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年収400万円の幸福、年収1000万円の不幸〜人生の幸福度を上げるお金とのつき合い方
https://wezz-y.com/archives/64654
2019.03.31 wezzy
「Getty Images」より
生きている限りストレスを避けることはできない。でも、そこそこの幸せを感じつつストレスを軽減しながら生きることはできる−−。最近感じるのは、「生き方の自由が広がっている」ということです。「ワークライフバランス」という言葉が広まり、働き方にも自由度を持てるようになってきました。いいことだと思います。いまだに頭を切り替えられない年配者も少なくはないけれど、人のことは気にしないで、さらに言うなら昭和的価値観は忘れて、自分なりの「正解」を見つけていけばいいと思います。
この連載では、自分が幸せだと思える生き方、働き方をするためのちょっとした情報と知識や知恵をお伝えしていきたいと思います。筆者はファイナンシャルプランナーなので、幸福度を高めるための心構えや夢や希望の叶え方という精神論ではなく、いわば、人生のお金のバランスシート的な話ができたらと思っています。
■年収が高ければ幸せ?
まず、「幸せって何?」ということですが、あなたなら何と答えますか? 収入が1000万円以上あれば幸せなのか。恐らく人生そんなに単純なものではないでしょう。
実は、平成29年度の民間給与実態統計調査(国税庁)によりますと、給与所得者の年間の平均給与は432万円です。この年収400万円というのは、極めて平均的な数字です。
少し前の有名な話なのでご存じの人も多いと思いますが、ノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学のダニエル・カーネマン教授が、「世帯年収が7万5,000ドル以下の人は収入が上がるに比例して「喜び」や「満足感」などの幸福度が増幅するが、この金額を超えると幸福度は増幅しない」という調査結果を発表しました。現在(3月末)の日本円に換算すると、年収約824万円がボーダーラインになるといいます。それに倣えば、年収400万円の人は、収入が上がるにつれて「幸福感」は逓増していくことになります。
また、慶應義塾大学大学院の前野隆司氏によると、お金やモノや地位など、他人と比べられる財を得たことによる幸せは長続きしない幸せだといいます。これらは足りないと心配なので、人はまずそれらを求める。増えると幸せになりますが、ある程度満たされればそれ以上は幸せを感じないそうです。
しかし、「友人関係」や「休日の充実度」などは相対比較とは無関係に幸福感を得ることができる「非地位財」なので、幸福度は持続しやすいということです。
年収約824万円のボーダーラインはともかくとして、年収が多いよりも、人間関係や時間の使い方が充実しているほうが「幸福感」をキープできるという結果です。
■ライフプランはお金だけでは立てられない
実は、ファイナンシャルプランニングを考える時も、「結婚」「出産育児」「教育」「住宅購入」「老後生活」などいわゆるライフイベントと呼ばれるものにいくら資金が必要なのかというお金の問題だけではなく、仕事をどうするか、スキルアップや人脈について、家族関係やプライベートの人間関係や体調やセルフイメージなどを総合的に考えます。硬い言い方をすると、それを踏まえて、お金の問題を超えて戦略的に人生の目標を設定します。
しかし、結論からいうと、この連載の立ち位置は、あくまで「人それぞれである」という姿勢です。つまり、お金や名誉のために働くことに喜びを感じる人もいるでしょうし、個人的な人間関係や趣味、娯楽に人生の大半を捧げて幸せを感じる人もいるでしょう。また、優先順位は年齢とともに変化するかもしれません。20代はめいっぱい遊び、30代はがむしゃらにキャリアップに励む。60代はゆっくり旅行を楽しみたいとか、まあ、なんだっていいわけです。
ですから、ファイナンシャルプランニングの目標は、「人生を、自分にとっていかに魅力的なものにするか」であるともいえます。ほかの言葉に置き換えるなら、「個人レベルでの生活の質を高める」とか、「満足のいくライフスタイルを送る」ということでしょうか。突き詰めれば、「自分の人生に達成感を得ること」となるかもしれません。どこまでやるか、どこで満足の線引きをするかはあなた次第ですし、もちろん路線の変更だっていつでもできます。
ただし、無理なものは無理であるので、非現実的な目標設定についてははっきりとダメ出しをしたいと思います。この連載を通して、たくさんの「年収400万円の幸福」を生み出せたらと思います。
■あなたの10年後はどうなっている?
今回は、「私の重要度ランキング」を考えてみましょう。では質問です。
「あなたの10年後を想像してみてください。どんな生活を送っていれば幸せですか?」
「今の彼と結婚して子どもがいる毎日」を想像した人、「自由に世界中を旅している生活」を想像した人、「バリバリ仕事で活躍している自分」を思い浮かべた人、さまざまだと思います。いいですね。でも、もし「3億円の宝くじに当たって仕事を辞めて好きなことをしている」と思い描いた人は、少し思考を変える必要があります。なぜなら、宝くじに当たるかどうかは「運」であり、非常に不確実性が高いからです。つまり、投じたお金(宝くじを買った代金)は、株式に投資をするのとは違い、なんら実体としての裏づけのない偶然性にかけるものにすぎないのです。
投資で「ハイリスク・ハイリターン」という言葉があります。リスクというのは株価の変動のことです。株価の変動が大きいほど、リターン(収益率)も大きいということですが、宝くじは、「ハイリスク・ノーリターン」。リスクに見合うリターンを得ることはできません。よっぽど「運」のいい人がいるにはいますが、年末ジャンボ宝くじに当たる確率は1000万分の1ということですから、これを目標にする人生というはいかがなものでしょう。
もっと具体的に、人生において達成したいこと、経験したいこと、獲得したいこと、身につけたい知識や資格を考えてみてください。肉体的に感情的に精神的にどういう生活を送りたいのか、仕事にはどう取り組みたいのか、どう評価されたいのか。いつまで仕事をしたいのか。結婚はどうするのか、子どもはどうするのか。持つとすればその教育は。休日はどう過ごしたいのか、自分にとって快適な人生とはどういうものか、やりたいボランティア活動や寄付について、保ちたい生活の質、住みたい場所、家はどうするのかなど、ぜひ考えてみてください。
行き当たりばったりの人生もそれはそれで魅力的だとは思いますが、時間は有限ですから、なるべく早いうちに自分の人生について考える機会を持つことは、結構効果的です。パートナーのいる人はぜひ一緒に考えてみてください。
次回は、「モノの多い年収1000万円とシンプルライフの年収400万円」について幸福度を考察してみたいと思います。
岩城みずほ
ファイナンシャルプランナー、CFP®認定者、オフィスべネフィット代表。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、セミナー会社、生命保険会社を経てFPとして独立。現在、東洋経済オンライン『今からでも必ず解決できる!おカネと人生の相談室』、毎日新聞経済プレミア「人生に必要な『おカネの設計』、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」、マネーの達人などで連載中。4月末『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい 』(日本経済新聞出版社)刊行予定。著書『腹黒くないFPが教えるお金の授業』(三笠書房)、『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社)、『そこ、ハッキリ答えてください!「お金」の考え方このままでいいのか心配です。』(日本経済新聞出版社)他。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。
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