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“首都”ラッカ制圧から1年 いまも残るISの脅威〜「外国人戦闘員 今も新たに月100人」/nhk
2018年10月17日 4時11分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181017/k10011674071000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_028
過激派組織IS=イスラミックステートの「首都」とされたシリア北部の都市ラッカが制圧されてから17日で1年がたちます。ISが標ぼうした「イスラム国家」は事実上、崩壊しましたが、いまも、アフガニスタンなどでテロを繰り返しているほか、過激な思想の拡散は続き、ISの脅威は残っています。
過激派組織ISが首都と位置づけたシリア北部のラッカは、去年10月17日、アメリカ軍の支援を受けるクルド人勢力主体の部隊によって制圧され、ISが標ぼうした「国家」は事実上、崩壊しました。
しかし、国連がことし7月末に出した報告書では、シリアとイラクの両国に依然として2万人から3万人のメンバーが残り、この中に外国人戦闘員も数千人いるとみられるとしていて、支配地域のほとんどを失ったものの抵抗を続けています。
また、アフガニスタンでは、ISの地域組織が台頭し、ことし4月には議会選挙の妨害を狙って自爆テロを行うなどテロを繰り返しています。
一方、過激な思想を広めようとするISのプロパガンダは大きく減ったもののSNSなどを通じて続いているほか、ことし8月には指導者のバグダディ容疑者の演説だとする音声を公開し、世界各地でテロを実行するよう呼びかけるなど、ISの脅威は依然として残っています。
ISの現状と対策は
イスラム過激派について詳しいエジプトの専門家、カマル・ハビブ氏はNHKのインタビューに対し、ISはイラクやシリアで弱体化したとはいえ、各地に支部があり、ISの思想に共鳴する人もいるため脅威は残っていると指摘しています。
また、ハビブ氏は「いまISが勢いを増しているのは、中央政府の力が及ばなかったり混乱したりしているところだ」と述べ、アフガニスタンやリビアを挙げ、ISは権力の空白につけこんでいるとの見方を示しました。
そのうえで、ハビブ氏は「SNSでのISの存在が大きな課題だ。ISへの勧誘はSNSを通じて行われる」として、対策の必要性を強調しました。
特に18歳から25歳までの若者が過激な思想にひかれてISに加わるケースが多いということで、ハビブ氏は「貧困や社会からの疎外感などが過激な思想につながる要因になっている」として、社会的な問題にも目を向ける必要があると指摘しました。
「外国人戦闘員 今も新たに月100人」
過激派組織IS=イスラミックステートの掃討作戦について、アメリカ軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は16日、過激主義対策について話し合う会議で、「イラクとシリアでのISの支配地域はかつての2%ほどになった」と述べ、ISは支配地域の大半を失ったと指摘しました。
一方で、「イラクとシリアに入り、戦闘に加わる外国人戦闘員は一時に比べると大幅に減ったものの、今も1か月に100人ほどいる」と述べ、過激な思想の拡散が続いていることによってISに参加する外国人戦闘員が今もあとをたたないと明らかにしました。
そのうえで、「われわれが今直面している最も重大な課題は現状に満足してしまうことだ」と述べ、依然としてISの脅威が続いているという認識を示しました。
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