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福島第一原発汚染水は福島第一から海洋放出?経産省方針
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2020/02/01(土) 19:45:50 めげ猫「タマ」の日記
東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方法などを議論する政府小委員会が開かれました(1)。そこで福島第一原発からの海洋放出を求める取りまとめ案が提示されました(2)。
福島第一では地下水が山から流れて来て、原子炉やタービン建屋(以下建屋と略す)に流入しています。あるいは海までに達しています。原子炉建屋にデブリ等がむき出しで放置されています。デブリ等に触れた水は放射能に汚染されます(3)。汚染されれば海に流せないので、これを汲みあげ浄化装置を通した後で海に流しています。ただし全ての放射性物質が浄化できる訳ではありません。東京電力はトリチウムは浄化できないとしています(4)。以下に福島第一汚染水のトリチウム濃度を示します。
100万(Bq/l)程度で推移する福島第一汚染水のトリチウム濃度
※(5)(6)にて作成
図―1 福島第一汚染水のトリチウム濃度
図に示す様に最新では1リットル当たり100万ベクレル程度です。国の排水基準は1リットル当たり6万ベクレルですので(7)、20倍弱です。このままでは、海に流せないので東京電力は福島第一構内に汚染水タンクを作り保管しています。
どんどん増える福島第一汚染水
※(8)(9)を集計
図―2 どんどん増える福島第一汚染水
最新の発表(10)を集計すると、東京ドーム一杯分の容積124万立方メートル(11)とほぼ同じ122万立方メートルの汚染水が溜まっています。
福島第一の敷地の広さには限界があり、何時かは行き詰るとの見方があります。
福島第一に保管されている汚染水の総量は東京電力の発表を集計すると
2019年1月24日時点 1,161,856立方メートル(12)
2020年1月23日時点 1,219,299立方メートル(10)
です。364日間で57,443立方メートル、1日当たり158立方メートル増えています。
行き詰まりを避ける為に、経済産業省は「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」(以下小委員会と略す)を立ち上げ、処分方法の検討を進めています(1)。
8月9日開催された小委員会で(13)東京電力は2022年夏には、タンクがいっぱいになるとの資料を提出しました(14)。
3年後に福島第一の汚染水タンクが一杯となるとする東京電力資料
※1(14)を引用
※2 ALPS処理水は「汚染水」の最終形態(15)
図―3 2022年夏には、タンクがいっぱいになるとの東京電力資料
昨年12月23日に開かれた小委員会で(1)、「海洋放出」、「大気放出」または両者の併用の3案に絞り込みました(16)。
福島第一汚染水の処分について海洋放出と大気放出の併記を報じる福島県の地方紙
※(17)を2019年12月24日に閲覧
図―4 汚染水の「海洋放出」または「大気放出」を報じる福島県の地方紙・福島民報
ただ、汚染水の環境中への放出は福島では評判が良くないようです。朝日新聞が報じるところによれば、今年(2019年)2月に福島県民を対象に実施した世論調査で、福島第一汚染数の「海洋放出」について、賛成19%、反対65%で、多くの方が汚染水の環境中への排出に反対しています(18)。
当然です。トリチウムの別名は3重水素です(19)。言い換えれば放射性水素です。東京電力によれば概ね水として存在します(20)。ただし、光合成によって植物に取り込まれ(21)、食べることもあります。東京電力は飲んでも大丈夫と主張していましが、食べても大丈夫をは言っていません(20)。危険性を指摘する方がいます(22)。(=^・^=)はリファレス(23)に示す通り「安全」とは考えていません。
経済産業省の小委員会の議論や資料を見ると(1)、まったく議論されていない事があります。何処で処分するかです。こうした事情からでしょうか? 福島県の地方紙・福島民報は「【トリチウム水処分】一層の重荷許されない(2月1日)」との社説で福島第一汚染水の処分について
「福島県に一層の重荷を課す結論は受け入れられない。処分を福島県のみで行ったり、福島県から始めたりする前提を排し、被災地の思いに沿った判断を重ねて求める。」
と論じていました。そして、当該社説を
「被災地に妥協を迫る姿勢は許されない。肝に銘じるべきだ。」
で終えていました(24)。
福島第一原発からトリチウムを含む「水」は今も排水されえいます。その一つに福島第一g根発のタービンや原子炉建屋近傍の井戸から地下水をくみ上げるサブドレンがあります。汲み上げた地下水は貯めておけないので、浄化装置をとうした後で海にながされます。ただし、この浄化装置ではトリチウムは除けません(25)。分析結果を見ると(26)、自然界に比べて大幅に高い1リットル当たり1000ベクレル弱のトリチウムを含んでいます。サブドレンの運用を始める前に福島の漁師さんから
「浄化水が安全だというのなら県外の海で流せばいい」
との声が上がりました(27)。でも、サブドレン排水は福島第一構内から福島の海に流され続けています。
小委員会では何処で処分するかは、議論になっていません。実際に福島第一以外から排水する案もだされました(28)。
福島第一原発の周囲は除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設になっています(29)。以下に示します。
※(29)にて作成
図―5 中間貯蔵施設
図に示しように用途が決まっていたいスペース(図中黄色)が相当あります。
そんな訳で、福島県外での最終処分や中間貯蔵施設に汚染水を移すことも考えられます。
1月31日に 東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方法などを議論する政府小委員会が開かれました(1)。そこで福島第一原発からの海洋放出を求める取りまとめ案が提示されました。それを見ると、汚染水の敷地外搬出にいては12ページに
「敷地外への搬出は、相応の準備と多岐にわたる事前調整が必要であり、相当な時間を要する。 」
と記載し、否定しています。13ページに
「廃炉・汚染水対策は、継続的なリスク低減活動であり、リスク源となりうる放射性物質
は、敷地外に持ち出すことは、リスクを広げることになるため、既存の敷地内で廃炉を進めることは基本である。加えて、上記のとおり、タンク保管を継続するための敷地外への放射性廃棄物の持ち出しや敷地の拡大は、保管施設を建設する地元自治体等の理解や放射性廃棄物保管施設としての認可取得が必要であり、実施するには相当な調整と時間を要する。」
との文言が追加になっています(2)。中間貯蔵施設への持ち出しも否定します。また、海洋放出については
「これまでの通常炉で行われてきているという実績や放出設備の取扱いの容易さ、モニタリングのあり方も含めて、水蒸気放出に比べると、確実に実施できると考えられる。 」
との文言が40ページに追加になっており、「海洋放出」を推奨する内容です。
海洋放出の優位との結論を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(17)を2月1日に閲覧
図−6 海洋放出の優位との結論を報じる福島県の地方紙・福島民報
1月31日の小委員会に出された取りまとめ案では
・福島第一からの汚染水持ち出しを否定している。
・処分方法として「海洋放出」を推奨している。
との内容であり、福島第一敷地内からの「海洋放出」を主張しています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島第一原発からの海洋放出が現実的か(=^・^=)は疑問に思っています。
東京電力は福島の漁協である福島県漁連に
「検証等の結果については、漁業者をはじめ、関係者への丁寧な説明等必要な取組を行うこととしており、こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留いたします。」
と約束しています(30)。すなわち、県漁連の同意なしには海洋放出しないとしています。そして、公聴会では県漁連は
「ALPS処理水の取扱については、広く国民的な議論を経て国が判断し、国がその責任を負うことを明確にすべきものである。国民的議論が行われておらず、国民の理解を得られていない現状では、福島県の漁業者として、ALPS処理水の海洋放出に強く反対する。」
と海洋放出に反対する意見を出しました(31)。
福島の漁師さんは福島第一からの汚染水の海洋放出に同意しません。東京電力が強引に海洋放出をすれば、嘘をまたつくことになります。信用を失います。
もし、福島第一からの海洋放出がされた場合には、(=^・^=)はあらたに宮城、茨城、千葉産海産物の購入自粛を行います。
事故から9年近く経過しましたが、福島の皆様の不安は解消していません。
「『ふくしまの酒』は全国新酒鑑評会での高評価もあり、全国に浸透しつつあると言える。」そうです(32)。でも、福島県には浸透していません。福島県福島市のスーパーのチラシには福島産お酒はありません。
他県産はお酒はあっても福島産が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
※(33)を引用
図―7 福島産お酒が無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は飲食しません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3162.html
(1)福島第一原子力発電所における汚染水対策 (METI/経済産業省)
(2)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第17回)‐配布資料(METI/経済産業省)⇒資料3-1 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 取りまとめ(案)(PDF形式:0KB)
(3)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(4)汚染水の浄化処理 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(5)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力中の「水処理設備の分析結果⇒水処理設備の放射能濃度測定結果 」
(6)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社の「水処理設備の分析結果」
(7)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(8)プレスリリース|リリース・お知らせ一覧|東京電力ホールディングス株式会社ちゅの「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について」
(9)福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について - 廃炉プロジェクト|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社
(10)2020年のアーカイブ|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒1月⇒ 27日
(11)東京ドーム (単位) - Wikipedia
(12)2019年のアーカイブ|公表資料|東京電力ホールディングス株式会社⇒1月⇒28日
(13)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第13回)‐配布資料(METI/経済産業省)
(14)(13)中の多核種除去設備等処理水の貯留の見通し
(15)汚染水の浄化処理 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(16)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第16回)‐配布資料(METI/経済産業省)⇒資料4 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 取りまとめ(案)(PDF形式:2,109KB)
(17)福島民報社
(18)復興への道筋「ついた」52% 福島県民対象の世論調査:朝日新聞デジタル
(19)三重水素 - Wikipedia
(20)福島第一原子力発電所でのトリチウムについて 平成25年2月28日 東京電力株式会社
(21)光合成 - Wikipedia
(22)DNAの中にまで入り込むトリチウムの特別な危険性
(23)めげ猫「タマ」の日記 トリチウムは危険・安全?
(24)【トリチウム水処分】一層の重荷許されない(2月1日) | 福島民報
(25)サブドレンからの地下水汲み上げ - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(26)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社中の「一時貯水タンク・集水タンクの分析結果」
(27)地下水放出計画、国と東電が漁業者に説明会 福島・いわき :日本経済新聞
(28)松井大阪市長、福島原発処理水 大阪湾放出に応じる構え - 産経ニュース
(29)中間貯蔵施設情報サイト:環境省
(30)福島第一原子力発電所のサブドレン水等の排水に対する福島県漁業協同組合連合会からの要望書への回答について|東京電力
(31)多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第15回)‐配布資料(METI/経済産業省)⇒1.説明・公聴会の開催日時及び会場等⇒≪富岡会場≫⇒当日表明する意見の概要
(32)【1月31日付社説】会津の日本酒/認知度高めファン層広げよ:社説:福島民友新聞社 みんゆうNet
(33)イオン 福島店のチラシ・特売情報 | トクバイ
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