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2019年3月12日 The Wall Street Journal
ハイテク大手の解体:言うは易く行うは難し
フェイスブックとグーグル
Photo:Reuters
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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最近は、ハイテク大手の支配力が当然なものとして受け入れられなくなってきた。その永続性についても同様である。
そのため、現在の巨大ハイテク企業を解体するか、さもなければ規模拡大を抑制すべきだという声も強まってきた。米連邦取引委員会(FTC)は先週、反トラスト法違反がないか「ハイテク市場を精査する」ため、新たな作業部会を立ち上げると発表した。FTCは、合併が理念とは矛盾していた場合、過去の合併を解消する可能性すらある。
民主党の大統領候補指名争いに名乗りを上げているエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)は8日、過去の買収を白紙に戻させるなどしてグーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックを分割すべきだと提案した。フェイスブックはインスタグラムやメッセージアプリのワッツアップなど、グーグルはカーナビアプリのウェイズ、広告配信サービスのダブルクリック、家庭用機器メーカーのネスト・ラボなどをそれぞれ買収してきた。
当然のように政治的、法的な問題が持ち上がることを踏まえると、それが実現する可能性は依然として低く、何らかの措置が取られるとしてもかなり先の話だろう。とはいえ、大手ハイテクは共和・民主両党のお気に入りの標的となってきているため、それを頭から否定することもできない。しかし、ハイテク業界の歴史は、支配力が次々と移り変わり、多くの企業が政府の介入なしに買収、分割を繰り返してきたことを示している。
例えばIBMだ。80年代の大半で時価総額が世界最大だった同社は大手から中小まで、ほぼすべての企業と取引があるようだった。同社の年間売上高は今も800億ドル近くあり、フェイスブックのそれを43%も上回っているが、いくつかの技術変化や経営判断が積み重なったことでその支配力の大半は失われてしまった。
こうした時代の流れは企業の決算報告書に反映されないこともある。ネットワーク機器大手のシスコシステムズの年間売上高は2000年当時の3倍近くに増加しているが、時価総額が最大に達したのはドットコムバブルのときだった。同社は今もインターネットを支える機器の多くを供給しているが、その影響力は弱まってきた。同社はS&P500種指数の時価総額上位20社にも入っていない。同様に、今もパソコンやサーバーを動かす重要なプロセッサーの大部分を供給しているインテルは、半導体製造と半導体設計の両面でライバル企業との新たな競争に直面している。
最近、時価総額世界最大に返り咲いたマイクロソフトだが、意外にもウォーレン議員の提案の標的にはなっていなかった。政府に反トラスト法違反を指摘され、基本ソフト「ウィンドウズ」からインターネットブラウザーを切り離すことを余儀なくされた過去があるにもかかわらずである。
最近の解体を迫る声が最終的に実を結ぶとしても、その前に最も有名なそうした事例である80年代のベル・システムの解体を振り返って検証すべきだろう。その分社化では今やHBO、CNN、ハリウッドの大手スタジオ、ワーナー・ブラザースなども所有しているAT&Tが誕生することになった。政府が企業の経営に口出しできると考えている人にとって、それは最も喜べる結果ではないはずだ。
(The Wall Street Journal/Dan Gallagher)
https://diamond.jp/articles/-/196600
2019年3月12日 The Wall Street Journal
中国の驚くべき輸出激減、犯人は太陰暦?
山東省の港
Photo:Reuters
――WSJの人気「ハード・オン・ザ・ストリート」
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毎年この時期の中国経済は荒れ放題の裏庭のようになる。犬、豚、さらには竜までが統計を踏みつけ駆けずり回っている。
中国の輸出が2月にただならぬ激減となったのはその典型例だ。輸出額(ドル建て)は前年同月比20.7%も減少した。欧米諸国は太陽暦を採用しているが、中国で最も大切な祝日は太陰暦で定められる。このため、一週間程度の連休となる旧正月(春節)の時期が毎年変わり、1月、2月、場合によっては3月も、経済指標を前年同月の水準と比較するのが難しくなる。
戌(いぬ)年だった2018年の春節は2月16日で、過去10年で2番目に遅い旧正月となった。つまり、1年の早い時期に生じる貿易統計のゆがみの多くが3月にずれ込んだことになる。18年2月の輸出は前年同月比で44.5%増加したが、3月には2.7%減となった。今年の春節は2月5日で、影響の大半は1月と2月に現れた。去年の2月と比べた甚だしいベース効果が、今年の悲惨な落ち込みの大きな原因だ。
だからといって、中国の輸出が好調だというわけではない。ただ統計の落ち込み方が異常なのだ。1月と2月を合わせた統計であれば、もう少し正確に現実を映し出す。19年1〜2月の輸出は前年同期比4.6%減で、18年12月の4.4%減と同程度だ。
欧州の経済成長減速は一つの要因となる。1〜2月の輸出は元建てで前年同月比7.5%増と、18年半ばの2桁台の伸びに比べ著しく減速した。だが、対米貿易摩擦は今や相当な重荷となり始めている。1〜2月の対米輸出(元建て)は9.9%減少した。一方、東南アジア向けは7%増加。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)はこうした動きについて、米関税を回避するためのサプライチェーン(供給網)の再編が反映されていると指摘する。8日の中国株式相場は、前夜に欧州から飛び出した弱気材料を受けて大幅安で始まり、日中に貿易統計が発表されると下げ幅を一段と広げた。
中国は米国からの通商圧力の強さを実感し始めているというのが全体像だが、統計が示すほどの完全な崩壊には至っていない。ただし、状況は上向く前に一層悪化する可能性が高い。中国製造業の購買担当者指数(PMI)は依然として輸出受注の減少傾向を示している。
中国の輸出は昨年、底堅さを証明した。だが残念ながら、本格的な苦しみに直面するのはこれからだ。
(The Wall Street Journal/Nathaniel Taplin)
https://diamond.jp/articles/-/196601
2019年3月12日 The Wall Street Journal
巨大ハイテク企業、ITバブル時と違うリスクとは
アマゾンとアップル
ITバブル期の大型ハイテク株に比べれば現在のハイテク大手の株価には多くの下支え要因がある
Photo:Reuters
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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IT(情報技術)バブル期のハイテク大手と現在のハイテク大手で一つ違いがあるとすれば何か。現在の巨大ハイテク企業はまさに圧倒的な規模を誇り、しかも熱狂した投資家でなくともそうと認めるほどなのだ。
だからといって、リスクがないわけではない。
IT(情報技術)バブルが頂点に達した2000年3月10日、当時の大手ハイテク企業の時価総額はとにかく無視できない規模に押し上げられていた。「四騎士」と呼ばれたマイクロソフト、シスコシステムズ、インテル、オラクル(時にパソコンのデルが入れ替わったが) の合計時価総額は、S&P500企業全体の約13.9%を占めていた。
四騎士のうち、当時の時価総額を上回るのはマイクロソフト1社だけとなった。マイクロソフトは最近になって米企業の時価総額1位に返り咲いた。背後にはアップル、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社のアルファベットが迫っている。この4社を合わせた時価総額はS&P500企業全体の約13.5%と、かつての四騎士の水準に近い。
現在のトップ4社はしかし、経済的にはるかに大きな影響力を持つ。4社合わせた年間売上高は約7500億ドルと、ITバブル期の四騎士のおよそ10倍に相当し、足元ではS&P500企業の売上高総額の6.4%を占める。この比率は2000年当時の4倍余りだ。どれか1社が抜きんでて大きな割合を占めているわけではない。S&P500企業の売上高総額に占める割合はアップルとアマゾン(厳密には小売企業だが)がそれぞれ約2%、マイクロソフトとアルファベットがほぼ1%ずつとなっている。利益も同様で、4社の合計利益はS&P500企業の利益総額の11%と、2000年3月の四騎士の水準に比べ倍以上だ。
それでもITバブル期よりはずっと健全だ。当時は現実離れしたバラ色の見通しをもとに四騎士のバリュエーションが高騰していた。四騎士を合わせた過去19年の投資リターンは、S&P500種指数のリターンを100ポイント余り下回った。現在のトップ4社は売上高、利益とも大幅に拡大し、株価の下支え要因が増えた格好だ。
それでも、今の値がさハイテク株が長期的に良い投資先になるとは限らない。巨大企業には、規模の経済によるコスト低下など有利な面もあるが、不都合な面もある。
そもそも稼げる資金には限度がある。マイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベットの売上高総額が世界の国内総生産(GDP)の1%近くに達する中、経済成長ペースをしのぐほどの4社の成長力は規模的な制約に直面しつつあるかもしれない。
巨大企業は小規模な競合より動きが鈍くなる恐れもあり、事業環境の変化に適応するのが一層難しくなりかねない。実際、創業初期のマイクロソフトやアップル、アマゾン、アルファベットは、既存勢力を破壊するシリコンバレーの風雲児そのものだった。マイクロソフトとアップルはパソコン革命で中心的役割を果たし、小型コンピューターやメインフレームのメーカーに取って代わる存在となった。アマゾンは小売業界を一変させ、アルファベットは広告業界の大変動を引き起こした。その4社が今や、一大勢力となっている。
さらに、巨大企業が直面する規制上の制約も大きくなる可能性がある。買収計画は独占禁止法を根拠に阻止されるかもしれない。規制当局は時として、企業が大き過ぎると判断することもある。アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ(現AT&T)は1981年末時点で時価総額最大の米企業だった。同社は1982年1月、米司法省による反トラスト法(米独占禁止法)訴訟で和解するため、分割することで合意した。
大企業への投資は振るわない結果になることも多い。リサーチ・アフィリエイツのロバート・アーノット氏とリリアン・ウー氏の分析によると、1951年から2011年にかけて、各セクターの時価総額1位になった米企業は、その後の年月でリターンが平均を下回る傾向にあった。
もちろん、大企業が重力に逆らうかのように長期にわたって高い収益を上げることもある。アップルが最初に米企業の時価総額1位になったのは2011年8月で、時価総額は約3400億ドルだった。株価はその後も極めて好調で、昨年9月には時価総額が1兆1000億ドルに達した。
アップルの向こう1年の売上高は減少が見込まれ、その規模の大きさが成長を阻害している可能性がある。アップル株は9月以降、25%近く下落している。アマゾンは9月に一時、時価総額1兆ドルに届いたが、やはり株価の急落に見舞われている。アルファベットとマイクロソフトの株価は比較的小幅な下落にとどまり、おおむね市場平均に並ぶ動きとなっている。
新たな四騎士のレースは見る者を楽しませるとはいえ、投資家は過去の大企業の実績を考慮し、他に目を移した方がいいかもしれない。何しろS&P500種構成企業は他に496社もあるのだから。
(The Wall Street Journal/Justin Lahart)
https://diamond.jp/articles/-/196599
ワールド2019年3月12日 / 17:35 / 6時間前更新
豪州の干ばつ、今年のGDPの重しに=デベル中銀副総裁
Reuters Staff
1 分で読む
[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中銀)のデベル副総裁は12日、同国東部で続いている深刻な干ばつについて、降雨量が近く平均水準に戻ったとしても、今年の経済成長率の重しになるとの見通しを示した。
干ばつはすでに国内総生産(GDP)を0.15%押し下げているという。
「気候変動と国内経済」と題したシドニーでの講演で明らかにした。
副総裁は、気候変動の影響を最も受けるのは通常農業だが、地球温暖化は国内経済の幅広い分野にとって大きなリスク・商機になると指摘。金融政策の決定に際しては、常に多数の要因を分析・評価するが「気候変動ほどのスケール、根深さ、システミックリスクを持つ要素は少ない」という。
副総裁は「干ばつやサイクロンの頻度が上がればどうなるか。供給面のショックは、もはや一時的ではなく恒常的に近いものになる」と述べた。
オーストラリアは昨年、干ばつや低木地帯の火事の影響で観測史上3番目に暑い年となった。
副総裁は「気候モデルから得られた結果を受け取り、我々の経済モデルに組み込むことが課題になる」とも発言。中銀は、企業や気候モデルの製作者と連絡を取り合い、金融政策の参考にしているという。
豪中銀は昨年、気候変動問題を検証する中銀のグループである「NGFS(気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク)」に参加した。
副総裁は、再生可能エネルギーへの投資が近年増えているとも指摘。「マクロ経済の水準にも顕著な影響を及ぼす大型(投資)であり、総生産と金融政策の計算にも影響する」とし、インフレ統計に占める電気料金の重要性を踏まえ、今後の再生可能エネルギーの価格・投資動向を注視していくと述べた。
https://jp.reuters.com/article/australia-economy-rba-idJPKBN1QT0YY
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