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なぜ「格安スマホ」が得だと分かっていても変更できないのか
https://diamond.jp/articles/-/195837
2019.3.5 大江英樹:経済コラムニスト ダイヤモンド・オンライン
Photo:DOL
格安スマホに変更したのは
わずか1割ちょっと
家計の見直しについて語られる場合、「格安スマホ」への変更ということがしばしば話題となる。実際、多くのファイナンシャルプランナー(FP)も格安スマホへの変更を推奨しているし、利用料金だけで見るとかなり安くなることも事実のようだ。
しかしながら、話題になる割に、それほど多くの人がこのサービスを使っているようにはみえない。総務省が2018年12月21日に発表した「電気通信サービスの契約数およびシェアに関する四半期データ」を見ても、格安スマホであるMVNOを利用している人の割合は11.3%にすぎない。せいぜい1割ちょっとである。
筆者は、この業界にあまり詳しくないので、正直言ってサービスの違いや料金体系については知らないことも多い。だが、格安スマホにはメリットだけではなくデメリットもあるから、爆発的には増えていないのだろう。
しかしながら、行動経済学の観点から考えると、格安スマホが増えない理由はよく分かる。それは「損失回避の心理」がもたらす「現状維持バイアス」のためだと考えられるからだ。
損をしたくないと思い
現状を変えることに抵抗
行動経済学の基礎的な理論である「プロスペクト理論」によれば、人間は「本質的に損失回避的である」といわれる。もちろん誰もが損をしたくないのは当然だが、問題はあまりにも損をしたくないという気持ちが強いため、リスク回避的になる人が多いということだ。
利益を得ようと思えば、損失が発生する可能性も覚悟しなければならない。言い方を変えれば「リターンを得るためにリスクを取る」ということだ。ところが、人間は本質的に損失回避的であるため、利益を得ることを犠牲にしてでも損失は避けたいという心理が強く働く。
その結果、現在の状況を変えようとすることに対しては、強い抵抗感が生じる。なぜなら、良かれと思って変えようとするわけだが、変えたからと言って必ず良くなるとはいえない。特に自分がよくわからないことや先行きが不透明なものほど、不安が大きくなるからだ。
もし変更した結果、現在よりも悪くなってしまったらどうしようと心配する気持ちが強くなるため、変えることに抵抗感が生じる。これが現状維持バイアスといわれる心理だ。
格安スマホへ変更することを例に考えてみよう。多くの利用者はこう考えるだろう。
「節約を指南する雑誌や記事を読んでいると、確かに変更することによって毎月のコストは安くなるようだ。ところがキャリアメールが使えなくなったり、面倒な手続きをしなければならなかったり、通信速度も遅くなったりするというデメリットもあると聞く。だとすれば、変えたことによる不便さは今よりも大きくなるかもしれない。それなら今のままでもいいか」
実際、多くの人は、通信の業界やその仕組みについて詳しい知識を持っているわけではない。したがって、変更したことによって問題が起きることに対して不安を持っているのは事実だろう。実際に格安スマホへ変更することが良いか悪いかは別として、変更が進まない理由はこの辺りにあるといえるだろう。
株を損切りできないのも
「現状維持バイアス」
現状維持バイアスは他にもたくさん例がある。例えば株式投資においてもこれはよく見られる現象だ。
特に投資した銘柄の株価が下落したときに、現状維持バイアスが頭をもたげてくる。本来、株価が下がる理由は大きく2つに分けられる。1つはその会社の業績や財務内容が悪化した(する)とき、そしてもう1つはその会社自体には何も変化はないが、市場全体の地合いが悪化したり天変地異や政治リスクが起きたりして、市場全体がいわゆるリスクオフの状態になるときだ。
後者の場合は、あまり短絡的に考えて慌てて売るのではなく、じっくり保有した方がいいが、前者であれば、早めに売却することで損失が大きくなることを防げる場合も少なくない。
ところが多くの場合、投資家は逆の行動をとりがちだ。
東日本大震災やイギリスのEU離脱の国民投票のように、予想外の大きな出来事が起きたとき、先が見えない不安からとりあえずいったん売っておこうという行動を取る投資家が増える。特にそういう場合は、比較的短期間に下げ幅が大きくなるケースが多いため、一層、不安心理が増幅される。
一方、業績の悪化といった場合、株価が急落するとは限らない。少しずつじりじりと下がっていけば、多くの投資家は損失回避の心理から「今売ると損が確定してしまうので、しばらく様子を見よう」となりがちだ。
さらに、それ以上下がってくると「売った方がいいのでは」という不安心理が出てくるが、ここで現状維持バイアスが登場する。投資家の心の中には「これ以上下がるのは嫌だから、売った方がいいのかもしれない。でも、既にかなり下がっている。もし今が底値で、売ってしまった後にすぐ上がったらどうしよう!」という気持ちが生まれてくるのだ。
まさに、現状を変える(売却する)ことによって、状況がもっと悪くなる(売った途端に上がってしまう)のではないかという現状維持バイアスが働くのだ。
保険を解約した途端に
何か起きたらと考える
同じようなことは保険でも起こり得る。家計において保険の見直しをおこない、必要な保険はいいが、無駄な保険は解約した方がいいということもしばしば言われることだ。ところがFPに相談してそのような指摘を受けても、実際に解約する人はそれほど多くはないようだ。これも現状維持バイアスといえるのだろうか。
面白い発言がある。これは、ライフネット生命取締役会長の岩瀬大輔氏が書いた「がん保険のカラクリ」という本の中に出てくる、次の一節である。
「私たちが販売しているのは金銭的に医療費を補完するものにすぎません。しかし私が飛行機に乗る際に保険を買うのは、経済的損失から身を守るためではありません。もし買わないと飛行機が落ちてしまうような気がするから買うのです。これが、がん保険が解約されずにいる理由の1つだと思います。彼らはがん保険を買い、契約を続けてきた。ここで解約してしまうとがんにかかってしまうのでないか、そんなふうに考えていると思うのです」
これは米保険会社アフラックの創業者であるジョン・エイモス氏が1972年、米国上院議会の不正・独占に関する委員会で発言した内容の一部を取り上げたものだ。検討した結果、解約した方がいいと分かっていても、解約した途端に保険金の対象となるような事態に陥ってしまうのではないかと考えることで、現状を変えること(解約すること)をちゅうちょするという、これもまさに現状維持バイアスの1つといっていいだろう。
無用なバイアスをなくすには
ルールを決めておくこと
このように、世の中には「変えた方がいい」と頭では分かっていても、現状維持バイアスによってそれを実行することが難しいことはたくさんある。それを回避するための方法の1つは、「ルール化する」ことだ。とにかく一定の条件で状況が変わったときには個人の感情や判断を交えず、機械的に実行するようにすればいい。
もちろん、それが必ずしもいい結果をもたらすかどうかは分からない。だが、根拠のない不安感にとらわれて行動しなかった結果として起きる不利益だってあるはずだ。誰も先のことは完全には分からないのだから、少なくとも判断する時点で余計なバイアスがかかることはできれば避けたい。
ルールを決めておくというのは、そんな無用なバイアスをなくすための手段の1つだろう。
(経済コラムニスト 大江英樹)
なぜ「格安スマホ」が得だと分かっていても変更できないのか(ダイヤモンド・オンライン) https://t.co/LHzvEMOqpF
— も@げんじつ (@ngo_mol) 2019年3月4日
格安スマホにして結構経つけど「仕事関係で常にスマホを使う必要がある」「子供がいて携帯での連絡が大事」といった人には向かない気がする 独身や子無し向けのものかな
私はSIMフリーのiPhone+格安SIMに換えたけど、私の利用環境では三分の一以下の利用料になったし至極快適。ーー なぜ「格安スマホ」が得だと分かっていても変更できないのか(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース https://t.co/e4QdRpoFFJ @YahooNewsTopics
— Kazumi Gacha (@kazumigacha) 2019年3月5日
もし変更した結果、現在よりも悪くなってしまったらどうしようと心配する気持ちが強くなるため、変えることに抵抗感が生じるこれが「現状維持バイアス」という心理だそうだ。
— タベイ☆気楽に行こうよ世の中は☆ (@hirow9325) 2019年3月5日
SIMフリー安い機種にしてMVNO業者とSIM契約すれば絶対お得です。
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