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徴用工判決の背後にある安倍首相の危険な対韓外交<菊池英博氏>
https://hbol.jp/179244
2018.11.19 月刊日本 ハーバー・ビジネス・オンライン
11月4日にBloombergが行ったインタビューでも元徴用工への補償は「韓国側に責任」と語っていた河野太郎外相。沈黙を守っていた韓国政府も6日に声明を出してこれらの河野外相の発言を批判(photo by Kentaro Takahashi/Bloomberg via Getty Images)
10月30日に韓国大法院(最高裁判所)は、韓国が日本の植民地支配下にあった時代に徴用された原告に対して、「雇用者であった新日鉄住金に対して損害賠償を命じる判決(ひとり1000万円)」を下した。
この判決を知るや否や安倍首相は直ちに、「この問題は1965年の日韓請求権交渉で完全かつ最終的に解決した」と主張し、河野太郎外相は韓国のイ・スファン駐日大使を外務省に呼びつけ、「日韓の未来志向の関係に努力をしてきたが、(今回の判決は)極めて心外だ」「判決は日韓の友好関係を根本から覆すものだ、韓国政府は直ちに必要な措置を取ってもらいたい」と抗議した。
さらに河野外相は「(今回の判決は)国際法に基づいて秩序が成り立つ国際社会への挑戦だ」「完全かつ最終的に終わった話であり、判決は暴挙だ」と述べ、国際司法裁判所への提訴を含めて検討する考えを示した。
これに対して韓国政府は、1週間たっても沈黙を守ってきたが、6日夜に声明を発表し、韓国大法院の判決に対する河野外相の発言について、「問題の根源を度外視したまま、わたくしたちの国民感情を刺激していて、非常に憂慮している」「過剰対応で非常に遺憾だ」と述べ、逆に河野外相の発言を批判したため、日韓両国の対立は深まる様相を呈してきた。
「問題の根源を度外視したまま」という韓国政府の声明文に、本質を知る道があるのではないか。
「問題の根源」が日本側にあるように受け止められるので、2012年12月以来の第二次安倍政権の対韓外交を振り返ってみよう。
第一の「問題の根源」、慰安婦問題
「第一の根源」は慰安婦問題だ。慰安婦問題は、村山内閣の官房長官だった河野洋平氏が1993年に発表した河野談話(「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」)で解決済みであった。
河野談話の要旨は、「慰安婦の設置は日本軍が要請し、直接・間接に関与したこと」「そのため、甘語、強圧による等によって本人たちの意志に反して集められた事実が数多あり、痛ましいものであった」と謝罪している。
ところが2014年3月23日のテレビ番組で、自民党の総裁補佐官であった萩生田光一氏が「新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればよい、(安倍首相も新談話を)どこでも否定していない」「検証結果によっては新たな談話を発表すればよい」と述べた。その後、安倍首相は国会で、「河野談話を継承する」と発言したが、この事件によって日韓関係は大きく損なわれた。
その後2015年12月28日に突然、岸田外相と韓国の尹外交部長官との間で、慰安婦問題に対する「日韓合意」が成立し、安倍首相は「慰安婦問題に官憲・軍部が関与していたこと」を改めて認めて、慰安婦への謝罪の気持ちを表現した。同時に韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円を拠出し、両国が協力して行くことを確認した。
この声明後ただちに、米国のケリー国務長官が合意を評価する声明を出したので、「事前に米国から和解の勧告があったのではないか」(某自民党首脳)との声が聞かれた。
安倍側近の発言が一旦河野談話を否定し、韓国民を傷つけたうえで、再度、河野談話を認めることになり、「寝ている子」を起して韓国国民の感情を害しただけの結末であった。
第二、第三の「問題の根源」は?
「第二の根源」は、本年2月のピョンチャン五輪での安倍首相の発言だ。韓国の文在寅大統領が北朝鮮の金与正との会談で朝鮮半島の平和と統一への道を必死に模索しているときに、同大統領と会談した安倍首相は「五輪が終わったら米韓軍事演習を再開してほしい」と発言した。同大統領は直ちに「これは韓国の主権の問題だ」と突っぱねたが、安倍首相の発言は「平和を望む韓国の主権を踏みにじる発言」として韓国政府は2回も公表し、マスコミも安倍批判を強めた。
「第三の根源」は「日本政府は南北朝鮮の停戦を望んでいない」と報ぜられたことだ(東京新聞、2018年9月24日)。韓国と北朝鮮は終戦宣言に積極的である。トランプは「戦争ゲームは止めよう」と宣言し、北朝鮮の核を削減させたうえで休戦を考えていると見られる。朝鮮半島の平和を望んでいないのは安倍首相だけではないのか。
安倍首相の韓国に対する政治姿勢は世界の潮流に反し、日本を孤立させる危険な外交である。
<文/菊池英博>
エコノミスト。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て1995年文京女子大学教授に。現在は日本金融財政研究所所長
提供元/月刊日本編集部
げっかんにっぽん●「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
安倍首相「五輪が終ったら米韓軍事演習を再開してほしい」
— 盛田隆二 (@product1954) 2018年11月19日
文大統領「平和を望む韓国の主権を踏みにじる発言だ」
韓国と北朝鮮は終戦宣言に積極的だが、この安倍発言を機に「日本は停戦を望んでいない」と韓国が反発。徴用工判決には萩生田による河野談話の否定も影響しているhttps://t.co/O9S5ISpsCg
徴用工判決の背後にある安倍首相の危険な対韓外交<菊池英博氏> https://t.co/XyxtBBDrUX 問題の根源は日本を「戦犯国家」と位置付ける韓国の一貫した反日教育だ。これがなくならない限り日本の関与政策が実を結ぶ日は来ないことを、日韓条約締結後50有余年かけて、多くの日本人が学習しつつある。
— Kirk Nagaoka (@kirk_nagaoka) 2018年11月19日
徴用工判決の背後にある安倍首相の危険な対韓外交<菊池英博氏>https://t.co/4EksevaPAB
— The daily olivenews (@olivenews) 2018年11月19日
安倍首相の韓国に対する政治姿勢は世界の潮流に反し、日本を孤立させる危険な外交である。
☆ヘイトで産経は全国紙から陥落へ pic.twitter.com/cGukCaVQE0
徴用工判決の背後にある安倍首相の危険な対韓外交<菊池英博氏> https://t.co/AtPwCWa2iH 朝鮮半島の平和を望んでいないのは安倍首相だけではないのか 何故そう思われる 偏見持ち過ぎでは 安倍は親韓派と思うんだがな
— toudenou (@toudenou2) 2018年11月19日
徴用工判決の背後にある安倍首相の危険な対韓外交<菊池英博氏> https://t.co/HBr3ecMSZp:安倍さんはアメリカに弱腰で韓国にはこわもての態度をいつもとる。韓国蔑視と受け取られても仕方ない。もう少し冷静に行動するべきだ
— 山口和子 (@tayamaYama) 2018年11月19日
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