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1月 09, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<賃金や労働時間の動向を把握する「毎月勤労統計調査」で、厚生労働省が、全数調査が必要な対象事業所の一部が調べられていないミスを認識しながら問題を説明せず、正しい手法で実施したかのように装って発表していたことが8日、分かった。問題の隠蔽とも言われかねず、批判を招くのは必至だ。
また、ミスが見つかった東京都内の事業所分については、全数調べたように見せかける偽装が長年行われていた疑いがあることも判明。開始時期などについて、厚労省が調査している。
勤労統計は月例経済報告といった政府の経済分析や、失業給付の算定基準など幅広い分野で用いられる国の「基幹統計」>(以上「共同通信」より引用)
政府統計の信用性が揺らぐ重大な事態だ。これまでも厚労省は「働き方改革」で残業時間の統計などで嘘のデータを国会審議に提出したことがあった。官僚の仕事が完璧を期すものでないとするなら、国民は何を基準にして判断すれば良いのだろうか。
すべき全数調査をしないで、全数調査をしていたかのように偽装していたとは由々しき事態だ。それは改竄に相当し、厚労省が発表するすべての統計数字の信用性に及ぶものだ。厚労省はこれまでも所管する社会保険の年金記録でも不明な記録を放置し隠していたことがあった。すべての年金記録を調査する、としていた話の結論は一体どうなったのだろうか。
官僚たちの仕事に信用が置けないとは、日本も中国並に成り下がったということなのか。そういえば政府・官邸が発表する数字も巧みに調査する標本の入れ替えや、経済成長も「名目」と「実質」とを巧みに織り交ぜている。
デフレ経済下では「名目」経済成長がマイナスでも「実質」経済成長は数字のマジックでプラスに出る、といった現象を巧みに利用してきた。そして最たるものは経済成長1%前後が続いている「低迷」もしくは「衰退」でしかない現実を、安倍政権は「いざなぎ景気越え」と発表して政権浮揚の宣伝に利用している。
しかし世界経済の成長平均3%に満たない日本経済は相対的に「衰退」しているというのが正しい評価だ。そして日本のGDPは四位以下と肩を並べられるまでに衰亡している。
マスメディアは一体何を国民に伝えているのだろうか。ただ官庁の記者発表で出されたペーパーをそのまま報道しているとしたら、まさしく「政府広報」と何ら変わらない。何のためにマスメディアは存在しているのだろうか。
安倍自公政権が今後五年間で入れる外国人労働者は34万5千人と発表すれば、そのままマスメディアは発表して終わりだ。なぜ外国人労働者が家族を呼び寄せたり、婚約者を呼んだりしない前提の数字だけを発表して終わりにしているのだろうか。
外国人労働者を34万5千人入れることは家族も含めれば百万人近い移民を受け容れることになる、と事態の重大さに言及した報道が皆無なのだろうか。それとも政府発表の数字だけしか書いてはならないと、安倍氏と会食する上層部から指示が出ているのだろうか。
官庁が発表する数字も信用ならないし、マスメディアの報道も極めて恣意的だ。民主主義国家として、国家的な危機そのものではないか。「国難」や「危機」は日本の外にあるというよりも、日本の官僚や政権にこそ、日本国民の「国難」や「危機」は存在している。
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