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11月 26, 2018
<2018年7〜9月期のGDP(国内総生産)が再びマイナスに転落しました。経済のカギを握る個人消費が落ち込んだことが原因ですが、来年10月には消費増税が控えています。日本経済は増税に耐えられるのでしょうか。
内閣府は14日、2018年7〜9月期のGDP速報値を発表しました。前期比の成長率は、物価の影響を除いた実質で0.3%のマイナス、年率換算にすると1.2%のマイナスということになります。
このところ消費が冷え込んでいるというのは多くの専門家が指摘していましたが、フタを開けてみれば個人消費は0.1%のマイナスでした。輸出も大きく落ち込み1.8%ものマイナスとなっています。茂木経済再生担当大臣は、「自然災害により、一時的に個人消費が押し下げられたことや輸出がマイナスになったことが影響している」と説明していますが、額面通りに受け取る人は少ないでしょう。
日本はすでに輸出主導型の経済ではなくなっていますが、国内サービス業の賃金は低く、製造業に頼らざるを得ないという面があることは否定できません。これまで日本メーカーは米国の旺盛な需要に支えられ、好業績が続いてきましたが、米国と中国との間で貿易戦争が勃発。世界貿易の停滞が懸念される事態となりました。米国に次ぐ輸出先となっている中国も景気が失速しており、これが輸出を押し下げている可能性が高いと考えられます。
増税によって消費者心理が悪化するおそれも
製造業の業績が上向かないと、国内の賃金も上がらず、消費が弱くなるという図式ですから、米中貿易戦争が継続した場合、日本の景気低迷も長引く可能性が高いでしょう。ここで気になるのが来年10月に予定されている消費増税です。
米中関係が改善していなかった場合、輸出が停滞する中で消費増税を迎えることになります。これに加えて2020年には年収850万円超のサラリーマンを対象とした所得税の増税が行われます。オリンピック特需もこの頃には終了している可能性が高いですから、景気にとってはトリプルパンチとなるでしょう。
政府が増税で徴収したお金は、政府が支出するので最終的には国民の所得となります。このため、経済学的に見た場合、増税は必ずしも景気に対してマイナスになるとは限りません。しかし経済の基礎体力が弱い状態で増税を実施すると、消費者の心理が悪化し消費が冷え込む可能性があります。前回の消費増税に続いて、今回も似たような展開になりそうです>(以上「The Capital Tribune Japan」より引用)
まともな経済評論とは上記のようなものをいう。7-9月期GDPがマイナスになった原因を自然災害に置くのは間違いだ。東北日本大震災規模の自然災害ならまだしも、局地的な市是か災害(もっとも多くの被災者や犠牲者をだしたのは痛恨の極みだが)が日本のGDPにマイナスをもたらすほどのものではない。
むしろ激甚災害地への財政支出などによるプラス面もあって、経済指標に与える影響はプラマイ・ゼロと考えるべきだろう。ここで注視すべきは個人消費がマイナス0.1%になっている点だ。
輸出入の貿易が低調になれば「米中貿易戦争の影響だ」と原因に擦り付けるが、米中貿易戦争を米国が一部実行したのは9月に入ってからだ。日本に対しては未だに脅しだけで実施されていない。
7-9月期のGDPがマイナス0.3%(年率換算にすると1.2%のマイナス)を記録したのは個人消費や貿易の低調などに加えて、企業投資の不振も上げなければならないだろう。そうしたGDPを構成する主要三本柱が揃って「低調」という人は、日本経済が衰退してる証拠以外の何物でもない。
上記論評では「政府が増税で徴収したお金は、政府が支出するので最終的には国民の所得となります。このため、経済学的に見た場合、増税は必ずしも景気に対してマイナスになるとは限りません」とのポンコツ論理を展開しているが、それは増税部分の税収が財政支出という「消費」に回ると想定している経済的な「等式」だが、増収が財政再建に使われるとしたら等式は成り立たない。
財務省と、その応援団の国会議員やマスメディア評論家たちが「財政規律」の大合唱をしている現在、来年の増税分が財政「赤字」に吸い取られるのは目に見える。つまり「等式」は成り立たず、泥沼の総需要不足に陥るのは間違いないだろう。
経済人が根底に「国民生活」を見詰めない論理展開するのは「経世済民」のための学問たる経済学の本質をわきまえない曲学阿世の輩だ。あるいは御用学者と呼ぶべきか。
そして政治家も「国民の生活が第一」の政治に悖る政策を推進する輩は「政治屋」と呼ぶべきだ。仁徳天皇が高殿で庶民の暮らしやいかに、と眺められた姿こそ、現代の政治家は見習うべきだ。
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