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(回答先: 家賃2万1000円、ソウル駅前に老人の貧民街…「若者も年寄り見れば不安になる」(東京新聞) 投稿者 蒲田の富士山 日時 2023 年 2 月 28 日 15:34:45)
2023年3月1日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/233760?rct=world
<格差に沈む国>
画一的なデザインの鉄筋コンクリートの高層住宅が連なる。結婚して8年になるフリーライター崔至恩チェジウン(42)と同業の夫、魏根雨ウィクンウ(42)はソウル近郊の団地で2月中旬、新婚当時と変わらずに手をつないで散策を楽しんでいた。
「夫婦の愛情や生活を失いたくない。安定収入がない私たちが子どもを育てれば、経済的、時間的に余裕がなくなる」。崔は3年前、魏と話し合い、子どもを産まないと決めた。
韓国で近年「Double Income No Kids」(共働き子どもなし)を意味する「DINK(ディンク)族」が流行語になった。崔は、自らと同じDINK族の女性17人の声を集めた著書「ママにはならないことにしました」(2020年)が注目を集めた。
儒教の影響を受けた家父長制的な家族観や、育児は母親が担うべきだという考え方に、抵抗感を持つ女性が増えた。昇進や待遇で男性の同僚との差別を感じ、出産や育児休暇にともなう「キャリア断絶」を懸念する女性も多い。
◆賃貸住まいは持ち家より子どもが少ない
実際、21年の政府統計では、結婚5年以内の夫婦のうち子どもがいる割合は前年比1.3ポイント減の54.2%。住環境による格差もあり、賃貸住宅に住む夫婦のうち子どもがいるのは50.1%で、持ち家に住む夫婦と比べ9.8ポイント低かった。
韓国では国内総生産(GDP)の大半を占める大企業や、就職に有利とされる名門大学の多くがソウルに集中するため、地方からの若者の流入が続く。不動産価格が高騰し、昨年11月のソウル市内のマンション平均価格は12億ウォン(約1億2000万円)を超えた。韓国の平均賃金は日本とほぼ同水準。30代の子育て世代が親の資金援助なしに購入するのは容易ではない。
崔と魏は親からの支援を受けず、賃貸アパートで暮らす。韓国には結婚時に男性側が住宅を用意する慣習も残り、魏は「家が買えないから結婚をしない人も増えている」と話す。
◆「少子化は国を殺す」と言われても
韓国の22年の合計特殊出生率(女性1人が生涯で産むと見込まれる子どもの数)は0.78と過去最低だったが、ソウルは0.59でさらに低い。住宅や労働条件が厳しい大都市の住民ほど出産を控える様子がうかがえる。
韓国政府は00年代半ばから対策に280兆ウォンを投じたが、少子化は止まらない。与党「国民の力」の朱豪英チュホヨン院内代表は2月中旬、国会演説で「少子化は音もなく国を殺す”がん”だ」と対策強化を訴えた。
しかし崔は冷ややかだ。「将来的に国民年金を負担する労働力が必要となるから、子どもを産めという政策は人間扱いではない。少子化でも人々がいかに幸せに暮らせるかを考えるべきだ」と話す。その上で、男女、老人と若者、ソウルと地方、大企業と中小企業などの格差を挙げ、「これらを解消しないと、安心して子育てできる環境にはならない」と指摘する。(ソウル・相坂穣、写真も)=敬称略
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