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レーダー照射:中国のGPSを搭載していた可能性
秘密の詰まった工作船が日本に拿捕されるのを恐れ韓国に救援依頼
2019.2.14(木) 西村 金一
韓国・済州島で国際観艦式開幕、旭日旗問題で自衛艦は派遣せず
韓国南部済州島沖で行われた国際観艦式のリハーサル(2018年10月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / YONHAP〔AFPBB News〕
韓国が、海上自衛隊哨戒機に火器管制レーダー波を照射したこと、韓国国防省がしつこく日本批判を行ったのは、不可思議なことだった。
まして、あのような小さな北朝鮮の木造船を救助するためだけに、軍事作戦を行う軍艦と不必要に大型の警備艇を派遣したことは極めて不自然である。
しかも、これらの行動は、北朝鮮と韓国の近海で行われたものではなく、そこから遠く離れた日本の排他的経済水域内で行われたのだ。
その海域で、その3隻が一か所に集まったことは、最近まで敵対関係にあった南北の軍事関係からは、全く考えられない。
私はこれまで、防衛省自衛隊で我が国周辺諸国の軍事情勢を分析してきた。その長い経験でも、このような特異活動を聞いたことがない。今回が初めてだ。
また、韓国国防部(省)隷下の海軍駆逐艦、韓国水産部隷下の海洋警察警備艇は、指揮系統が全く異なる。
それらが緊急に派遣されたことは、文在寅大統領本人か、あるいは政権内部の実力者が命令しなければ実施できない。
韓国は、なぜ、日本海でこのような理に合わない不可思議な行動を行ったのだろうか。
例えば、木造船を含めた今回の行動の詳細を、日本の哨戒機に絶対に見られたくなかった。日本の巡視船を介入させたくなかった。木造船が捕まり日本に連行させたくなかった。海流の流れに任せて日本に漂着させたくなかった・・・。
つまり、日本に知られたくなかった理由があったと考えられる。
防衛省が発表した動画「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」より
そこには、「絶対に隠さなければならない、渡してはいけない重大な秘密」があったと考えざるを得ない。
韓国は、海上自衛隊の哨戒機を韓国の軍艦に近づかせないために、哨戒機の正常な飛行を、「威嚇飛行だ」と非難し続けている。
「北朝鮮に頼まれてなぜやったのか」という意図を読まれないように、軍事常識では考えられないことを言い続けて、争点をすり替えているのだ。
特殊工作船とみて間違いない木造船
韓国国防省が1月4日に公開した動画に映っている木造船を詳細に見ると、北朝鮮の木造漁船の中でも比較的大型のものだった。
前方と後方にイカ漁には必要ではない高いポールが立っており、AM通信(モールス通信)用と見られるケーブルが張られている。
日本の海岸に漂着している木造船には、このような高いポールがあるのは、極めて少ない。このアンテナを展張するAM通信には1000キロを超える通達距離がある。
長距離通信用の通信装置を保有しているのは、北朝鮮本土から遠く離れて行動する工作機関か特殊部隊の船に限られる。
この木造船は、2001年九州南西海域で、海上保安庁に追跡され、自爆して沈没した工作船とは全く違う。
沈没した工作船は、その後、海中から引き揚げられて詳細に分析されたわけだから、北朝鮮が別の形をした工作船を建造していても当然のことだ。
AM通信を使えば、燃料がなくても人力で発電し通信できるものもある。漂流していても本国への連絡が可能だ。
木造船の乗組員は、衛星測位システム(米国のGPSに類似したもの)を使って確認できた自己位置(座標)を本国に送信して、救助を依頼した可能性が高い。
そうでないと、他の船が救助に来てくれる可能性はほとんどない。
船の位置を確認できたこのシステムは、昨年12月に全世界で運用を開始した中国の北斗衛星測位システムの可能性がある。
とすれば、中国が国連制裁決議違反をして北朝鮮に輸出したことになる。
工作機関の船には、どのような秘密があるのか。
海上保安庁に追跡された工作船は逃げ切れず、工作活動の秘密を守るために、自爆して自らの命を絶った。
もし、その工作船が爆破されずに捕獲されていれば、工作機関や拉致に関する多くの情報が得られたであろう。
工作船には、工作員が命を絶っても守らなければならない重大な秘密の塊がある。
工作機関や特殊部隊の兵士が生存して、積載している通信機器・暗号書およびその他工作にかかわる機器・資材が、無傷のまま日本に漂着すれば、ここから得られる情報で、工作活動の全貌が判明する可能性がある。
日本人拉致被害者の情報も、捕まった工作員から入手でき、これまで謎だった事象が、ジグソーパズルの1個のピースが埋まるように解明できるかもしれない。
日本海で漂流していた木造船が工作機関の船であれば、日本に無傷のままに渡してしまうと、工作機関の秘密を世界中に広められることになる。
工作活動の公開がトリガーとなって、米朝会談も破談になり、金正恩政権が崩壊することもあり得ないことではない。
韓国も木造船を日本に渡したくなかった
哨戒機が撮影した映像を見ると、この木造船は、韓国の駆逐艦と警備艇に挟まれ、その内側では、2隻の小型の救難艇にも挟まれていた。
逃亡を防止するために、軍艦と警備艇が2重に包囲する態勢を採ったという説もあるが、小型の木造船がスピードを出せる特殊なエンジンをつけていたとしても、韓国の大型艦から逃亡することは不可能だ。
逆に、日本の護衛艦や海上保安庁巡視船を絶対に近づかせない態勢を採ったとする見方の方が理にかなう。
韓国に依頼してでもこれほどの秘密情報が一杯詰まった工作船と見られる船を、みすみす日本に渡すことは絶対に食い止めなければならないと、北朝鮮が考えても不思議ではない。
亡命阻止の可能性はあるのか
金正恩政権の要人が亡命しようとしたのであれば、北朝鮮は韓国に依頼してでも阻止したいと考えるのは当然のことだ。
だが、木造船の乗員が亡命を実行しているのであれば、船が移動している地点を秘匿するだろう。わざわざ捕まるために自分の位置を伝えることはしない。
また、その船が電波を発しなければ、誰もその位置を特定することはできない。鋼船ではないので、海上捜索レーダーには映らない。
木造船の位置が特定できなければ、韓国の2隻の船は、広大な日本海でその木造船を発見することは、不可能に近い。私がかつて情報分析官であった頃の経験から断定できる。
あの木造船には、極めて重大な秘密や謎がある「秘密性の高い工作機関の船」だと想像できる。
それならば、南北融和が進む南北のトップが協力して日本に漂着することを阻止しなければならないと考えるのが妥当であろう。
南北の融和的な動きは、朝鮮半島ばかりではなく、半島から遠く離れた日本の排他的経済水域内でも起きている。
木造船を巡って南北が奇妙な連携行動を行っていることに注目すべきだ。
文政権と金正恩政権の間で、南北統一の企みが、公開されていないところで着々と進んでいることに目を向けるべきだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55449
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