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呆れた安倍内閣 「徳」なし総理の下「徳」なし大臣集まる ニュース深読み裏読み
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/241508
2018/11/13 日刊ゲンダイ
答弁に窮する桜田五輪相に助言を送る官僚(手前が安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ 安倍晋三首相は東京・吉祥寺にある成蹊学園の出身である。成蹊は、旧制7年制高等学校の伝統を引き継ぐ名門校のひとつ。校名の成蹊の由来は、史記に出てくる<桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す>にある。その趣旨は「桃李の下には人が寄ってきて小道ができるように、徳のある者は話をしなくても自然に人が集まる」「徳とは心を養い、身につけたもの」というものだ。安倍さんは小・中・高・大学と16年間も成蹊に通っているから十分に徳を積んだはずだ。 しかし、国会での論戦を見たり読んだりしていると、誠意を尽くした論議どころか、論議することから逃げているように見える。これは<もの言わざれども>を自分の都合のいいように理解しているのではないか。 しかも安倍さん、国語があまり得意ではなかったらしい。彼は丁寧という言葉をしばしば口にするが、答弁は官僚が準備した書面を棒読みしていて丁寧とはほど遠い。かつてNHKの籾井会長時代の政治ニュースは、必ずと言っていいほど「安倍総理大臣は丁寧に」が慣用句。耳にタコができるほど「安倍総理大臣」と「丁寧」を大安売りしていた。森友学園・加計学園などでのあまりにも不誠実な、それこそ丁寧でない対応に、さすがにこの用語は鳴りを潜めていたが、最近、また耳にするようになった。 こうしたニュースを見ている子どもたちが、「丁寧」の意味を誤解しないだろうか。「いい加減に、その場しのぎの対応をすること」「知らん顔をしたり、平気で嘘をつき通したりして、うやむやにすること」だと。 さらに安倍内閣を見ていると、よくまぁこれだけ徳のない人材を集めたものだと呆れてしまう。先の自民党総裁選挙で、自分に投票させようと桃李(党利?)でつり上げた政治家たちを、年功序列、在庫一掃で大臣に任命したからに他ならない。「口利きの片山(さつき・地方創生相)」「無能の桜田(義孝・五輪相)」「時代錯誤の柴山(昌彦・文科相)」などなど、トンデモ大臣がゾロゾロ出てきた。 「適材適所」もおかしい。参議院の予算委員会で、桜田大臣がこう答弁していた。 「(自分が)なぜ選ばれたのか分からないが、総理が適材適所と思って選んでいただけた。選んでいただいた人に、立派に任務を果たすように、しっかりと取り組んでいるつもりだ」 安倍流の「適材適所」とは、どうせオレが仕切るんだから、誰でもいい、「テキトーな人材を、テキトーな所に配する」という意味だと考えて決めたのではないか。 桜田大臣、「選んでいただいた人(総理)に、立派に任務を果たす」と言うが、本来なら公僕として「国民のために」任務を果たすのではないのか。この政権が、どちらの方を向いて仕事をしているのか、これだけでもよく分かる。 小俣一平 1952年生まれ。武蔵野大学客員教授、元NHK社会部記者。疑獄事件からトイレ探検までフィールドは硬軟無限大。老人力同盟事務局長。 著書は、「新聞・テレビは信頼を取り戻せるか」「無念は力」「ロッキード秘録」「消えた警官」「『トイレ探検隊』がゆく!」など。
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