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平成元年に新卒女子が直面した男性社会の壁、女性活躍30年後も道半ば
延広絵美、Isabel Reynolds
2019年3月29日 5:00 JST
女性でも責任ある仕事できる会社は「自分で作る」−藤沢久美氏
幅広い世代の女性が働きやすい仕組み整えることが必要−日本総研
日経平均株価が史上最高値の3万8915円を付けた平成元年(1989年)、大阪の大学を卒業して金融の世界に飛び込んだ藤沢久美さんは、平成の30年間は働く女性にとって平たんな時代ではなかったと振り返る。
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藤沢久美さんPhotographer: Shoko Takayasu/Bloomberg
時はバブル絶頂期で男女雇用機会均等法が既に施行されていたが、東京の大企業に連絡すると「女性は雇えない」と門前払いされた。「社会に出ても女性は活躍できないのか」と敗北感に見舞われかけたが、両親からは幼い頃から、ほしいものがなければ作ればいいと教えられて育った。「女性でも責任ある仕事ができる会社を自分で作ろう」との目標を立て、小規模な投資運用会社からスタートして国内外の複数の企業で経験を積み重ねた。
営業先の担当者の多くが年上の男性で、まともに話を聞いてもらえないこともあった。90年代半ばには投資信託評価会社「アイフィス」を起業。99年に同社をスタンダード・アンド・プアーズに売却し、現在はシンクタンク・ソフィアバンクの代表を務め、政府関係の審議会委員や複数の企業で社外取締役も掛け持ちする。
藤沢さんは自らが社会に出た平成初期と比べて公の場での差別的な発言は少なくなり、「今の方が女性が働くことにウエルカムになった」。ただ、女性役員など指導的立場にいる女性の数を見ると、多くの日本人の心の中は「あまり変わっていない」と感じている。
男女間にはなお賃金格差
女性の平均賃金は男性の7割
出所:厚生労働省
安倍晋三政権は女性活躍を掲げ、2020年に女性管理職の割合を30%にすることを目標にしている。上場企業の女性役員数は12年からの6年間で約2.7倍増加したものの、割合は4.1%と低水準が続いている。賃金も女性は男性の73.4%(17年)にとどまる。89年に男性の60.2%だったことを考えると、長期的にはその差が縮小傾向にあるが、格差解消には程遠い。世界経済フォーラムが発表した18年のジェンダーギャップ(男女格差)ランキングで日本は149カ国中110位、昨年より4つ順位を上げたが、先進7カ国(G7)では最下位だった。
一歩引いた立場
平成最後の春、大学を卒業した福本真理奈さんは就職活動中、不動産会社の最終面接で、男性と同等に働く姿勢をアピールしたが、男性役員が並ぶ面接官の反応から「男性を差し置いて自分が、という強さではなく、男性よりも一歩引いた立場にいてほしい」という空気を感じ取った。
最終的に損害保険会社への入社を決めた。全国転勤がなく出身地の東京エリアで勤務する職種で、結婚や出産後も働きやすい環境を選んだが、全国型よりも給与水準は低い。将来、1人で子どもを育てる場合も想定し、仕事は「絶対に続けたい」と話す。「年金はもらえないと思っていた方がいい、年金に頼らず生きていこうと思っている」と仕事に慣れた頃には、資産運用の勉強も始める予定だ。
Keio University Student Marina Fukumoto
福本真理奈さん
子育てしやすい環境を選んだ新卒女性もいる。慶田城さやかさんは日系のコンサルティング会社への就職も検討したが、長時間労働を強いられる職場で子どもがいる女性はいなかった。将来は家庭を築き、子どもを育てたいと考えており、従業員の半数以上が女性でワーキングマザーもたくさんいる東京のITベンチャー企業への就職を決めた。
出産・育児期に差し掛かった30歳代で女性の就業率が落ち込むM字カーブは平成初期と比べ、緩やかになったが、内閣府が2016年に行った調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考え方への「賛成」が4割に達するなど、日本社会では女性の役割は家事や子育てとする価値観もいまだ根強い。
女性就業率「M字カーブ」は緩やかに
30-40代の離職は改善傾向
出所:総務省
日本総研創発戦略センターのスペシャリスト、小島明子氏は、女性の労働環境の変化について「仕事は続けられるようになったが、責任あるポジションで活躍できているかというとまだ課題がある」と指摘する。活躍し続けている女性が少なく、「多様なロールモデル」がないことで、若い世代が自身の将来をイメージできない状況も続く。
小島氏は女性活躍の視点で平成の時代を顧みると「道半ば」との認識を示す。今後、幅広い世代の女性が働きやすい環境にするためには、中途採用や再雇用など柔軟に受け入れる仕組みを整えることが必要で、企業側に「若い人を重点的に採用し、教育するというスタイル」からの転換を求めている。30年後、福本さんや慶田城さんは新元号の時代をどのように振り返っているだろうか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-28/PP0DII6JTSEG01?srnd=cojp-v2
ブランドに興味ない−2019年は「ジェネレーションZ」が主役に
Tiffany Kary
2019年4月2日 11:20 JST
• 米国だけで6100万人と最も人口の多い世代となる
• 自分たちが価値があると見なす物・サービスにお金を投じる傾向
Photographer: 731/Getty Images
2019年は世代交代の年だ。「ジェネレーションZ」が主役になる。古くからの企業がこの世代に商品を買ってもらうには、まだ学校に通う者も多い彼らが使う暗号を読み解く必要がある。
JUVコンサルティングを率いる20歳のジアド・アーメド氏によれば、同氏の世代は「ソーシャルメディアネーティブ」。Z世代について専門的に助言するとウェブサイトでうたうJUVの最高経営責任者(CEO)を務めるアーメド氏は最近もアメリカン・エキスプレスのマーケティング担当幹部にプレゼンテーションを行い、この世代が使うスラングを紹介した。
例えば「O.T.P.」は何の略だろうか。「オールド・タイヤード・パーソン(疲れた老人)」ではない。「ワン・トゥルー・ペアリング(最高のカップル)」だ。Z世代のラッパー、リル・パンプが生んだ言葉「Esketit」は、「Let’s get it(やろうぜ)」という意味だという。
Ethical Spending
Would pay more for a product if the brand or retailer promotes initiatives
Source: Businessweek/Morning Consult survey
定義の仕方にもよるが、Z世代は大まかに言って7歳から22歳までの子どもや若者たちだ。米国だけで6100万人と最も人口の多い世代となる。インターネットが主流になった後に生まれ、最年長組は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」 登場を10歳前後で迎えた。「デジタルネーティブ」のミレニアル世代と違い、親のような消費の仕方はしない。すでに直接的に1430億ドル(約15兆9000億円)を支出する力があるとの推計もある。
Z世代はブランドを気にそれほどしない。有名企業だろうとそうでなかろうと関係ないのだ。起業家精神に富んでいると自らを捉え、約半数が誰かのために働こうとは考えていない。人種はさまざまで、社会的な寛容さを備え、世界と「コネクト」し、環境意識も高い。「フィランソロティーンズ」とも称される世代だ。
電子メールやフェイスブックをあまり使わない代わりに、インスタグラムとユーチューブを重視。リサイクル商品を買い、インターネット上で影響力を持つ一方、テレビ広告は何であれ見ない。
Advertising Avenue
Gen Z primarily finds out about new products on social media, not TV
Source: Businessweek/Morning Consult survey
Note: Data excludes other and don't know/no opinion. Chart shows where cohorts say they primarily find out about new products.
ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトが米国の成人1万1000人を対象に実施した調査によると、Z世代は前の世代と比べ自分たちが価値があると見なす物やサービスにお金を投じる意向が強い。米ライト州立大学(オハイオ州)のコリー・シーミラー准教授は「Z世代が企業にお金を支払う場合、自分たちの信条に合っていることが必要だ」と指摘する。
学生の1人が自らの非営利組織運営を理由に地域奉仕義務の免除を求めた後、Z世代について講義するようになった同准教授によれば、Z世代は企業1社に固執せず、また製品よりも組織全体を見る傾向が強い。
Z世代はろくに考えていない集団との「誤解」があるとJUVのアーメド氏は話す。実際は他人とつながり、コミュニケーションを行い、そして自分たちのお金を何に投じるのかといったことを考えている世代だと言う。
Online Shift
Who primarily purchases these items in a physical store?
Source: Businessweek/Morning Consult survey
原題:Gen Z: The Kids Corporate America Just Can’t Afford to Ignore(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-02/PP9YNZ6JTSF501?srnd=cojp-v2
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