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「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える 外資の餌食 日本の台所が危ない
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/240677
2018/11/01 日刊ゲンダイ
タマネギも自家採種禁止(C)日刊ゲンダイ
知的財産権の保護は、TPPでも大きなテーマだった。米中貿易戦争でも、トランプ大統領は中国が知的財産権を侵害していると問題にしている。新しい技術やソフトの開発者の権利がないがしろにされ、コピーや海賊版が横行すれば、開発や著作活動が成り立たなくなってしまう。国際社会が協力して知財保護を強化していくことは必要だ。
しかし、コピーが何でも悪いわけではない。育成者の権利保護を名目に、「自家採種の禁止」という形で、日本の農業文化が壊されようとしているのだ。
自家採種とは、農家が自ら生産した作物から種を採取し、次の年に作付けすること。企業が開発した種はF1品種と呼ばれ、収穫率が高く、品質の均一性にも優れるが、一代限りの種だ。一方、自家採取の種は、質の劣化は避けられないが、農家は工夫をしながら、種を代々つないできた。東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「自家採種によって、農家固有の品種が代々受け継がれ、日本の農業は地域の特色がある多様な品種を実現してきたのです」
種子法廃止に続いて、農水省は自家採種を原則禁止する方向に動いている。種苗法で「自家採種を自由にできる」と規定しながら、省令で例外を次々に増やしているのだ。従来、花やキノコなど82種は例外的に自家採種が禁止されてきたが、昨年一気に209種が追加され、現在、禁止は356種類にも上る。タマネギ、ジャガイモ、トマト、ダイコン、ニンジンなどお馴染みの野菜も入っているから驚きだ。
農業ビジネスを手がける多国籍企業が種の知的財産保護を要望したことを受けて締結されたUPOV条約は「自家採種原則禁止」をうたっている。日本は1991年に条約を批准しているが、ここへきて一気に多国籍企業寄りに舵を切ってきた。
「農業は作物から種が出来て、次の世代に引き継いでいく循環型の産業です。工業製品や著作物と同列に知的財産権のルールを農業に当てはめ、自家採種を“コピー扱い”するのは間違っています。一世代だけのF1品種が普及し、自家採種が原則禁止になれば、農作物の多様性は失われ、大量生産でき、企業が儲かる品種だけが生き残ることになるでしょう」(鈴木宣弘教授)
地域の農家育成より多国籍企業の利益重視。いかにも安倍政権らしい姿勢である。 =つづく
(取材=日刊ゲンダイ・生田修平、高月太樹)
「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える https://t.co/iklmB1WcVd #日刊ゲンダイDIGITAL
— うさみ正記 (@usami_masaki) 2018年11月1日
「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える https://t.co/VPF3zTlCFx 「従来、花やキノコなど82種は例外的に自家採種が禁止されてきたが、昨年一気に209種が追加され、現在、禁止は356種類にも上る。タマネギ、ジャガイモ、トマト、ダイコン、ニンジンなどお馴染みの野菜も」
— peace_prayer (@peace_prayer) 2018年11月1日
本当に頭がおかしい。もっと皆んなに知ってほしい。https://t.co/jpSErYe4US
— 長谷川裕一 (@hasedanna) 2018年11月1日
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