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11月 18, 2018
<日中首脳会談冒頭における安倍首相の生の声を精査したところ、安倍首相は李・習両首脳に対して会談で「三つの原則」と言っていないことが判明した。従って日本が今後の日中の主導権を握る事態は存在していない。
筆者が某テレビ局の取材を受け、安倍首相が日中首脳会談で「三つの原則」と言ったか否かに関して中国側資料と照らし合わせながら回答しなければならない状況の中で、その番組スタッフにお願いして日本側の現場の取材記録を調べてもらいテープ起こしをしてもらった。番組スタッフからは共同作業だったので使っても構わないという許可をいただいたので、ここで使わせていただくこととする。
――本年の5月に、中国の国務院総理としては8年ぶりに李克強総理に訪日していただき、日中関係はまさに正常な軌道にもどったと思います。今回のわたしの日本の総理大臣としての7年ぶりの公式訪問によって、日中関係をあらたな段階へと押し上げていきたいと思います。(感謝の言葉が続くので省略)競争から協調へ、日中関係を新たな時代へと押し上げていきたいと思います(注1)。日中は隣国同士であり、パートナーであり、お互いに脅威とならない(注2)、第四の文書で合意したこの原則を、再確認をしたいと思います(注3)。また日中で、自由で公正な貿易体制を発展進化させていいきたいと思います(注4)。今回の私の訪中から、そして更に習近平主席の日本訪問と、ハイレベルの往来を間断なくつづけていくことによって、更に日中関係を発展させていきたいと思います。
――日中平和友好条約締結40周年という記念すべき年に中国を訪問できて本当に嬉しく思います。(感謝の儀礼的挨拶は省略)日中関係は、今回の私の訪問を契機として、競争から協調へ日中関係を新しい時代へと押し上げていきたいと思います(注5)。日中は隣国同士であり、そしてパートナーであり、互いに脅威とはならない(注6)。第四の文書で合意した、その合意を再確認したいとこう思います(注7)。また自由で公正な貿易体制を発展、そして進化させていかなければならないと思います(注8)。こうした原則のもとに、日中で世界からある意味では期待されている、地域や世界の平和の安定のためにともに力をあわせて貢献していきたいと思います。そういう日中の新たな時代を習近平主席と共に切り拓いていきたいと思います。
以上が、日本の代表カメラが収録した、安倍首相の生の声である。国会答弁にある「三つの原則」という言葉は、ここにはない。つまり、安倍首相は李・習両首脳との会談で「三つの原則」とは言っていないことが明らかとなったわけだ>(以上「Newsweek」より引用)
国会で安倍氏は対中「三原則」をいったと強弁した。しかし外務省の一部から「言ってはいない」との情報が漏れて来ていた。国民はどちらが正しいのか判断に迷った。そうすると、安倍氏は再び記者たちの前で「明確に言いました」とキレ気味に叫んだ。
しかし、それは嘘だった。上記Newsweeの記事にある通り、ビデオを起こせば明らかだ。記録の残っている事柄に関しては検証可能だが、記録が握り潰されたり隠蔽された場合は検証不可能だ。
ホワイトハウスには各部屋や電話などには記録装置が設置されているという。ホワイトハウスは公務執務を行う「官邸」だからプライベートはあり得ない、という考えからだ。
しかし日本の首相官邸はまるでブラックボックスだ。首相秘書などに面会に官邸を訪れた名簿すらない、というのは本当なのか。それほど官邸のセキュリティーは穴だらけなのか。そして官邸のどの部屋で話し合っても、すべての会話は記録されるべきが当然ではないだろうか。それが公務というものだ。
安倍氏は海外漫遊に各国を70回近く訪れているようだが、その行く先々で会談したすべてが映像なり音声なりで記録されていることを承知しているのだろうか。プーチン氏が「約束した投資」を実行しろ、と迫っているのも安倍氏が確かに約束したのだろう。
いかなる条件を付して約束したのかはロシア側に聞かなければ分からない。安倍氏は往々にして嘘を吐くからだ。しかしそれでは日本外交は信頼を失墜する。
日本での報道は勿論中国に筒抜けだ。安倍氏が「三原則」を主張したと日本の国会でも嘘を吐いたことは中国にとって有利な取引材料だ。オウンゴールを次々に蹴り込む恥知らずなストライカーを自民党の国会議員か仲間の誰かで退場させられないのか。
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