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シリアの体制転覆に固執する侵略勢力は米軍の撤退に反発する
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2018.12.24 2018.12.24
ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)問題に関するアメリカ大統領特使のブレット・マクガークが辞任を表明した。ドナルド・トランプ大統領がアメリカ軍を撤退させると表明したことへの抗議だという。シリアへの侵略を継続するべきだとマクガークは主張しているわけだ。 ダーイッシュが売り出されたのは2014年。1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧、その際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられ、広く知られるようになった。 アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで武装集団の動きを知っていたはずだが、何もしていない。また、このトヨタ車はアメリカ政府がFSA(自由シリア軍)、つまりシリア侵略のために送り込まれた傭兵部隊へ提供したものだと言われている。 ダーイッシュは2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)として組織され、06年にISI(イラクのイスラム首長国)が編成された際の中核になったと言われている。2010年にISIのリーダーになったのがアブ・バクル・アル・バグダディ。2013年に活動範囲がシリアへ拡大、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)と呼ばれるようになった。2014年に売り出された当時のダーイッシュは残虐性を演出、アメリカ軍のシリア空爆の口実に使われる。 シリアではアル・カイダ系武装集団としてタハリール・アル・シャームが知られている。以前はアル・ヌスラと呼ばれていたが、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)がバラク・オバマ政権へ提出した報告書によると、アル・ヌスラはAQIと実態は同じ。シリアで活動する場合、名前を変えているだけだという。 2011年10月にムアンマル・アル・カダフィ体制をNATO軍とアル・カイダ系のLIFGが倒した後、リビアからアル・カイダ系の戦闘員がシリアへ移動していることを西側のメディアも報道していた。 そこでオバマ大統領はシリアで支援しているのは「穏健派」だと弁明するが、DIAはそうした集団の存在を否定する。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、戦闘集団としてアル・ヌスラ(AQI)の名前を挙げている。つまり、組織の流れを見るとタハリール・アル・シャームもダーイッシュも同じということになる。 しかし、2005年7月にロビン・クック元英外相が指摘したように、アル・カイダとはCIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リストにすぎない。プロジェクトが計画されるとそのリストから傭兵が集められ、さまざまなタグがつけられるということだ。タグは簡単に付け替えることができる。ちなみに、アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味、「データベース」の訳語としても使われる。 こうした傭兵をシリアへ送り込んだ国にはアメリカのほか、サウジアラビア、イスラエル、イギリス、フランス、カタール、トルコなどが含まれる。その傭兵を倒すという口実でシリアを侵略したのだが、2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によって傭兵部隊はほぼ壊滅、その過程でカタールとトルコは離脱、必然的に傭兵間での戦闘も引き起こされた。 そこでアメリカ、イギリス、フランスはシリアへ地上部隊を侵攻させ、クルドを利用してユーフラテス川の北側を占領してきた。これはイスラエルやサウジアラビアの意向でもある。そうした侵略勢力やその手先はアメリカ軍をシリアから撤退させるというトランプ大統領の決定に反発している。 |
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