期ゾーンには供給圧力がある。このため長短金利逆転は経過的なものだとみている。世界的にみて、貯蓄がコンスタントに増え続けていることに鑑みれば、イールドカーブ全体は低位にとどまり、かつ、フラット化するだろう」
――FRBの政策変更が、グローバルな流動性に及ぼす影響について。
「米連邦準備理事会(FRB)がバランスシートの縮小を停止し、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を棚上げし、日銀が量的緩和を続ける中、グローバルな短期市場には、膨大な資金が洪水のごとく存在している」
「米国の金利変更が途上国に与える影響は、従来より小さくなってきている。1970―80年代には、米国の金融緩和によりラテン・アメリカに資金が流れ、米国が利上げを実施すると、資金が米国へ逆流し、ブラジル、アルゼンチン、メキシコなどが次々と危機に見舞われた」
「しかし、リーマンショック以降は、GDP比でみて、当時のほぼ3倍の規模の流動性(マネー)が市場に供給されているとみている。こうしたマネーは、米国による量的緩和終了の決定(2014年10月)を受けて、その約3分の1が吸い上げられ、2016年末からの米利上げ局面でさらに3分の1が吸収されたが、残りの3分の1はまだマーケットに滞留している」
「実際、以前のASEAN(東南アジア諸国連合)各国では、米金利の上昇や低下で通貨や金利が影響を受けたが、現在は市場に存在する潤沢なマネーの恩恵で、米金利変動に関わりなく、相対的に低いプレミアムで債券を発行できる。また、欧州勢もマネーが潤沢なアジアで資金調達をするようになっている」
――米国のプレゼンスは、低下しているのか。
「かつて言われた『米国がくしゃみをすると、アジアが肺炎になる』といった両者の因果関係はかなり弱まっている。その理由は、米国のマネーや消費以外のところでグローバルなマネーが動いているからだ」
「米国のGDPは世界の3割以上を占めていたが、現在は25%程度まで低下し、先進7カ国(G7)全体でも以前の7割から大幅に低下している。貿易量でも途上国のシェアが増えている。唯一、マネーの世界では、先進国が優位だが、それはマネーの取引場所としての優位性があるだけだ」
「以前は借り入れる一方だった途上国は、外貨準備の運用先として米国債を購入し、大量のマネーを米国に貸し付けている。こうした構造変化を背景に、米国が動いた場合のインパクトは縮減している」
――世界の貯蓄投資バランスについて。
「最近は、トルコやベネズエラなどジオポリティカル・リスクを抱えた国々の通貨が下落し、その連想でエマージング市場に多少の揺らぎがみられるが、これは本質的な動きではない。より本質的な変化は、先進国の人口がピークアウトしていることや、新興国で貯蓄の伸び率が所得の伸び率を上回ってきたことで、貯蓄が投資(需要)を恒常的に上回る状況が現れたことだ。こうした状況を踏まえれば、しばらく世界的な低金利状態は続いていくだろう」
「ただ、マネーの偏在には注意が必要だ。短期のマネーが潤沢に供給されているのとは対照的に、長期のマネーは必要な所になかなか流れていかない。途上国は、いわゆる『グリーンフィールド」と呼ばれる新規のインフラ事業に対する長期資金が必要で、2000年ごろの世界のインフラ資金需要はもっぱらそれだった」
「足元では、先進国で現在稼動しているが老朽化したインフラの修繕や改築に伴う『ブラウンフィールド』投資に長期資金が必要になっている。しかし、短期資金を長期資金に転換する役割を担うはずの民間金融機関の体力が落ちている。このため開発金融専門の世界銀行、アジア開発銀行、あるいは国際協力銀行(JBIC)の役割が大きくなっている」
*本文第1段落の文言を一部修正しました。
森佳子 編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/hiroshi-watanabe-interview-idJPKCN1RF096
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