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福島Q&A Q35.主食の検査基準は世界一厳しいですか?
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3149.html
2020/05/20(水) 19:52:32 めげ猫「タマ」の日記
Q>主食の検査基準は世界一厳しいですか?
A>いいえ。ウクライナの主食であるパン(1)のセシウムの基準値は1キログラム当たり20ベクレルですが(2)、日本人の主食であるコメは同100ベクレルです(3)。
文部科学省が出している放射線「放射線副読本(平成30年10月改訂)」の17ページに
「原子力発電所の事故の後、厚生労働省は、食品に含まれていても健康に影響を及ぼさないと考えられる、放射性物質の量(基準値)を決めました。日本の基準値は、 他国に比べ厳しい条件の下設定されており、世界で最も厳しいレベルです。」
と記述したり(4)、復興庁が出している「放射線のホント」では、22ページには
「日本が世界で最も厳しいレベルの基準を設定して食品や飲料水の検査をしており」」
と記述されたりしています(5)。あたかも日本の基準が世界一厳しいような書き方です。
※(5)を引用
図―1 諸外国に比べ基準が厳しいことを強調する「放射線のホント」
図―1はセシウムの基準値だけを比較していますが、諸外国ではストロンチウム90やヨウ素131の基準もあります(6)。ところが日本にはありませんでので(3)ストロンチウム90やヨウ素131についてみれば、世界一甘い基準です。
以下に福島第一20km圏内のストロンチウム測定結果を示します。
事故から8年半以上が過ぎて過去最高を記録する福島県沖の魚のストロンチウム90
※(7)および(8)(9)の3ヶ月毎の<福島第一原子力発電所20km圏内海域>201*年度 第*四半期採取分を集計(*は数字)
図―2 福島県沖魚のストロンチウム90計測結果
図に示す様に1キログラム当たり数十ベクレルのストロンチウムが見つかっています。厚生労働省はストロンチウム90の検査は不要としています。セシウムの一定割合を想定すれば、安全は確保できるとの主張です。厚生労働省の資料から(3)、(=^・^=)なりに推計すると厚生労働省が想定しているストロンチウム90は1キログラム当たり9ベクレル(セシウムの10%程度)です(10)。厚生労働省の発表(11)や福島県の発表(12)で見ると、検査しているのはセシウムのみでストロンチウム90は検査いていません。
事故から2012年3月末まではヨウ素131の基準が設定されていました。野菜類や魚介類では1キログラム当たり2000ベクレルでした(13)。一方でアメリカの基準は一般食品で同170ベクレルです。
セシウム137の基準が世界一かと言えばこれも違います。以下にセシウム137に対する134の割合を示します。
※(11)を福島産について2019年10・11検査分で集計
図―3 セシウム137に対する134の相関
図に示す様にセシウム137に対する134の割合が大幅に低下しています。セシウム134の半減期(半分になるまでの時間)は約2年ですが、セシウム137は30年です(14)。事故から約9年となり、セシウム134は大幅に減っています。セシウムの基準は実質セシウム137の基準です。
福島と同様なレベル7の炉心溶融による大規模な放射能漏れ事故は1986年に現ウクライナ(事故当時はソビエト連邦)にあるチェルノブイリ原子力発電所でも起こっています(15)。その後、1991年にソ連崩壊に伴い独立しました(16)。
日本の基準は主食の米も野菜・果物・肉・魚介類はひとまとめで1キログラム当たり100ベクレルです。そしてウクライナでも基準が定められています。
ウクライナの主食はパンです(1)。ウクライナのパンのセシウム137の基準値(AL−97)は同20ベクレルです。しかも、日本にはないストロンチウム90についても同5ベクレルとの基準があります。セシウム137濃度とストロンチウム90濃度のそれぞれのAL-97値に対する比比を合計したものが1以下でなければ食品は許容されません(2)。すなわちセシウム137が同10ベクレル、ストロンチウム90が3ベクレルはら
比の合計は1.1(10÷20+3÷5)
で許容されません。
魚料理や肉料理よりは野菜料理が圧倒的に多いそうです(1)。野菜のセシウム137の基準値は1キログラム当たり40ベクレル、果物は同70ベクレルで日本より厳しくなっています。別にストロンチウム90の基準値もあります(1)。
肉や魚のセシウム137基準値は日本よりも緩くはなっていますが、別にストロンチウム90の基準値が設けられています。魚では1キログラム当たり35ベクレルです(2)。福島沖で獲れたクロソイから同54ベクレルのストロンチウム90が見つかりました(10)。日本ではOKですが、ウクライナではアウトです。
安倍出戻り内閣は日本の基準が世界一厳しいように喧伝していますが(4)(5)、ウクライナの基準と比較して日本が厳しいとは言えません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島に対する疑問を「めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A 」にまとめました(9)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
安倍出戻り内閣は日本の基準が世界一厳しいように喧伝し、福島産を「安全」と思わせようと企てていますが、この試みは福島では失敗しています。
福島県郡山市産米の全量全袋検査は約113万件で、福島県一位です(17)。同市の人口は約33万人なので(18)、市民が食べるには充分な量です。同市のお米は「あさか舞」といって美味しいお米です(19)。安全なので2011年産米ですが、学校給食に使われ子供達に強制的に食べさせました(20)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシに福島産米はありません。
※(21)を引用
図―4 福島産米が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3149.html
(1)ウクライナ料理 - Wikipedia
(2)ウクライナにおける法的取り組み
(3)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(4)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省⇒放射線副読本(平成30年10月改訂)(PDF版)
(5)風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略⇒放射線のホント
(6)IV. 各国・国際機関における規制・基準値 - 食の安全研究センター
(7)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(8)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力
(9)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社⇒魚介類の分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>⇒11日<福島第一原子力発電所20km圏内海域>2019年度 第1四半期採取分
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島沖クロソイから54(Bq/kg)のストロンチウム、過去最高
(11)報道発表資料 |厚生労働省
(12)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(13)検索結果 | 福島県農林水産物・加工食品モニタリング情報
(14)半減期 - Wikipedia
(15)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(16)ウクライナ - Wikipedia
(17)ふくしまの恵み
(18)郡山市の現住人口 - データセット - 郡山市 オープンデータカタログサイト
(19)郡山の味自慢「あさか舞」/郡山市公式ウェブサイト
(20)JA郡山市|事業PR
(21)イトーヨーカドー 郡山店
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