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2023年6月5日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/254674?rct=national
大詰めを迎えた入管難民法改正案の国会審議を在留資格のない人を配偶者に持つ日本人の妻らも固唾かたずをのんで見守っている。日本人と結婚していても在留資格が与えられない例が増える中、立憲民主党などの対案は法文で「在留資格の対象になり得る」とするが、政府案に明確な救済策はない。政府案成立により夫婦が離れ離れになるケースも予測される。(池尾伸一)
在留特別許可 在留資格がなく、退去強制命令が出ている外国人に法相が在留資格を与える仕組み。現行制度では難民申請している場合、同時に審査される。許可数は2010、11年は6000件台だったが、16年以降は1000件台まで減少。ただミャンマー軍クーデターによる在日ミャンマー人や、新型コロナによる帰国困難者への対応などで21年には8000件台に増えた。
先月25日、参院法務委員会。埼玉県に住むマユミさんは傍聴席で議論を真剣に聞いていた。
マユミさんの夫マモさん(32)は、トルコの少数民族クルド人だ。学校でクルド語を話して殴られるなど迫害を受け2008年に日本に逃れた。マユミさんとは15年に結婚した。これまでに3回難民申請したが不認定。政府案では「申請3回目以降」は強制送還対象になるため、2人は「夫婦分断」か「一緒に日本を去るか」の厳しい選択を迫られる可能性がある。
「成立後のことは考えたくもない」。マユミさんは涙する。
難民認定しないが人道上、在留を認める「在留特別許可」の制度もある。出入国在留管理庁(入管庁)が09年に作成したガイドラインは日本人配偶者や子どもがいる場合、「積極要素とする」と定める。しかし結婚8年でもマモさんは許可されない。入管庁の面接で、ある職員はマモさんに「なぜ子どもをつくらないのか」と聞いた。「欲しくても願いがかなわないことをいわれ、傷ついた」。マユミさんはいう。
外国人問題に詳しい駒井知会弁護士は最近基準が厳格化していると指摘。「ガイドラインは事実上空文化しているとしか考えられない」という。
子どもがいても許可されない例も。西日本に住む葉月さん(36)=仮名=の夫のカーンさん(33)=同=はアフリカの母国での迫害から16年に逃げてきた。17年に葉月さんと結婚。だが在留特別許可は与えられず、働くことすらできない。
20年に男の子が誕生。2人が喜んだのもつかの間、入管庁は半年後に夫を施設に収容し1年4カ月の間、家族が分断された。解放後も葉月さんの不安は続く。「フルタイムで働く私が病気になれば家計も行き詰まる。ただでさえ厳しいのに政府案が通れば送還強化が始まるのではないか」
「法律を通す前に家族の苦しみも考えてほしい」。マユミさんや葉月さんの願いだ。駒井弁護士は「家族が一緒に住む権利は、日本が批准する国際条約『自由権規約』などでも保障され、尊重するのが当然。偽装結婚でないと確認できれば子どもの有無で区別することなく在留資格を与えるべきだ」という。
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