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新卒「売り手市場」の落とし穴、大企業の求人倍率はたった0.37倍
https://diamond.jp/articles/-/196634
2019.3.13 古井一匡 ダイヤモンド・オンライン
(写真はイメージです)Photo:PIXTA
3月に入り、今年も就職活動が実質的に解禁された。「売り手市場」と呼ばれ、学生優位に活動が進んでいると思われているが、さまざまなデータをみていくと、すべての業界・企業で売り手市場とはとても呼べない状況だ。一体、いま就職市場では何が起きているのか。現在発売中の『息子娘を入れたい会社 2019』を一部抜粋し、企業規模別・業種別の大卒求人倍率や就職活動をする学生の意識調査から、就職市場の実態をあぶり出す。(取材・文/古井一匡)
就職内定率や大卒求人倍率は
過去最高レベルだが……
いま、就職市場は「売り手市場」と言われる。就職希望の学生数よりも、企業側の求人数の方が多く、就職には有利な状況だというのだ。確かに、文部科学省と厚生労働省の調査では、2019年3月大学卒業予定者の就職内定率は77.0%となり、前年同期比1.8ポイント上昇(2018年10月1日現在)。1997年3月卒に調査が開始されて以来、同時期では過去最高となった。
就職情報各社の調査を見ても同じ傾向がうかがえる。
たとえば、リクルートワークス研究所の発表(「第35回 ワークス大卒求人倍率調査」)によると、2019年3月卒業予定の大学生・大学院生に対する全国の民間企業の求人総数は、前年の75.5万人から81.4万人へと5.8万人増加(対前年比+7.7%)している。一方、学生の民間企業就職希望者数は、前年とほぼ同水準の43.2万人(対前年比+2.1%)。求人に対して38.1万人の人材不足となった。その結果、大卒求人倍率は1.88倍と、前年の1.78倍より0.10ポイント上昇している。
こうした状況において、学生の間には“楽勝”ムードが漂っているのである。
規模や業種別の差が大きい
「売り手市場」に潜む落とし穴
しかし、世間で言われる就職内定率や求人倍率などのデータは全体の平均であることが多い。実態を詳しく見ていくと、別の様相が浮かび上がってくる。
いま触れたリクルートワークスの調査によると、従業員規模別が5000人以上の大企業の求人倍率は0.37倍にすぎず、しかも前年の0.39倍からむしろ0.02ポイント低下している。1人の採用枠に3人の学生が応募しているのである。
一方、300人未満の企業(中小企業)ではむしろ9.91倍と、前年の6.45倍から3.46ポイントも上昇して過去最高となった。1人の学生に対し、10社の求人がある計算だ。
業種別の差も大きい。人手不足が深刻になっている流通業の求人倍率は12.57倍と、前年の11.32倍より1.25ポイント上昇。建設業の求人倍率も9.55倍と、前年の9.41倍より0.14ポイント上昇している。
その一方、金融業は0.21倍、サービス・情報業は0.45倍にすぎない。
企業規模や業種による求人倍率の差がこれだけ大きいと、決して「売り手市場」で学生優位と言えるような状況ではない。
当然、就活の方法も変わってくる。「売り手市場」という表面的なムードに流されていると、苦戦することは間違いない。
学生たちの就職意識にも
微妙な変化が生じている?
社会経験がまだない大学生の就職に対する意識が、マスコミ報道や曖昧な社会風潮に左右されることはある意味で当然である。
それゆえ、学生の就職に対する意識が、社会の実態を映し出している面もある。
ここでは、マイナビ「2019年卒大学生就職意識調査」を見てみよう。
同調査によると、就職にあたっての就職観として最も多いのは、「楽しく働きたい」で、33.3%。2001年から1位を続けている。
次いで多いのが「個人の生活と仕事を両立させたい」で24.2%。こちらも19年間2位のままだ。
一方、以前と比べ、「人のためになる仕事をしたい」(15.0%)と「自分の夢のために働きたい」(11.6%)が逆転してきているのは特徴的だ。東日本大震災以降、社会貢献に対する関心の高まりが垣間見える。
以前と比べて意識の変化がよりドラスティックなのが、企業選択のポイントだ。
「どのような企業が良いと思うか?」という質問に対し、最も多かったのは「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(38.1%)だが、年々、その割合は下がってきている。
替わって、増えてきているのが「安定している会社」(33.0%)。いまのままなら、いずれトップになりそうな勢いだ。
また、男女の違いも興味深い。「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」の割合は文系理系を問わず、女子の方が男子より高い一方、「安定している会社」の割合は男子の方が女子より10ポイント前後も高いのである。特に文系男子では2年連続して「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」 を抑えてトップになっている。
景気は、いまや戦後最長を更新しようかというところまできているが、学生の意識は意外に保守的であり、むしろ将来への不安が高まっているようにも見える。
何をもって「安定」と言うか――
変わりつつある「安定」の意味
このように学生の間では就職において、概ね、「安定性」を重視する傾向が強まっているが、「安定」とはそもそも何だろう。
おそらく、本人が望まないリストラや転職を迫られることなく、安定した生活を送れるように、ということではないだろうか。
そのためには、やはり、「規模が大きく、有名で、“ブラック”ではない」といった企業、そして、その正社員をイメージするのであろう。
しかし、最近、メーカーに勤める技術者が、派遣会社に転職するケースが増えているという。
デジタル関係を中心に技術革新のスピードがどんどん早くなり、企業としては時間をかけて専門知識やスキルを持つ社員を育てている余裕がない。そこで、即戦力が欲しいというニーズが高まっているのと同時に、技術者の側でもひとつの会社だけにとどまっていることをリスクととらえる意識が生まれてきているためだ。
あるいは、人材サービス産業協議会の調査(「転職賃金相場2018」)によると、財務経理や人事など管理部門では、1000万円以上の高年収での中途採用ほど転職回数が多い人の割合が高くなっているという。豊富な実務経験が前向きに評価されている表れで、転職に対するマイナス評価は徐々に薄れてきている。
学生は「安定」志向を強めているが、そもそも「安定」の中身が変わってきていることに気づく必要がある。
こんなはずじゃなかった、と
甘い見通しで慌てるケースも
学生の就職に対する意識は、どうしても近視眼的になりがちである。そのため、社会風潮のほか、親の意向にも左右されやすい。
しかし、採用コンサルタントの櫻井樹吏氏は次のように警鐘を鳴らす。
「親が知っている業界や業種、企業も限られます。たとえば、公務員だと、民間企業の動向をあまり知らないでしょう。視野の狭い学生の考えに、親の限られた知識や価値観が加わると、就職における選択の幅が大幅に狭まってしまいます。学生の知っている業種や企業が社会全体の20%、親のそれが20%として、両方を掛け合わせると、わずか4%しか視野に入らないことになったりします」
その証拠に、最近の学生の就活の動きには、あるパターンが見えるという。
従来に比べて就職への危機感が薄く、のんびり構える学生が増えている。そのため、いわゆる“エントリー”の社数が減り、また、大手に絞って活動するケースが多いのだ。しかし、大手や人気業種では採用において数や質をむしろ絞り込んでいる企業も少なくなく、そこで、夏以降、慌てて、大手に限らずに業種も広げて探し始めるという。
甘い見通しであとから慌てているようでは、充実した就活をするのは難しいだろう。
相対化する就活の
「成功」と「失敗」を考える
そもそも大手に絞って就職活動をしているといっても、かつて日本を代表するような有名企業が経営難に陥っているケースが少なくない。大手企業・有名企業であれば将来も安心、とはとても言えない。
まして、これからは「人生100年時代」と言われる。大学卒業時点での就活で、その後の人生が決まるわけではない。
「終身雇用」はすでに死語となった。これからは、一生の間に1回2回どころか、3回くらい転職するのが当たり前になるだろう。
また、最近よく聞くようになったのが「社内失業者」という言葉だ。企業に勤めているものの、活躍の場がなく、ほとんど働いていないような人のことを指す。その数は1980年代後半に大量入社したバブル世代を中心に、500万人とも600万人とも言われる。
これから求められるのは、自らのキャリア観と専門性や強みだ。
就活のスケジュールを巡る議論も、早期化が問題と言われるが、新卒一括採用という前提があっての話にすぎない。通年採用、第二新卒採用など採用形態が多様化していけば、そもそも就活スケジュールの「早期化」に意味はない。
キャリア観や自分の個性、強みをしっかり認識してから就職活動に取り組んだ方が、むしろ「就活」における満足度は高くなるのではないか。就職後の長いキャリアと人生も豊かなものになるはずだ。
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— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2019年3月12日
"キャリア観や自分の個性、強みをしっかり認識してから就職活動に取り組んだ方が、むしろ「就活」における満足度は高くなるのではないか。就職後の長いキャリアと人生も豊かなものになるはずだ。"
— 我🌷 (@laytheories) 2019年3月13日
https://t.co/MyjjsCT9M1
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— 木根楽@ビーグル犬 (@kikonraku) 2019年3月12日
最近、父上が「学生向けの合同企業説明会場にブースだしたが、超不人気だった」
と言ってたから、なんとなくわかる
みんな、やっぱり有名な企業に集まる。
https://t.co/ASFexIECbp
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