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2022年12月19日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/220715
全国の神社を束ねる包括宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区)の代表役員の総長ポストを巡り、本庁トップの統理とうりから新総長に指名された理事が、続投を望む現総長が暫定的に在任する本庁を相手に、自身の総長の地位確認を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁で言い渡される。前代未聞の内紛の行方を全国の神道関係者が注目している。(阿部博行)
神社本庁 全国約8万社の神社を傘下に入れる国内最大の神道系包括宗教法人。戦後、国家神道の解体を進めた連合国軍総司令部から神社を守ろうと、民間団体を中心に1946年に設立。皇室の祖神とされる「天照大神あまてらすおおみかみ」をまつる伊勢神宮を最も尊い「本宗ほんそう」と仰ぐ。トップの統理は宗教上の権威であり、かつては法人の代表役員も務めたが、統理が訴訟など俗事に関わることを避けるため、76年の規則改正で事務総長を代表役員に充てて職名も「総長」に改称した。関連団体に神道政治連盟や日本会議など。
◆「議を経て統理が指名」の解釈巡り
原告は鷹司尚武たかつかさなおたけ統理(元伊勢神宮大宮司)から新総長に指名された本庁理事で北海道神社庁長の芦原高穂あしはらたかほ氏(旭川神社宮司)。被告本庁側の田中恒清つねきよ総長(京都府神社庁長・石清水八幡宮宮司)は役員会で過半数の支持を受けている。
本庁は宗教的な権威を象徴する統理が最高位にあり、総長は法人の代表者として俗事である事務運営の責任を担う。任期は1期3年。総長の選任は本庁の規則で「役員会の議を経て、理事のうちから統理が指名する」と定めており、裁判ではこの総長選任条項の解釈が初めて争われている。
訴状によると、今年5月の役員会(定数17)で任期満了に伴う役員改選について話し合われた。鷹司氏は芦原氏を次期総長に指名したものの、異論が出て結論を持ち越した。6月の役員会では田中氏の続投に9人が賛成、6人が反対を表明したが、鷹司氏は再び芦原氏を指名。このため次期総長が決定するまでの間、田中氏が規則に従って暫定で総長の座にとどまる中、芦原氏が8月に提訴した。
◆混乱の背景は「田中体制」への不満
芦原氏側は、規則の「役員会の議を経て」の文言は「役員会で審議した意見を聞いて」との意味にとどまり、統理の指名を受けた芦原氏が正当な総長の地位にあると主張。本庁側は「役員会の議決には拘束力があり、役員会の多数意思に反して統理が指名した芦原氏は総長の地位にあるとは認められない」と反論する。
混乱の背景には、2期6年が通例の総長ポストを2010年から4期12年務めた田中氏と執行部への不信感が神社界に広がっていることが指摘される。川崎市内の本庁職舎の売却では、田中氏らの不正の疑いを内部告発した幹部職員を懲戒処分としたが、最高裁まで争って処分無効という本庁側の敗訴が確定した。
鷹司氏は役員会などで、芦原氏を次期総長にして「運営の順法性、透明性、公正性を回復させる重責を託したい」と説明。一方、本庁側代理人弁護士によると、田中氏は「コロナ禍や過疎化に伴う氏子の減少、後継者不足など困難に直面する神社も多く、全国の小規模神社が存続するための支援策を継続したい」と5期目への続投に意欲を示している。
裁判の傍ら、神社界では「田中体制」への不満が表面化している。熱田神宮(愛知県)や北海道神宮、多賀大社(滋賀県)、鶴岡八幡宮(神奈川県)、出雲大社(島根県)、東京大神宮などの名誉宮司らは鷹司氏を支持する「花菖蒲はなしょうぶノ会」を設立。本庁の刷新を求める署名活動には全国の1800人を超える神職らが賛同している。
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