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(回答先: 慰安婦問題、安倍首相の「謝罪で解決する」 韓国議長(関係悪化は加害責任否定の為?!) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2018 年 12 月 14 日 18:53:21)
被害者がいて十分な補償が受けられていない問題について「金で解決済み」ばかり言えば、批判を受けるのは当たり前に思える。その「加害者側」政権にひよった様な表現をすれば、被害者の立場を重んじる全世界から非難されるのはマスコミも同じことだ。
加害者責任を誤魔化すような政権側の主張に「批判ばかりするな」とは、マスコミ関係者として如何なるものだろうか。
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慰安婦・徴用工の「強制」表現めぐり炎上 ジャパンタイムズが叩かれたワケ
2018年12月13日 07時30分 公開
[山田敏弘,ITmedia]
今、「ジャパンタイムズ(The Japan Times)」が海外で話題になっている。
そもそも日本で生活している日本人にとって、ジャパンタイムズと言われてもピンとこないだろう。ジャパンタイムズは、1897年創刊の日本最古の英字新聞。これまで、朝日新聞系列だったこともあるし、2013年からは米ニューヨーク・タイムズ紙と提携していた。筆者も以前はニューヨーク・タイムズとジャパンタイムズのセット販売を購読していたことがある。
同紙は、独立メディアとして、日本のニュースを英語で読む読者に提供。偏りもなく淡々と事実を伝えるメディアであり、また日本を知る外国人などによるコラム記事も興味深いものが多かった。
そんなジャパンタイムズが炎上しているという。そこで少し調べてみると、確かに海外でジャパンタイムズ自体がニュースになった記事がいくつも報じられている。例えば、香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙は、日本の共同通信による英字記事を掲載している。その見出しは、少し長めだがこんなものだった。「ジャパンタイムズが戦時中の『慰安婦』について、安倍晋三首相の考え方に沿って編集指針を変更したという指摘を否定した」
photo*「ジャパンタイムズ」の炎上騒動はなぜ起きたのか?(写真提供:ゲッティイメージズ)http://image.itmedia.co.jp/business/articles/1812/13/yk_salon18121301.jpg
言うまでもなく、「慰安婦」に関する問題は非常にセンシティブな話だ。元読者ではあるが、恥ずかしながらジャパンタイムズが「編集指針を変更」したことはまったく知らなかった。だいたい、ジャパンタイムズなる新聞が編集方針を変更したなんて話は、英語で新聞を読む必要のない日本人の多くは知る由もない。
ただ世界的に見れば、これはニュースである。日本を代表する英字メディアが、慰安婦について何らかの立場を示したのだから。
そんなことから、この件を取り上げている記事などを読んでいくと、ジャパンタイムズが残念なことになっているのが分かる。世界への「窓」である、日本を代表する英字メディアにいったい何が起きているか。そしてこの「慰安婦」「徴用工」問題について、どんな騒動が起きているのか。
●ジャパンタイムズはなぜ炎上したか
まずは事の顛末(てんまつ)を見ていきたい。
既出の共同通信記事によれば、ジャパンタイムズは11月30日、徴用工問題の記事の下に編集注記を掲載。そこにはこう記されていたと報じている。「徴用工問題で『forced labor(強制労働)』の文言を使うことは誤解を招く可能性があるとして、今後は『wartime laborer(戦時中の労働者)』とし、慰安婦問題でも『強制的に働かされた』としてきた説明を『意思に反して働いていた者も含まれる』との記述に変更するとした」(12月7日付共同通信の日本語記事から抜粋)
あらためて言うが、日本人に向けた編集注記ではない。英語読者または国外向けに、これまでの方針を変更すると宣言したのである。
そしてサウスチャイナ・モーニングポスト紙が掲載した共同通信の英字記事はこう指摘する。「(同紙による)戦時中の『慰安婦』と、(徴用工問題の)強制労働の記述の変更は、同社の社内で激しい抗議を引き起こしており、購読者の中には購読契約をやめると言う者もいる」
内部でも不満が出ているらしい。そこでジャパンタイムズの関係者に話を聞いてみると、どうもこの方針は、一部の幹部が勝手に進めたことだったという。ある社員は、そう大きくない会社だけに誰が話したかバレてしまうと警戒しながらも、「何が起きているのかとあきれている人だけでなく、怒っている人も多いですよ」と話してくれた。
さらに、米国、英国、ドイツなどの海外の英字メディアがこの件を取り上げたことで、国外で話題になった。
photo*「ジャパンタイムズ」のWebサイト
*http://image.itmedia.co.jp/business/articles/1812/13/yk_salon18121302.jpg
●批判の声ばかり取り上げる海外メディア
海外の英字メディアの記事はどれも、ジャパンタイムズにとって辛辣(しんらつ)なものだった。英ガーディアン紙は、「『全てのニュ−スを恐れず、おもねることなく』というのがモットーだというジャパンタイムズ」と皮肉を込めて書き、「スタッフや読者の間で怒りが巻き起こっている」と指摘。
その上で、「評論家たちは、今回の変更が安倍晋三首相の保守的な政策に合わせたものだと批判しており、ジャパンタイムズは(徴用工や慰安婦の問題のような)賛否あるニュースを報じる際に『誤解を招きかねなかった』言葉を使ってきたと述べた」と報じている。つまり、これまでの記事で使ってきた単語が「誤解を招く表現だった」可能性があると自己批判をしたということらしい。
米公共ラジオのNPRは、この変更が「かなりの批判を引き起こしている」と報じ、「これから同紙は、朝鮮人や中国人、米国人の戦争捕虜たち、さらには1910〜45年に日本の鉱山や工場で働くために徴集された人たちについて、『forced labor(強制労働)』という言葉を使わずに、『wartime laborer(戦時中の労働者)』に変えることになる」と報じた。そしてTwitterなどでこのニュースに反応している人たちの声を紹介している。
ただこれらの記事は、ジャーナリズムとして見ると中途半端だと言えなくもない。もしかしたら偏っていると言ってもいいかもしれない。ガーディアンは「評論家たち」という言い方で「批判が起きている」と報じているが、記事には評論家のコメントは出てこない。この「評論家たち」が誰なのか分からない。
またNPRは、記事で紹介しているTwitterが偏っており、ジャパンタイムズの変更を批判している声だけしか載せていない。コメントを寄せる専門家も、もともと安倍政権に批判的な面々だ。
これら2紙以外にも、ドイツのTV局ドイチェ・ヴェレも、批判的な記事を掲載しているが、内容は他と変わらない。ただ執筆者が、元ジャパンタイムズの記者で、少なからず、個人的な感情も見え隠れする。NPRと同じ、慰安婦問題で日本批判の立場を取っている人のコメントを大きく使っている。
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●釈明と謝罪に追い込まれた
繰り返すが、どの記事もジャパンタイムズに批判的で、日本政府が「歴史を修正しようとしている」という前提で記事が書かれている。今回の変更で、ジャパンタイムズの思惑がどこにあるのかは分からないが、少なくとも、この変更を告知したために、日本が歴史的な事実をねじ曲げようとしているという印象がまた世界に広く報じられたことは間違いない。
そしてこうした世界的な反応を受け、事の大きさに気が付いた同紙は、11月30日の編集注記について釈明と謝罪をする1ページの社告を掲載した。「私たちは、あの編集注記が、読者や記者、スタッフたちと作り上げてきた信頼関係を傷つけた事実を認めなければならない。これについて、謹んで謝罪したい」
勝手にぶち上げて謝罪をするというのは、かなりみっともない感じだが、「記者や編集者など、内部で頑張っている人たちの強い思いが、謝罪という流れにつながったということです」と、既出の社員は言う。
photo*海外メディアから批判が相次ぎ、釈明と謝罪に追い込まれた(写真は記事と関係ありません)http://image.itmedia.co.jp/business/articles/1812/13/yk_salon18121303.jpg
個人的には、編集委員など一部の人たちが歴史あるジャパンタイムズの方針を、社員への事前報告や徹底した議論もなく、こういう形で発表してしまうことに、謝罪文を出した編集主幹などの傲慢(ごうまん)さを感じてしまう。
他人の会社のことをとやかく言うなという声もあるかもしれない。ただジャパンタイムズは、日本最古の英字紙であり、世界へ日本の情報をきちんと伝えるメディアと評価されてきた新聞でもある。元読者として、その自覚が薄れているのではないかと声を大にして言いたい。
●「英語で日本のニュースを読む」読者像とは
どういうことかというと、英字メディアであるジャパンタイムズは、主要な読者層が日本の情報を英語で読む人たちだ。つまり外国人が読む記事であり、英語で発行される著名な新聞と同等のクオリティーが求められる場合が多い。また日本語を読む人たちが圧倒的に多い日本と比べて、英語で新聞記事を読む人は世界に広がっており、多種多様であり、日本人相手の新聞よりも「中立性」「バランス感覚」が求められる。
かくいう筆者も、英ロイター通信で英語のニュースを配信する仕事に従事していたことがある。ロイター時代は、年に何度もメディア講習や勉強会、コンピュータ上で行う「eラーニング」などを強制的に履修させられ、それを済ませていないと査定に大きく響くようなシステムが取られていた。
そこで言われたことの一つに、ロイターのような英字通信社では、ニュースの「骨組み」を報じることが求められ、極力、主観性や「肉付け」を避けるよう言われた。読者が世界中におり、人種や宗教なども多種多様だからだ。
余談だが、メディア学などで最初に取り上げられる例題にこんなものがある。天気予報で「明日は残念ながら雨が降ります」と報じるのはダメだと言うのだ。というのも、雨が降らずに困っている農家などは、雨が降れば、残念どころかうれしいからだ。雨具を販売している人たちも、雨が降ればビジネスがうまくいくので残念ではない。
要するに、ジャパンタイムズには、多角的に世の中を見た客観的な発言を期待したい。そんな声が外国メディアや国外からの批判につながっていると考えられる。
ちなみに既出のNPRの記事には、今回の変更によって、今後はジャパンタイムズの表現が以下のように変わると書いていた。「これまでは『第2次大戦前や戦中に、日本兵のために強制的にセックスを強いられた女性たち』と定義されていたものが、変更後は次のように使われるようになる。『戦時中の慰安所で働かされた女性たちで、その中には自分たちの意思に反して働かされた者も含む』と」
実のところ、筆者はどちらかと言えば、後者の言い方に賛成だ。そのほうが前者の意味も含むことができると思うからだ。しかし、筆者のこの感覚が本当に正解かどうかは、100%の確証を持てないでいる。なぜなら、後者の言い方が間違っていると感じる人たちが世界にはいるからだ。
今回の件で多くの読者の信頼を失ったジャパンタイムズが、朝日新聞や読売新聞、毎日新聞なども英字記事をネットで配信するようになった状況で、今後どうなっていくのかは分からない。ただありきたりだが、今回のように失われた信頼を取り戻すのは簡単ではない。
まずはいま一度、謙虚にジャーナリズムについて見つめ直すべきではないだろうか。
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