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今年中に“これ”をやらないと、無駄に多く税金を払い損する人
https://biz-journal.jp/2019/03/post_27147.html
2019.03.19 文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士 Business Journal
「Gettyimages」より
今回はNISAについて、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。
亮子「今年は2019年だよね?」
啓子「そうですけれど、どうしました?」
亮子「2014年開始のNISA(小額投資非課税制度)の非課税期間は、昨年末で終わったんだなーと思って」
啓子「もう5年たったのですね。つい先日導入された制度のように感じますが」
亮子「2015年の枠で購入した分は、2019年12月末までに売却するかロールオーバーしないと、恩恵を受けられなくなっちゃう」
啓子「それでは、そのあたりを今一度確認しておきましょう」
■2015年分のNISA口座に注意!
NISAとは2014年に開始された制度です。通常の証券口座で資産運用して得た利益に対しては税金がかかりますが、NISA口座で資産を運用して得た利益に対しては税金がかからないという制度です。たとえば、上場株式の売買によって得た利益が10万円だと、約2万円(10万円×20.315%)の税金がかかりますが、NISA口座を使うと税金が0円となります。この非課税枠で取引をした場合の非課税期間は5年間で、例えば2015年にNISA口座で取引した場合は2019年12月31日までに確定した利益は非課税になります。
NISA口座で購入した株が値上がりしているにもかかわらず、そのまま放置をしてしまっては、非課税効果がゼロになってしまいます。節税につながるNISA口座を利用しているのであれば、非課税期間が終わる際の対応を考えておくことがとても重要です。
■非課税期間が終了したときは?
2015年にNISA口座で投資した株式や投資信託などの非課税期間は、5年の期間を迎える2019年12月末(年末は市場が開いていないため、厳密にはその数日前)で終了します。そのため、保有している株式などについて2019年12月までに売却するといった、なんらかの方法を選ぶ必要があります。ここではNISA口座で上場株式を保有したまま2019年12月を迎える場合を想定して、対処方法を検討してみます。
(1)―<1> 12月末までに売却(損失が出ている場合)
保有している上場株式の株価が値下がりしていて、購入時よりも株価が低い場合に株式を売却すると、損失が出ることになります。売却損が出る場合には、売却に伴う税金はかかりませんが、NISA口座で損失を出すのはあまり得策とはいえません。通常の証券口座では、利益と損失を合算することで、利益に課せられる税金が減るという「損益通算」も可能ですが、NISA口座にはその制度はありません。
たとえば通常の口座で10万円の利益が発生し、NISA口座で6万円の損失が発生したら、合算できないので10万円についてそのまま約2万円の税金が課されてしまいます。通常の口座であれば、売却益と売却損を合算した後の利益4万円について約8000円の税金が課されるので、損益通算できるほうが有利となります。
また、通常の口座では発生した損失が相殺しきれない金額の場合には、翌年に損失を繰り越して翌年の利益と合算することができる繰越控除を利用することができますが、NISA口座で売却した場合には繰越控除の制度を利用することができません。
そのため、NISA口座で損失が出る場合には、のちほど説明する引き続きNISA口座で保有し続けるロールオーバーという方法か、通常の口座に株式を移して保有し続ける方法を選択するほうが有利となる可能性が高いでしょう。
(1)―<2> 12月末までに売却(利益が出ている場合)
保有している上場株式の株価が値上がりしていて、購入時よりも株価が高い場合に株式を売却すると利益が出ることになります。NISA口座で株式を売却した場合、売却益に対して税金はかかりません。利益が出ている場合には、売却することで、NISA口座による節税(非課税)の恩恵を受けることができます。
(2)ロールオーバーを利用する(新たに開始するNISA口座の投資枠に移す)
ロールオーバーとは、新たなNISA口座に株式を移すということです。NISA口座は2023年まで毎年利用可能ですので、2019年に新たに用意されるNISA口座に株式を移すことで引き続き非課税の恩恵を受けることができます。従来はロールオーバーの上限金額が決まっていたのですが、現在は上限が撤廃されていますので、よりロールオーバーを利用しやすくなっています。NISA口座の株式が今後値上がりする見込みなどの理由で、今すぐに売却したくないという方は、ロールオーバーによって新たなNISA口座に株式を移し、より多くの利益が出たところで売却すれば、節税額も大きくなります。
(3)通常の口座(特定口座・一般口座)へ移す
売却もロールオーバーもしないという場合に、NISA口座から通常の課税される口座へ株式等を移す方法です。NISA口座について、何も手続きをせずにいた場合には、この方法が選択されたものとされ、通常の口座に自動的に移されます。金額は株式取得時の金額ではなく、移管時の株価です。
たとえば100万円で購入した株が120万円に値上がりしており、NISAの非課税期間が終わっても売却せず、そのまま通常の口座に移ったとしましょう。この場合、通常の口座にて120万円で購入した株として取り扱われることになります。その後、通常の口座で140万円まで値上がりして売却した場合、120万円で購入した株として取り扱うので、利益は140万円−120万円=20万円となり、税金は20万円×20.315%=約4万円となります。つまり、NISA口座での20万円の値上がり分は実質非課税となります。
一方、たとえば当初100万円の株式が80万円まで値下がりした場合には、通常の口座で80万円で購入した株として取り扱われることになります。このとき仮にその後120万円まで値上がりして課税口座で売却をした場合、利益は120万円−80万円=40万円が利益となりますので、税金は40万円×20.315%=約8万円となります。
取得時よりも移す時に株価が下がっている場合に、その後株価が値上がりして課税口座で株式を売却すると、NISA口座の恩恵を受けられなくなるどころか、NISA口座の利用によってかえって税金が増えるという可能性があります。放っておくと節税どころか税金の増加さえ招く可能性がありますので、対処方法をしっかり考えておくことが大切です。
■受取配当金は要注意
本来投資した株式に関する受取配当金にも税金がかかりますが、NISA口座で投資した株式に関する受取配当金は非課税となります。ただし、非課税とするためには、受け取り方に注意する必要があります。受取配当金は銀行口座で受け取る方法やゆうちょ銀行で受け取る方法などがありますが、NISA口座で運用している上場株式の配当金などを非課税とするためには、「証券会社で受け取る方式(株式数比例配分方式)」を選択しなければなりません。この方法以外を選択している場合には、受取配当金に課税されてしまいますので、権利確定日(配当など株主に権利を与えることが確定する日)までに証券会社で受け取る方式に変更しておきましょう。
■非課税の恩恵を20年にわたり受けられる制度がスタート
2018年から「つみたてNISA」制度がスタートしました。つみたてNISAとは従来のNISAと同様に配当金や運用益が非課税となる制度ですが、つみたてNISAの投資上限額は40万円と従来のNISAの上限120万円と比較して金額が少額となります。一方で非課税期間が最長で20年間と従来のNISAよりも長期となり、長期的な分散投資のメリットを生かせる制度で、少額・低リスクで投資をしたい方などにおすすめの制度です。詳細については次回説明します!
亮子「つみたてNISAを活用すれば、毎年40万円のコツコツ投資ができるね」
啓子「一般のNISAはロールオーバーができるとはいえ、5年は意外とあっというまですよね」
亮子「つみたてNISAと一般NISAは年ごとに選択が可能なんだよね?」
啓子「では、そのあたりは次回ということで!」
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)
●徳光啓子
2009年 公認会計士試験合格
2011年 明治大学商学部卒業
2011年から2016年、有限責任あずさ監査法人に勤務し、主に上場企業(製造業)を中心に監査業務に携わる。
2016年から税理士法人タックス・アイズにて企業の各種税務申告業務や会計・税務コンサルティングを行う。また、同年より茨城大学にて非常勤講師として原価計算論等の講義を行う。
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