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高騰タワーマンション相場に異変、これから買う人が気をつけるべきこと
https://diamond.jp/articles/-/198123
2019.3.28 沖有人:スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント ダイヤモンド・オンライン
最近、タワーマンションの売れ行きが悪くなっている。これからタワマンを買う人が注意すべきポイントを指南する(写真はイメージです) Photo:PIXTA
新築タワマンの売れ行きは
なぜ悪くなっているのか
最近、タワーマンションの売れ行きが悪い。一般のマンションと比較しても初月契約率が高かったのは今は昔で、逆転現象を起こしている。特に2018年の初月契約率の実績は、一般のマンションの63.8%に対して4.2%低い59.6%と、60%を割り込んでいる。70%が売れ行きの目安と言われているので、かなり悪いことになる。
こうした現象に至った理由は、第一に立地の悪化が挙げられる。訪日外国人(インバウンド)の増加によるホテル需要は、民泊を規制したがゆえに稼働率が非常に好調で、都心・駅近のまとまった開発用地は、住宅ではなくホテルになることが一般的だ。
また、ホテルだけでなくオフィス需要も堅調で、この点でも住宅は不利を強いられている。この結果、都心ではホテルやオフィスには小さ過ぎる敷地でのマンションしか供給されていないと言っても、過言ではないほどだ。工場用地の用途転換により湾岸エリアでマンションが供給されることがあっても、さほど良い立地とは言いがたい。
すでに林立している湾岸エリアでは、物件個別の特徴を見出すのが難しくなっており、購入者側に飽きられている感覚すらある。このため、湾岸であえてタワーではない設計にする物件も見られるようになってきた。「タワーにしておけば売れる」という時代はすでに終わっているのだ。
タワーマンションの供給が増えたのは、21世紀になってからと最近のことだ。年間供給は2007から09年にかけての3年間が多く、2万3868戸、2万1075戸、1万9139戸で、その年の全供給戸数の39%、48%、53%をタワーが占めるに至っている。この間、リーマンショックを挟んで供給が大幅減少する時代でもあった。6万1021戸、4万3733戸、3万6376戸と総供給戸数は減少したので、タワーの存在感が増している。
2011年に起きた東日本大震災は首都圏にも大きな影響を与え、供給戸数の減少と契約率の低下を招いた。この傾向を断ち切ったのが2013年に始まるアベノミクスであり、2013年には控えられていたタワーの供給は1万3624戸で34%のシェアまでに一時的に増加している。その後は6000戸ほどで全体の2割程度に落ち着いている。
■偏在する立地
タワーの定義は20階以上である。このため、まとまった敷地に容積率があり、再開発などの容積緩和を受ける場合に建てやすい。結果として、その64%が都区部に位置するが、今後もこの供給の偏在は変わりそうにない。不動産経済研究所によると、2022年以降の供給となるタワーマンションは首都圏で4万戸に及ぶものの、その75%を占める3万戸が都区部になる。このペースであれば、総供給戸数の2割をタワーが占める時代は続きそうである。
タワーマンションの供給増加の背景には、鉄道の延伸が欠かせない。ゆりかもめ、大江戸線、半蔵門線延伸などは湾岸エリアの開発を促し、駅前再開発の案件を増やした。こうして都市が再生されていく中で、タワーマンションはその象徴的な存在として君臨してきたのである。
需給が緩む低層住宅地に対して
インバウンド需要の超高層立地は高騰
タワーマンションは自宅需要だけでなく、拙著『タワーマンション節税』(商標登録も取得)に始まる節税用投資需要も生まれた。このため価格が高騰し、高止まりするに至っている。実際、港区の例ではタワーマンションは新築時の価格より平均35%値上がっている。これ以外の中層以下のマンションが15%なので、20%の優位性があったと考えられる。
日本不動産研究所が発表している住宅価格指数は、マンション価格と土地価格のインデックスに分かれている。アベノミクス以降、マンション価格が首都圏で3割以上上がったのに対して、土地・戸建てのような容積率が低い資産のインデックスは、ほとんど上昇することはなかった。すでに出生人口より死亡人口の方が多いため、相続で供給される土地が多く、需給バランスが緩んでいる低層住宅地に対して、インバウンドをはじめとする需要が旺盛な超高層立地は、地価が高騰していることの証拠である。
また建築費も、マンションのような鉄筋コンクリート造では1980年代終わりのバブル期を上回る水準に達しているのに対して、戸建てのような木造ではあまり上がっていない。結果として、マンションと戸建ての価格差が開く事態になっている。
今タワマンを買うなら
稀少立地に限るほうがいい
タワーマンションの今後の供給計画が判明しているのは、再開発案件が多いからである。西新宿、南池袋、虎ノ門、六本木、晴海など大きな複合開発が多い。こうしたエリアでは周辺とは大きく異なる価値をつけてきており、約3割周辺より高くなる。それだけではなく、その後の値上がり幅は平均約5割になるほどの高騰ぶりだ。今後も駅前の大規模再開発ならば、資産価値は折り紙つきということになろう。
そんななか、タワーマンションに死角がないわけではない。過去にも売れない時代があった。その最たる理由は震災の影響である。首都圏を大地震が襲った場合に、地盤の液状化が必至となるエリアは湾岸や河川沿いに多く、建物にまで甚大な被害は及ばないと断言できる人は誰もいない。
湾岸のタワーマンションの利回りは、地盤の固い旧来からの住宅地と比較して利回りが1%近く高い。しかし、この1%は「リスクプレミアム」だと私は言っている。リスクを感じているがゆえに、リターンを1%多く望んでいる結果と考えた方が合点はいく。湾岸のタワーマンションがどれも同じに見えるようになってきた現実を踏まえると、タワーの稀少性や優位性は薄れている。
結論として、今タワーマンションを購入するならば、稀少立地のものに限った方がいい。タワーというだけでは、すでに優位性はない。稀少立地とは、駅直結1分や再開発エリア内の好立地などになる。また、湾岸ではなく台地のタワーならば、もし地震が起こったとしても、価格が上がることはあっても下がることはない。こう考えると、新築タワーで該当する物件は少なく、資産価値の実績がある既存物件の方が安全だ。市況がいいときほど、リスク管理は怠らないようにしたい。
(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)
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