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米国製防空網に守られているはずのサウジの石油施設が破壊され、さまざまな動き
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2019.09.17 櫻井ジャーナル
サウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設に対する攻撃の責任をマイク・ポンペオ国務長官はイランに押しつけている。アフガニスタンやイラクを攻撃する前と同じ。統合参謀本部にも反対されているイラン攻撃を実行した勢力は今回の攻撃に飛びついたのかもしれないが、イランには攻撃する理由が見当たらない。 石油処理施設を攻撃したのは自分たちだとフーシ派は発表しているのだが、イランを侵略したい勢力への追い風になったという側面があることからアメリカの好戦派やイスラエルが背後にいるのではないかという推測も流れている。 サウジアラビアにはアメリカの防空システムが配備されているにもかかわらず、脆くもアラムコの施設が破壊されたことに疑問を持つ人もいる。アメリカのシステムが無能なのか、アメリカが機能させなかったのかということだ。 攻撃後、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は高い能力を実証済みのロシア製防空システムを提供する用意があると発言しているが、2017年10月にロシアを訪問したサウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王はS-400を含む兵器の取り引きを議題にしている。 石油施設が攻撃されたタイミングも興味深い。ジョン・ボルトンが国家安全保障補佐官を解任された直後だからだ。ボルトンはマイク・ペンス副大統領やポンペオ国務長官と同じシオニストの好戦派。ところが、元CIAオフィサーで内部告発者のジョン・キリアクによると、トランプはイエメンでの戦争を止めたがっていた。この戦争が負担になっているサウジアラビアも同じだ。ボルトン、ペンス、ポンペオは朝鮮半島での話し合いも壊し、その前にはシリアから撤退するというトランプ大統領の方針を潰している。 すでに本ブログでも指摘したが、イエメンでの戦争が始まる切っ掛けはアメリカ主導軍による2003年のイラク侵略。それに抗議するため、フーシ派はモスクで反アメリカ、反イスラエルを唱和した。イエメン政府はそうした行為を弾圧し、首都のサヌアで800名程度を逮捕、それが引き金になって2004年に戦闘が始まったのである。 戦闘はフーシ派が優勢になり、2009年にサウジアラビアはイエメンに空軍と特殊部隊を派遣した。軍事介入を決めたのは国王の息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子だ。その年には「アラビア半島のアル・カイダ(AQAP)」が創設されている。 今回の攻撃は中東での戦乱がエネルギー資源の供給を困難にすることを再確認させたが、ポンペオたちはその攻撃を利用して無謀な戦争を始めようとしている。 |
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