http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/389.html
Tweet |
茹でカエル 東海アマブログ
グレゴリー・ベイトソンが提唱した寓話「茹でカエル」では、湯に入れられたカエルは、ただちに逃げ出すが、冷水から煮られたカエルは、温度が上がることにも気づかないまま煮られて死んでしまう。
もちろん、これは現状維持バイアスに閉じ込められた=「ぬくぬくとした座布団の上で生活している」サラリーマンに対する寓話的警告であった。
安定した恵まれた生活に埋没していると、いつのまにか忍び寄る危機に気づかないまま殺されてしまうぞ、というわけだ。
昔から公務員=社会主義圏では、すべての職種が公務だった=というものは、規則を守ってさえいれば権力・組織に忠誠を示すことになり、民衆にではなく国家権力に忠誠を示すことが、自分の温かい座布団を逃がさないための大切な基本であった。
だから、あらゆる職種で、客=大衆に対しては、無愛想で、仕方なく消極的に対応するという姿勢を通し、監督者=上級機関に対しては媚びを売り、へつらう卑屈な姿勢を通すのが共通するパターンであった。
こうした事なかれ発想によって、人々は閉ざされた価値観のなかで創意、熱意、活気を失い、仕事に対する責任感も失い、やがて収穫した作物を腐敗させても心も痛まないほど官僚制に慣らされ、国家そのものを崩壊させていったのである。
日本でも例外ではなく、官僚・役人というものは、規則ばかりうるさく、親身になって民衆の問題を解決してくれる者は稀少であった。
今、安倍政権で、役人たちが、官邸指示や統計など犯罪的な情報隠蔽操作を行っている事情も、必死になって、自分の暖かい座布団を守ろうとしている現れに他ならない。
ただ日本では、1980年頃から、故船井幸雄などが「お客様は神様です」という発想がなければ商売はうまくいかない、とする一種の民間思想運動を提唱し、トイレや道路など生活環境をきれいにすることや、サービス優先思想による「接客第一」の業務思想が、民間レベルで30年以上かけて定着したことにより、旅館ホテル、飲食業などのサービスのレベルが大きく上がり、それが現在の観光業の隆盛を招いていると私は考える。
ちなみに、国や自治体に、こんな運動を実現する能力はない。あくまでも民間から出てきた思想運動である。
三波春夫が示し、船井幸雄によって日本全体に広められた「客を大切にする」=利他主義の思想は、2019年の今になって、世界的な観光客の支持を受けることで日本を救っているともいえよう。
それは、日本社会に定着した「現状維持バイアス」=事なかれ主義に対する革命であり、「客に奉仕する」という思想を共有しながら、受け身ではなく積極的に人生に切り込んでゆくという生き様が、新しい豊かな人生観を生み出しているように思える。
しかし、こと福島第一原発事故に関しては、現状維持バイアスを打開する発想は見られず、冒頭に紹介した「茹でカエル」そのものの事なかれ主義による自滅の道を人々は歩んでいるとしか思えない。
安定した豊かな生活を享受してきた福島の人々が、原発を受け入れることに何の疑問も感ぜずに、補助金、地元への還付金などで生活が充実したことを喜んでいたのはいいが、311のような事態で、原発が崩壊して大量の放射能を放出し、生活基盤を破壊されたとき、まるで茹でカエルのような恐ろしい現実を自覚させられた。
それなのに、とてつもなく恐ろしい放射能汚染の現実を受け入れられない人々が大量にいる。放射能汚染など存在しない。福島で作られた作物を食べてもらえないのは、風評被害にすぎない。本当は安全なのだと信じこまされているのだ。
サービス業に関しては、ずいぶん世界の先端を歩んでいる人々が、なぜ、放射能になると及び腰で、事なかれ主義、隠蔽体質に向かうのであろう?
理由の第一は、放射能が得体の知れない「見えない害毒」であって、どう対処したらいいか分からず途方にくれてしまい、あまりにも巨大な敵に対し、いっそ見ないことにしようとする現状維持バイアスが働くこと。
しかし何よりも、事故の当初から、被曝に関する安全デマが権力筋から大量に流され、事態の深刻性、危険性を隠蔽し、人々を洗脳し、混乱させているという問題がある。
この種の安全デマは、巨大な資金力と権力を持った原子力産業が背後にいて、例えば東大や福島医大などに巨額の援助金を垂れ流しながら、放射能被曝による危険性を矮小化し、隠蔽する情報を垂れ流させていて、被曝させられた人々を洗脳することで「何が真実か分からない」混乱を拡大している。
福島の生産物が安全で汚染されていないという情報はウソであり、本当は福島県などによる放射能検査が、汚染の実態を隠蔽し、ウソの結果を示しているのだが、正常化バイアスがかかっていると作為を疑うよりも、安全という結果に飛びついてしまうのである。
こうした威力の前に、「自分たちの故郷が放射能で汚染されて取り返しがつかない」という現実を直視できない風潮が蔓延し、「もしかしたら、放射能は何の被害ももたらさないかもしれない」という勝手な妄想に取り込まれた人々を大量に生んだ。
こういう発想は「正常性バイアス」と名付けられていて、国や原子力産業は、こうした大衆の正常性バイアスを最大限に利用してきたといえよう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E6%80%A7%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
それどころか、自分の思い込みを揺り動かされることを嫌う人たちが、「被曝の危険は、すべてデマだ」と決めつけて、被害を訴える住民や警告する我々を敵視するという現象が起きている
2011年の事故から、ツイッターなどSNSを通じて、一貫して被曝被害の深刻さを訴え続けている私は、ネット上でデマ屋とかペテン師とか、たくさんの下劣そのものの誹謗中傷ラベルが貼り付けられ、私を糾弾するサイトまで、いくつもできている。
内容を見ると、ただ、「私の主張がデマだ」と決めつけるばかりで、具体的には何一つ説得力のある指摘がない場合が多く、批判者の知的レベルが著しく低いと感じるしかない。
何よりも、チェルノブイリ事故やスリーマイル事故などの具体例をまるで学んでいなくて、批判に必要な情報を得ないまま、勝手な思い込みだけで私をデマと決めつけているが、結局、彼らは、自民党や極右あたりの程度の低い支持者なのだろう。
こうした攻撃の背後には、もちろん核武装を推進する自民党政権や、原子力産業がいるのだが、一番の理由が、自民党・保守勢力に蔓延している核武装への憧れであり、「強い日本」を核武装によって作り出すだめには原発が必要だし、少々の被曝被害もやむをえないという発想である。
そもそも、ICRPによる年間1ミリシーベルトという規制値も、市民大衆の安全を守るための規制値ではない。
ICRP=国際放射線防護委員会は、1年1ミリという被曝が、致命的発がん(普通は死に至るガン)と重篤な遺伝的影響(生まれてくる子どもに大きな影響)は、それぞれ5×10-5と1.3×10-5と、もう30年以上も前に定めた。
日本人口の1.3億人に当てはめると、6.3×10^-5 =8190 つまり、年間8200名の致死的発癌と重度遺伝障害が起きるとしている。
これは交通事故死と同等であり、つまり、原子力産業を運営する上で、「年間交通事故死と同等の被害が出ても我慢させよう」と取り決めたものなのである。
安倍政権は、これを年間20ミリシーベルトで運用することを決めたので、被曝と被害は単純な一次関数であることから、日本国民に年間16万人の被曝死者・重度障害者が出ても我慢させようと定めたわけである。
ここまで来ると、もはやジェノサイド=大量殺人と言っても過言ではない。
過去に、水俣病など公害訴訟、石綿汚染問題など、たくさんの訴訟で国側が敗訴しており、この問題も、いずれ裁判に持ち込まれて国側の敗訴になるのだろうが、そのときは、すでに莫大な被曝死者が出ていて、安倍晋三は、その責任を負わねばならない。
それもこれも、自民党による核武装=強い日本への妄想から、始まった日本国民に対する人権侵害であるが、日本国民の大半が、自民党の核武装への陰謀によって、自分たちの生活や命そのものが、根底から脅かされている現実を理解できない茹でカエルなのである。
「核兵器で他国を脅し合えば、平和が保たれる」という発想は、極めて陳腐であり軽薄であり、下劣である。とても高度な思惟の結果とは思えない。
「いつでもおまえを殺せるぞ」と恫喝すれば戦争がなくなるという、人間の恐怖心を土台にした戦略は、ちょうど死刑制度と同じで、報復・制裁という下劣な感情だけに依存した、人間としては最低の、原始的で愚かな発想にすぎない。
こんな低俗下劣な思想を土台にした自民党の国家戦略は、いってみれば保育園児レベルであり、ちょうど日本が、世界の先進国のなかで唯一、アメリカとともに死刑制度を残しているのと同じで、人間性のレベルとしては最低、恥というしかない。
自分の友人に、同じ発想の人がいて、いつでもポケットの中に武器を忍ばせていて、「いつでもお前を殺してやる」と恫喝しながら付き合っていることを想像してもらいたい。
そんな人間を相手にしていては、気が休まるヒマもなく、お付き合いは御免被りたいのである。
人類が、2019年、21世紀の核心部に入ろうとする時代、こうした前世紀の遺物というか、下劣な思想性に囲まれているというのは実に悲惨である。
これほど程度が低いからこそ、福島の人々を地獄に置いてけぼりにするような残酷な施政が行われているのだ。
何度も何度も語っているように、放射能の被害は、1年や2年で出てくるものではない。10年20年あるいは50年という長期を経て、人々を殺戮し、発癌地獄に陥れ、生まれてくる子供には先天性の障害が増えてゆき、知的障害を持った子供が大量に生まれてくる。
そのとき、社会を支える若者はいない。自民党が消費増税で、子供を育てられなくしてしまったからだ。日本社会には、認知症の始まった老人と、知的障害者、癌患者ばかりになってしまう。
これが自民党がもたらす日本なのだ。
茹でカエルのままでいいのか?
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素51掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素51掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。