http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/589.html
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1年ほど前に、違法ダウンロードの範囲拡大が問題になり見送られた著作権改正案が、
新型肺炎のドサクサに紛れて、少々の手直しだけで今国会で成立しそうな状況である。
「ダウンロード規制、閣議決定 スクショの写り込みはOK」 (朝日新聞 2020/3/10)
https://www.asahi.com/articles/ASN3B2FYXN39UCVL027.html
-----(引用ここから)----------------------------------
政府は10日、インターネット上の海賊版対策のため、著作権侵害物のダウンロードを規制する著作権法改正案を閣議決定した。ネット上の情報収集が萎縮するとの強い批判を受け、違法とする要件を絞った内容で、来年1月からの施行とし、今国会での成立を目指す。
改正案は、現在は音楽と映像に限って違法とされてきた、権利者の許可無くネットに上げられたコンテンツのダウンロードを、漫画や写真、論文、コンピュータープログラムなどすべてに拡大する内容。著作権侵害物だと知りながらダウンロードしたり、スクリーンショット(スクショ)したりする行為が対象で、もともと有料で提供された著作物を常習的にダウンロードした場合には罰則もつく。
ただし、漫画の数コマのように全体の分量から見て軽微なものや、一部に著作権侵害物が写り込んだスクショ、二次創作作品やパロディー、著作物の経済的な価値やダウンロードの目的などから、著作権者の利益を不当に害しないと説明できる「特別な事情」がある場合は違法とならないと要件を絞った。
ダウンロード違法化をめぐって…
-----(引用ここまで)----------------------------------
著作権法改正に取り組んできた自民党参議院議員・山田太郎氏が
今回の手直しについて解説している。
「《Law48》著作権法改正〜海賊版対策と萎縮回避のバランス〜」
(山田太郎・YouTube 18分43秒 2020/2/25)
https://www.youtube.com/watch?v=lt1MrdB_88E&feature=youtu.be
文化庁の改正原案は、憲法が保証する言論・表現の自由を侵害しかねない
とんでもない内容だったが、山田議員らの奮闘で表現者が萎縮しないように修正されたという。
しかし、スクリーン・ショットや映りこみ 軽微なものは除外されるというが、
"軽微なもの"という定義があいまいであり、言論や表現の自由が本当に守られるのか
極めて疑問である。
スクショがOKならばよいという単純な問題ではない。
記事の半分以上の引用は軽微とは言えないといっても、数行の記事もあれば、
何千行もの長文記事もある。
このような杓子定規では判断できないことは明らかだ。
もともと有料コンテンツの海賊版サイトを規制する目的であったものが、フタを開けてみれば
無料公開されている記事や小説、論文などのコンテンツにも広く適用されることになってしまった。
音楽業界では天下り利権団体JASRACの目にあまる横暴ぶりが問題になっている。
先月28日、東京地裁は、音楽教室が練習用に使用する場合も使用料を払わなければならない、
と判決を下した。
発表会やコンサートで演奏するのならともかく、練習にまで使用料を求めるのは
どう考えてもやり過ぎである。
こんながんじがらめにして果たして音楽の発展に寄与するのか、はなはだ疑問である。
この法案が通れば、そのうち他の業界でもJASRACような利権組織ができて、
少しでも引用しようものなら、利用料を払わなければ訴えるぞと脅されて、
何もできなくなってしまう不自由な日がやって来るだろう。
もちろんそれだけではない。
著作権を錦の御旗にして、政府が不都合な情報の取り締まりを行なうことは
火を見るより明らかである。
勝手に法の解釈を変えて違法行為を平気で行なう安倍政権である。
一度こういった改正案を通してしまったら、著作権違反を理由にやりたい放題
言論・表現の弾圧を行なうだろう。
阿修羅掲示板、とくにこの原発板は政府にとって不都合な真実が掲載されているので、
目の敵にされている。
この改正法が通れば、阿修羅は閉鎖させられるか接続を遮断されてしまうかも知れない。
言論統制こそが今回のダウンロード規制法案の真の目的であることをはっきりと理解すべきだ。
もともとインターネットは、安い接続料金を払うだけでお互いに自由に情報を交換するという
理念の元に開発・使用許諾されたもので、その黎明期は商業利用はかたく禁じられていた。
有料コンテンツも広告も禁止されていたのである。
外国ではフェアユース、クリエイティブ・コモンズといった考え方に基づき、
著作権者の許諾なしに著作物を利用できる権利を保証している。
そもそもフェアユースに基づく無断引用転載を認めなければ、検索エンジンは成り立たない。
グーグルなどの検索エンジンは、あなたの書いたブログを無断で引用転載している。
だからこそ、興味を持った人があなたのブログを見つけることができるのだ。
検索エンジンが使えなければインターネットは全く役に立たない。
フェアユースを認めないというのなら、インターネットの世界から出ていってもらうしかない。
有料コンテンツを守ることは大切だが、インターネットの理念に反するような過剰な制限を
課すべきではない。
山田議員も指摘しているが、インターネットが基幹インフラとなった今日では、
現行の著作権法は完全に時代遅れであり、全面的な改定を行なうべき時期に来ている。
それに根本から取り組まず、今回のような小手先の変更だけで言論統制にもつながりかねない
規制強化を行なうのはどう考えてもおかしいし、危険である。
このままでは、政府の目論見通り、言論や表現が自由にできなくなる時代が
遠からずやって来るだろう。
(関連情報)
「【第322回】DL違法化範囲等拡大等について著作権改正見送りへ。
裏側を話します【前参議院議員山田太郎のさんちゃんねる】」 (山田太郎・YouTube 2019/3/13)
https://www.youtube.com/watch?v=A-Ix-lQoag4&feature=youtu.be
「『違法ダウンロードの範囲拡大』に潜む、重大な問題点」 (藤本由香里・現代ビジネス 2019/2/19)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59947
「著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定 (朝日新聞)」 (拙稿 2019/2/13)
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/889.html
「JASRACが音楽教室に勝訴 指導の演奏にも著作権」 (朝日新聞 2020/2/28)
https://www.asahi.com/articles/ASN2X5J78N2XUTIL02L.html
「フェアユースに基づく引用転載は著作権法違反ではない
だが日本政府が難癖をつけ阿修羅掲示板を接続遮断する可能性がある」 (拙稿 2018/6/6)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/796.html
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