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ゴーン氏は無罪でも名誉回復は無理!?日本メディアの歪んだ「人民裁判」
https://diamond.jp/articles/-/196135
2019.3.7 窪田順生:ノンフィクションライター ダイヤモンド・オンライン
これから「無罪請負人」とともに戦うゴーン氏だが、仮に裁判で無罪を勝ち取っても、メディアによる”人民裁判”ですでにクロ認定されてしまった以上、名誉を回復するのは極めて難しい Photo:Reuters/AFLO
ゴーン氏が107日ぶりに娑婆に出てきた。弁護人は「無罪請負人」の弘中惇一郎弁護士。しかし、ゴーン氏が仮に裁判で無罪を勝ち取ったとしても、すでに検察や「日産関係者」からのリークをバンバン報道する、メディアによる“人民裁判”で真っ黒だと認定されてしまったゴーン氏が、日本社会で名誉を回復するのは難しいだろう。(ノンフィクションライター 窪田順生)
弘中マジックで無罪になっても
「ゴーン有罪」は揺るがない!?
カルロス・ゴーン氏が108日ぶりに娑婆の空気を吸うこととなった。
今後は、ロス疑惑、厚労省郵便不正事件、陸山会事件などを担当してことごとく下馬評をひっくり返し、「無罪請負人」の異名をとる弘中惇一郎弁護士とともに、特捜部や日産に対して猛反撃をしていくと見られている。
弘中氏はゴーン氏が起訴された3つの事件について、10年以上前から日産社内で知られていたことで、常識的に考えて刑事事件になるような事件ではないとして、「無罪を取れてもおかしくない」と自信をのぞかせている。また、同様の指摘は、元検事の郷原信郎弁護士など一部法曹関係者からも出ている。
つまり、これまで幾度となく特捜部の面子を潰してきた「弘中マジック」に鑑みれば、「ゴーン無罪」がにわかに現実味を帯びてきたというわけだ。
こう聞くと、「会社を私物化して、悪事の限りを尽くしてきたのにお咎めなしなんて許せない!」と怒りで気がヘンになってしまう方も少なくないと思うが、そこは安心していただきたい。
仮に「無罪判決」が出たところで、この日本においては、ゴーン氏は死ぬまで「犯罪者」のそしりを受ける。我が国で最も支持され、最も影響力のある裁判で、「有罪」が確定しているからだ。
「え?裁判なんてやっていたっけ?」と思うかもしれないが、意識をしていないだけで、もうかれこれ100日間もぶっ続けで開廷していて、事あるごとに我々はその傍聴席に座らされている。
その裁判とは、東京地検特捜部と日産に丸乗りしたマスコミによる「人民裁判」のことだ。
有罪でも無罪でも
ゴーン氏は日産に戻れない
検察側が描く「ストーリー」が、「関係者によると」いう枕詞でマスコミが触れ回るというのは、もはや周知の事実だが、今回の「民衆法廷」では「日産関係者」という証人が極めて大きな役割を果たした。
「ゴーン氏の姉に業務実態のない金が年10万ドルも払われていた」
「ゴーン氏には豪邸や高級シャンデリアやGT—Rが無償提供されていた」
「ゴーン氏の指示で、中東の販売代理店に億単位の報奨金が送られていた」
なんて感じでマスコミが、ゴーン氏の悪行三昧をぶちまけ続けたことで、日本の世論的にはゴーン氏はすっかり「クロ」というイメージが定着してしまっているのだ。
もし虚偽記載や特別背任で「無罪」という判決が出たとしても、「裁判ではうまいこと逃げたけど、悪事を働いたことは変わらない」などの批判が持ち上がる。やれグレーだ、経営者失格だと言うそしりを受けて結局、日本企業の富を食い潰した「強欲外国人」という評価は何も変わらない。
つまり、これから始まる司法裁判の結果を待つまでもなく、日本人による「ゴーン裁判」は事実上、結審を迎えてしまっているのだ。
そのあたりは、この100日、雨の日も風の日もゴーン氏の悪口をリークし続けてきた「日産関係者」が、ゴーン氏の保釈を受けて日本テレビに流したコメントにすべて集約されている。
「有罪でも無罪でももう日産に戻ってくることはないので、淡々とやります」(日テレNEWS 24 3日6日)
もし無罪になろうとも、世間の皆様が決してゴーン氏の「復職」を認めるわけがないというのである。
本来、取締役会にかけるような問題を捜査機関に売り飛ばしてまで、「ゴーン追放」を成し遂げたかった「日産関係者」なる人たちからすれば、これは事実上の「勝利宣言」といえよう。
最高裁で無罪確定でも
悪評が消えなかった三浦和義氏
なんてことを言うと、「いや、無罪になればゴーン氏の名誉回復もなされるので世間の受け取り方も変わるはずだ」と主張される方もいるかもしれないが、事実として、日本ではそういうケースはほとんどない。
「マスコミ法廷」で「クロ」と言う判決が出た人間は、その後の司法裁判で「シロ」となっても、「クロ」のままだ。
逮捕で身柄を拘束されている間に、マスコミが作り出すイメージでその後の人生がすべて決まってしまうのである。
わかりやすい例が、弘中氏を「無罪請負人」として一躍世間に知らしめた「ロス疑惑」だ。
この事件の被告人だった三浦和義氏とは、かつて担当編集者を務めていたこともあって、仕事以外でも親しくさせていただいた。興味深い相談を持ちかけられることもあったし、普通の生活を送っていたら絶対に会わないような方たちや、足を踏み入れられないような場所に三浦氏が連れて行ってくれることもあった。
そういう付き合いをしていると、ロス疑惑をオンタイムで取材していた先輩記者やジャーナリストの皆さんからこんな感じで、心配されることが多かった。
「あいつは絶対にクロだ。お前もあまり深く付き合うとひどい目にあうぞ」
だが、意外だったのは、同じようなことをマスコミ以外の友人知人、先輩方から言われたのだ。取材者として、それなりに事件を追ったわけでもなく、新聞やテレビで見ていただけの人が三浦氏を「クロ」だと断定していたのだ。
「あの人って結局、奥さんを殺してるんでしょ」
つまり、「ロス疑惑」報道の印象があまりに鮮烈すぎて、後に最高裁で無罪判決を受けたことなど全くご存じない方が圧倒的に多いのだ。そして、このような誤解は有罪無罪だけに止まらない。
人民裁判の「クロ」認定が
その後の評価を決めてしまう
実は三浦氏もゴーン氏と同じで、裁判の前に週刊誌やワイドショーで本筋とかけ離れた「悪行三昧」が触れ回られた。女性関係が派手だ、少年時代もフダ付きのワルだった云々と凄まじい個人攻撃がなされた。だが、ここからが三浦和義という人物のすごいところで、勾留中にこれらを事実無根の名誉毀損だと次々と訴え、ほぼ全てのマスコミから慰謝料を取ったのである。
しかし、世間の人はそんな事実はほとんど知らず、「悪行三昧」が事実のように語られている。要するに、一度でもマスコミによる「人民裁判」で「犯罪者」認定されてしまうと、その後に司法の場でどんなにそれを否定するようなジャッジがなされても、その評価が覆ることは難しいのだ。
この辺りは、同じく弘中氏が代理人を務めた小沢一郎氏にも言える。2010年に資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規制法違反の疑いで強制起訴されたが、判決では「無罪」を勝ち取った。しかし、元秘書が有罪となっていることから、世間的には「グレー」なイメージが尾を引いており、ネットを見渡せば、実際は「クロ」であると決めつけているような人もいる。
なぜこうなってしまうのかというと、やはり裁判前のマスコミ報道という「人民裁判」で、「クロ」という判決が出て、そのイメージの方が強いからだ。
例えば、今のゴーン報道を彷彿とさせるような「小沢祭り」が連日のように続いた2010年、1月20日の「読売新聞」では一面でドーンと大きくこんな風にぶちまけている。
《「小沢氏 4億不記載了承」 石川容疑者が供述 東京地検 刑事責任 追及視野》
800万部の発行部数を誇り、ネットでも記事を配信している大マスコミが、こういうことを報道すると、人を疑うことを知らぬ善良な日本人の多くは、「やっぱり小沢さんはクロだったんだな」と衝撃を受ける。
この2年10ヶ月後に東京高裁で「無罪」が確定するのだが、その時には疑惑報道時ほどのインパクトはなかった。つまり、このファーストインプレッションがあまりに強烈すぎて、「え?小沢さんって悪いことをやった人でしょ?」というイメージが定着してしまうのだ。
日本では横行する
アクセスジャーナリズム
もちろん、郵便不正事件で起訴された元厚労官僚の村木厚子氏のように、無罪判決で名誉回復がなされケースもなくはないが、あれは検察側が証拠の捏造という、日本中がひっくり返るインチキをしていたことが大きい。
このような捜査機関側の失態でもない限りは、マスコミ人民裁判で「犯罪者」認定された人物が、社会的に名誉回復や地位回復した例はほとんどない。もちろん、支援者やシンパはたくさんできるが、「裁判でうまく逃げただけでしょ」という目で見られ続けるのだ。
そういう前例を考えると、ゴーン氏に対する日本人の評価は、これからの裁判の結果でそう変わることはないのではないか。
では、なぜ平成の世になっても「人民裁判」が続くのか。ポイントは2つある。「記者クラブ」と「長期勾留」だ。
閉鎖された世界の中で、特定の記者たちの間で特ダネ競争をしなくてはいけないので、検察担当記者は、どうしても検察のリークに依存していく。財務事務次官に呼び出されると、仕方なく酒に付き合わなくていけない女性記者と同じで、「忖度」ができてしまう。
こういう情報源とズブズブの関係になることを、世界では「アクセスジャーナリズム」と問題視してきたが、日本ではどういうわけか、「我ら選ばれたエリートが取材しないと、デマ記事が横行する」と国民を脅して、こういうスタイルを続けてきた。
そして、このアクセスジャーナリズムが度々、ひどい人災を招いてきた。わかりやすいのが、オウム真理教がサリンをばらまいたのに、第一通報者の河野義行さんが罪を着せられた、いわゆる松本サリン事件だ。マスコミによって、犯人に仕立て上げられた河野さんは、この問題の本質を的確についた発言をされている。
「その人物が無罪である可能性を探るのが本来のマスコミの仕事だが、警察の情報をうのみにし、疑惑の補強材料ばかりを探し、『推定有罪』で動いている」(朝日新聞北海道版2002年6月9日)
ゴーン反撃で
日産は再び血を流す
この「推定有罪」を後押ししているのが、日本の「長期勾留」である。
ご存じのように、この制度は国際的に批判されている。理由は、「推定無罪の原則」に立てば、まだ犯罪者でもない人間を監禁して、自白を迫るなど非人道的だというものだが、実は「長期勾留」の本当の恐ろしさはそこではない。
今回のゴーン氏を見れば明白だが、自由を奪われて、何も発信できない、反論できない間に、「関係者」たちが一方的にマスコミにネタをリークして、「欠席裁判」ができてしまうことにあるのだ。
「記者クラブ」も「長期勾留」も、海外からおかしいよと言われると、日本人の多くは顔を真っ赤にして「よその国が日本のやり方に口出すな!」とキレることからもわかるように、この2つはそう簡単になくならない。これからも日本の「人民裁判」は続いていくのだろう。
とはいえ、ゴーン氏もやられっぱなしでいる人物ではない。
歴史に学べば、名誉回復の鍵は「敵」の失態をつくことにある。日産側のクーデターや西川廣人社長の「推定有罪」につながる材料をどしどしリークすることで、「犯罪者」というレッテルを跳ね返しにいくはずだ。
そのような本格的な泥仕合になれば、日産も事態収拾のために誰かを「人身御供」として差し出さざるを得ない。つまり、「ゴーン氏をハメた張本人」を切り捨てることで、日産という組織自体への攻撃をかわすのである。
もし筆者が「日産関係者」だったら、「ゴーン無罪」の風が強くなれば、「あの人」の悪行三昧をマスコミにリークするだろう。彼のクビを差し出せば、ゴーン氏の怒りもどうにか収まるので日産を守れるのではないかと考える。そう、かつてゴーンの腹心と言われた「あの人」を引きずり下ろすのだ。
日産の次のクーデターは、もう始まっているのかもしれない。
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— 鉄馬 (@tetsumah) 2019年3月6日
明治維新151年の日本は⁉️😭😭
— 本田 宏 (@honda_hiroshi) 2019年3月6日
その裁判とは、東京地検特捜部と日産に丸乗りしたマスコミによる「人民裁判」のことだ。
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良記事すぎる。記者クラブが無かったら安倍政権もここまで悪化しなかった。
— MIZ (@miz_mizm) 2019年3月6日
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「記者クラブ」も「長期勾留」も、海外からおかしいよと言われると、日本人の多くは顔を真っ赤にして「よその国が口出すな!」とキレることからもわかるように...これからも日本の「人民裁判」は続いていくのだろう / “ゴーン氏は無罪でも名誉回復は無理!?日本メディアの歪…” https://t.co/XfBxhM1kYX
— paravola (@paravola) 2019年3月6日
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— CHOCO (@HI_parsley) 2019年3月6日
うんうん、検察が虚勢張りたいだけの世界!
あそこまで追い詰める、野蛮過ぎてヘドがでるわ!
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