http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/745.html
Tweet |
就職超人気企業から若手社員が続々離脱しているのはなぜか
https://diamond.jp/articles/-/198394
2019.4.1 丸山貴宏:株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 ダイヤモンド・オンライン
「あんな風にはなりたくない」と、会社の先輩や上司に絶望する若手社員が増えています Photo:PIXTA
「あんな風にはなりたくない」
先輩や上司に絶望する若手たち
日本人なら誰でも知っていて、給与は高く企業イメージも良い。そんな就職人気の非常に高い大企業の一部から、20代後半〜30代半ばの若手社員が転職市場に出てくる動きが見られます。転職動機を尋ねると、異口同音にこう言います。
「先輩たちを見ていると、あんな風にはなりたくない」
あんな風に、というのは「自分では何も決められない」だったり「いてもいなくても一緒」だったり、「規模やエリアは変わるがずっと同じ仕事をしているだけ」等々。
一部とはいえ、高収入で周囲から羨望の眼差しで見られるような会社でなぜ、このような動きが起こっているのか。その大きな理由と思われるのが、ベンチャー企業に就職した学生時代の同期との比較です。
いくら就職人気の高い会社に入社したとはいえ、一般的な大企業で30歳手前はまだ修業中の身、といった扱いの会社は少なくありません。しかし、優秀な大学から新卒でベンチャーに入社した人は早くから権限と責任が与えられ、実績をあげてもう幹部クラスになっている人もいます。
ビジネスもベンチャーのそれと比べると古くてスピードが遅く、ダイナミックさでも劣っている。そうした彼我の差を目の当たりにすると、焦りが生じるのも無理はありません。
昔と比べ、現在は企業のいろいろな情報がオープンにされていますし、直接の知り合いが勤務していなくてもイケているベンチャーは広報戦略としてどんどんメディアに登場します。記事にされるような30代後半くらいのベンチャー経営者や経営幹部は非常に魅力的です。
若手人材が流出しても
危機感の薄い大企業
先日、当社が主催するイベント「クライス汐留アカデミー」でユーグレナの永田暁彦副社長、マザーハウスの山崎大祐副社長、NPO法人クロスフィールズの小沼大地代表理事にご登壇いただいたのですが、皆さん若くしてアクティブに活動し実績を出されているだけあってお話も頭脳もキレキレですがとっても気さくで、私が20代だったら間違いなく憧れると感じました。
若手がそんな人たちを目の当たりにした後、翌日自社に戻って先輩や上司を見ると、何か物足りなくて、極端な話「ああはなりたくない」と思うのかもしれません。
以前、若手人材の流出が見られるある大企業から、アラフィフの部長が当社の人材紹介にエントリーしてきたことがあります。自分の要求を押し通そうとするタイプの方で、「申し訳ありませんが、現在はご希望の条件に沿う案件はありません」とお伝えしたところ「探す気がないからだろう。やる気があるのか! 早く探せ!」と何度も激しく要望され、普段からそういう仕事ぶりであることが透けて見えました。これでは大切なお客様に紹介することはできませんし、確かにこんな人が上司や先輩にいたら「ああはなりたくない」と思うでしょう。
一方、若い人材が流出している一部の大企業では、抜けた人数を中途採用で欠員補充しています。もともとネームバリューが高く待遇も良いので悪くはない採用はできているようですが、中には疑問を感じる採用をしているところも見受けられます。例えば、退職した若手社員の代わりとなる人材を契約社員として採用する大企業。コストを切り下げることばかりに目が向いているようです。
もし私がそうした大企業で中途採用をするとしたら、単なる人員補充ではなく、自社にはいない戦略思考を持つ最優秀層の人材を獲得するために、それにふさわしい職位と権限、報酬を用意します。
結局、そうした大企業の危機感のなさが若手社員の退職につながっているのだ、ともいえます。
かつての有望な若手社員が
「ああはなりたくない」上司になる会社
「先輩や上司のようになりたくない」という理由で転職することは、私はアリだと考えています。もちろんどんな会社でも「ああはなりたくない」という人が1人や2人はいるでしょうが、全部ひっくるめてああはなりたくない、自分が目指している方向性とは違う人たちだと思ったら、早く転職を考えたほうがいいでしょう。
大事なことは働いている会社の中に「将来はこうなりたい」と目標にするような人物がいるかどうかで、いないようだと非常につらいものです。自分の将来の姿がいまの会社の中にはないことを意味するので、頑張って働けなくなってしまいます。
大企業の経営者や人事はこのような状況が起こっていることにもっと危機感を持つべきだと思います。
以前なら同じ業界の会社くらいしか、社員たちが比較する対象はなかったかもしれません。狭い世界のなかで仕事に没頭していたからです。しかし現在は多くの情報がオープンになり、SNSも含め社外の人と交流する機会が増え、あれこれ比較できるようになっています。それは自社も丸裸にされ、外部からの比較対象とされるということです。
ところがこの点に関して自覚が足りず、倦んだベテラン社員ばかり生み出す組織を放置していたら、優秀な若手人材をつなぎとめることも新たに優秀な人材を獲得することも困難になってしまいます。
そもそも若手社員から見て「ああはなりたくない」先輩や上司ばかりということは、かつて有望な人材として確保した若手社員が長年勤務しているうちにそうなってしまったということで、自社の組織や人材育成に大きな問題があることに気付いてほしいと思います。
(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民131掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民131掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。