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弁護士交代で流れ激変 ゴーンvs東京地検“第2R”の攻防
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248846
2019/03/06 日刊ゲンダイ 文字起こし
着任3週間で保釈を取った弘中弁護士(右)、108日ぶりに身柄拘束を解かれるゴーン被告/(C)日刊ゲンダイ
“無罪請負人”は「無罪取れておかしくない」 |
世界を唖然とさせた“ゴーン事件”は異例の展開をたどっている。東京地裁は6日、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の保釈を認めた。地裁の決定を不服とする東京地検が準抗告したが、退けられた。昨年11月、羽田空港に舞い降りたプライベートジェット機内で逮捕されたゴーンは108日ぶりに身柄拘束を解かれることとなった。保釈保証金を10億円も積むことになったが、代理人が元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士から、“無罪請負人”の異名を持つ弘中惇一郎弁護士に代わってから3週間での大展開である。
これでハッキリしたのが、弁護士の入れ替えによってゴーン事件の流れは激変したということ。大鶴氏もゴーンの強い要望を受けて保釈請求を2回したが、いずれも却下された。今年1月の会見では「初公判まで保釈が認められないケースが多い」とこともなげだった。骨の髄まで検察ムラの掟にどっぷり漬かった発想で弁護を担っていたのである。それが一転、先月13日に弘中氏が代理人に就いたことで、事態は大きく動いた。先月28日に3回目の保釈請求を行い、▼日本に住み、住居の出入り口に監視カメラを設置▼パスポートを弁護人が管理し、海外渡航を禁止▼日産幹部ら事件関係者との接触禁止▼パソコンや携帯電話の使用制限――などの保釈条件を設定したという。パソコンは弁護士事務所のネット接続ができないもの、携帯も通話のみの使用に制限されるという。
元特捜検事の郷原信郎弁護士は言う。
「監視カメラの設置を保釈条件に申し入れるのも異例です。本来であれば、裁判所は関係者との接触禁止の条件で保釈を認めなければおかしい。ゴーン氏は有価証券報告書に役員報酬を少なく記した虚偽記載と特別背任で起訴されていますが、有罪に持ち込めるかは疑問です。役員報酬の記載が虚偽記載の問題とされた例がなく、私的投資の評価損を日産に付け替えた特別背任で日産が損害をこうむっていない。サウジアラビア人実業家に送金した件は、当事者の証言を得ていない。どう考えても、ゴーン事件は無理筋の印象です」
弘中氏は4日に外国特派員協会で開いた会見で、「この事件は奇妙だ。日産も10年以上前から知っていたことばかり。何の目的で今、検察に届けたのか。常識で考えて刑事犯罪になる問題ではないのではないか」とし、「無罪を取れておかしくない」「全く新しい発想、意見でこれから進めていきたい」と強調した。弘中氏は郵便不正事件に巻き込まれた厚労省の村木厚子元局長や、陸山会事件で強制起訴された自由党の小沢一郎代表の無罪を勝ち取った実績がある。
身内のヤメ検から弁護のプロへの布陣一新に、検察は戦々恐々なのではないか。どう対抗するのか。見ものである。
元特捜検事の郷原信郎弁護士は言う。
「監視カメラの設置を保釈条件に申し入れるのも異例です。本来であれば、裁判所は関係者との接触禁止の条件で保釈を認めなければおかしい。ゴーン氏は有価証券報告書に役員報酬を少なく記した虚偽記載と特別背任で起訴されていますが、有罪に持ち込めるかは疑問です。役員報酬の記載が虚偽記載の問題とされた例がなく、私的投資の評価損を日産に付け替えた特別背任で日産が損害をこうむっていない。サウジアラビア人実業家に送金した件は、当事者の証言を得ていない。どう考えても、ゴーン事件は無理筋の印象です」
弘中氏は4日に外国特派員協会で開いた会見で、「この事件は奇妙だ。日産も10年以上前から知っていたことばかり。何の目的で今、検察に届けたのか。常識で考えて刑事犯罪になる問題ではないのではないか」とし、「無罪を取れておかしくない」「全く新しい発想、意見でこれから進めていきたい」と強調した。弘中氏は郵便不正事件に巻き込まれた厚労省の村木厚子元局長や、陸山会事件で強制起訴された自由党の小沢一郎代表の無罪を勝ち取った実績がある。
身内のヤメ検から弁護のプロへの布陣一新に、検察は戦々恐々なのではないか。どう対抗するのか。見ものである。
徹底抗戦の構えのゴーン被告(C)ロイター
会計のプロも指摘「有報虚偽記載も特別背任も成立しない」 |
ゴーンは早速、米国の代理人を通じて「私は無実であり、この無意味で根拠のない罪状に対し、公正な裁判を通じ強く抗弁する」と声明を発表。徹底抗戦の構えを崩していない。ゴーン・国際世論VS検察・日産の第2ラウンドの行方はどうなるのか。
「キャッツ株価操作事件」で有罪判決を受け、最高裁まで争ったものの上告棄却になった元公認会計士の細野祐二氏が発売中の月刊誌「世界」(3月号)に「日産ゴーン事件の研究」と題して寄稿し、こう分析していた。
〈企業会計原則上の発生主義の原則に従う限り、ゴーン元会長の先送り報酬五〇億円は有価証券報告書において開示すべき役員報酬には該当しない。すなわち、ゴーン会長の逮捕事由である有価証券報告書虚偽記載は根拠がない〉
問題の役員報酬を将来給付として費用計上するには、@原因事実の発生A支払額に合理的見積もりB支払いの蓋然性――の3要件を全て満たす必要があるという。ゴーンは先送り報酬を退職後の顧問料などの名目で受け取るつもりだったと主張している。だとすると、決算期末時点で原因事実は未発生。金額を明示した文書が残っているため合理的見積もりは満たされているものの、将来の業績次第で日産に支払い余力があるかどうか不透明なことから支払いの蓋然性は極めて低いという。
細野氏もまた、ゴーンが計約91億円の役員報酬を有価証券報告書に過少記載したとする金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)も、私的な通貨スワップ取引で生じた約19億円の評価損を日産に付け替え、自分に戻す際に約30億円分の信用保証に協力したサウジアラビア人実業家に日産子会社から計1470万ドル(当時のレートで約13億円)を送金させたとする会社法違反(特別背任)も成立しないというのである。
〈ゴーン元会長は、本件スワップ契約の付け替えにつき、「日産に実損はない」と抗弁しているとのことであるが、事実は、実損がなかったどころか、形式上も実質上も日産には損失が認識できなかったのである〉
〈ゴーン元会長に特別背任罪が成立するためには、ゴーン元会長の故意による日産自動車の財産上の損害が認定できなくてはならない〉
通貨スワップ取引の日産への付け替えは2008年10月〜09年1月。日産が含み損を認識するには決算期の会計処理を待たねばならず、3月期決算の日産は何の痛手もこうむっていないとの解説だ。これが事実だとしたら、検察は公判維持に難儀すること必至である。
クーデター首謀を否定するが…(日産の西川社長)/(C)日刊ゲンダイ
西川社長は“ゴーン極悪人評”バラまき対抗 |
無理筋捜査は明らかなのに、国連まで巻き込んだ国際世論のうねりに検察は抗しきれるのか。
ゴーンの長期勾留を「非人道的だ」と非難してきた家族は、国連の恣意的拘束に関する作業部会に人権侵害を申し立てた。その見解に法的拘束力はないが、国際社会に与えるインパクトは侮れない。そうでなくても、海外メディアは検察の手法に批判的で、ゴーンの動向を注視している。日産、三菱自動車と3社連合を組むルノーが本社を置くフランスでは保釈決定が「サプライズ」「日本の司法では例外的」などと一斉に速報で伝えられた。
今年1月の勾留理由開示手続きで法廷に立ち、変わり果てた姿を衆目にさらす屈辱にも耐えたゴーンは、拘置所でもメディアの取材に応じ、「策略であり反逆だ」と日産を猛批判してルノーとの統合阻止を画策したクーデターだと訴えた。身体の制約も時間の制約もなくなった今、会見を開いてボルテージをさらに上げれば、アナウンス効果は抜群である。
ゴーンの保釈決定を日産も三菱自も静観しているが、ゴーン無罪ならば、西川広人社長が取って代わった日産は大打撃だ。ゴーンの巻き返しを想定してか、西川氏もメディアの単独インタビューで反撃。日経新聞(2月28日付朝刊)ではゴーン時代を振り返り、「当時うまくいっていたとの見方は幻想だ」「(17年3月期までの中期計画)『日産パワー88』などは数字ありきで、中身は何でもよいという部分があった」と切って捨て、週刊文春(3月7日号)では「日産は、ゴーン氏やその家族が贅沢な暮らしをするための道具に過ぎなかったのか」「ゴーン氏は日本を、日本人をナメていたのではないか――それが今の偽らざる実感です」などとゴーンの極悪人ぶりを訴えた。
経済ジャーナリストの小宮和行氏は言う。
「西川社長が正当性を訴えれば訴えるほど引っかかるものがありますが、日産はゴーン事件と3社連合の問題を何とか分離させたい。新聞で例えるならゴーン事件は社会面。経営統合や資本関係を巡るルノーとの問題は経済面での扱いに切り離せれば、ゴーン事件がどう転んでもダメージコントロールは可能とみているようです」
大株主の仏政府が絡んだルノーとの攻防は先が見えず、経産省は完全に腰が引けてきた状況だ。経済ジャーナリストの井上久男氏はこう言う。
「日産の新会長人事は『ガバナンス改善特別委員会』が3月末までに提言する改革案、来月8日の臨時取締役会でルノーのスナール会長の取締役就任が節目になる。日産がルノーに寄り切られる事態になれば、官邸の力を頼ることになるのではないか。日産が本社を構える横浜市は菅官房長官のお膝元ですから」
常に大きな力に頼む日産がまた、新たな火種を生みそうな展開である。
5日に保釈を認める決定が出された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は保釈金10億円を納め、先ほど東京拘置所から保釈されましたhttps://t.co/n1w3LS7IxX#nhk_news #nhk_video pic.twitter.com/yDJuoSebJr
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年3月6日
【号外】ゴーン被告保釈 逮捕から108日 保証金10億円納付https://t.co/xSFkdpp0vc pic.twitter.com/wl3cY18jo0
— 北海道新聞 (@doshinweb) 2019年3月6日
ゴーン被告生まれて初めての作業着の変装 pic.twitter.com/QXUBMAAGMJ
— 音速ホームライナー (@WxQBqxkM5xkJeCN) 2019年3月6日
【速報】日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告が保釈され、108日にわたって勾留されてきた東京拘置所を出ました=澤井慎也撮影https://t.co/Mz53EcltJK#ゴーン #Ghosn #Nissan pic.twitter.com/w4wXaCdHbi
— 日経新聞 写真部・映像報道部 (@nikkeiphoto) 2019年3月6日
保釈された日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(中)はスズキの軽自動車に乗り込んで東京拘置所を出ました=野岡香里那撮影https://t.co/FQo6fdHRMh#ゴーン #Ghosn #CarlosGhosn #Nissan pic.twitter.com/RGIIUDGxN3
— 日経新聞 写真部・映像報道部 (@nikkeiphoto) 2019年3月6日
カルロス・ゴーンが軽自動車で作業員に変装して拘置所から釈放 pic.twitter.com/Vj9r3aTmTn
— シロピコ (@hama_B3) 2019年3月6日
弁護士交代で流れ激変 ゴーンvs東京地検“第2R”の攻防|日刊ゲンダイDIGITAL https://t.co/TLls0JCoGo @tim1134
— 桃丸 (@eos1v) 2019年3月6日
【怒りの倍返し】弁護士入れ替えで流れは激変 ゴーン・国際世論 VS 検察・日産 第2Rの行方 ただでさえ無理筋捜査なのに国連まで巻き込んだ国際世論のうねりに検察は抗しきれるのか ゴーン無罪ならば西川日産は大打撃だが、そこに大株主のフランス政府が絡んだルノーとの攻防...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/QrF5HMjfvK
— KK (@Trapelus) 2019年3月6日
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