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(回答先: 「TPPは米国の陰謀」と大反対していた「知識人」たちは米国がTPPから離脱したのになぜ大喜びしないのか ヘイト ネトウヨ 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 25 日 22:40:30)
NHK「原爆番組」は放送法違反だ
国際2018年10月22日掲載
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原爆ドーム
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近年、テレビ番組の「偏向」が話題になることが多い。これをチェックしようとする「放送法遵守を求める視聴者の会」の活動も注目を集めている。
どちらかといえば、現在の政治に関連した「偏向」が指摘されることが多いが、歴史に関するものでも、放送法違反が疑わしいものがある。『原爆 私たちは何も知らなかった』等の著作がある有馬哲夫・早稲田大学教授は、NHKの制作する原爆関連番組の内容に強い憤りを感じるという。以下は、有馬氏の特別寄稿である。
***
放送法違反モノのドキュメンタリー
毎年夏になれば戦争関連のドキュメンタリー番組が放送される。その中には良質なものもあれば、悪質なものもある。
この夏、私が「またか」と呆れてしまったのはNHK‐BS1が8月12日に放送した「BS1スペシャル▽“悪魔の兵器”はこうして誕生した〜原爆 科学者たちの心の闇」だ。日本への原爆投下をテーマにしたこの番組は、放送法違反レベルのものだと言わざるをえない。具体的には放送法第4条「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に明らかに違反している。簡単に言えば、完全にアメリカ側の原爆投下を正当化する見方に則った内容なのだ。
実はNHKにはこの分野ではすでに「前科」がある。2016年放送のNHKスペシャル「決断なき原爆投下 米大統領 71年目の真実」(以下「決断なき」)がそれだ。
この番組では、ハリー・S・トルーマンが大統領に昇格したばかりで原爆のことをよく知らないことに付け込んで、当時の「軍部が独走して」広島・長崎に原爆を投下した、トルーマンは「女子供に原爆を使うな」と命令した慈悲深い大統領だったと主張していた。
これはまったく「真実」ではない。実際には、原爆と原子力利用について大統領に諮問する暫定委員会という組織が当時、アメリカには存在していた。そして、軍部も科学者たちも大勢は、広島、長崎のように一般市民が住む都市に、警告もなく投下することに反対をしていたのだ。これは数多くの公文書などに記録として残っている。こうしたプロセスについては、拙著(『原爆 私たちは何も知らなかった』)で詳述した。
簡単に言えば、トルーマン大統領とその側近が原爆を大量殺戮兵器として使用することを決断した「主犯」であることは、動かしようのない事実だ。ところが、NHKはどういう意図があるのか、「決断なき」において、あたかも大統領に慈悲の心があったかのように描いていた。
こうした問題点について、これまでも私は論文や著書(『こうして歴史問題は捏造される』)で度々指摘してきた。そうした批判を受けてか、今年の「悪魔の兵器」では、暫定委員会の存在については触れている。その点は多少の進歩と言えるかもしれないが、それなら2年前の放送を正式にお詫びして訂正すべきではないか。
『原爆 私たちは何も知らなかった』
有馬 哲夫 著
ネット書店で購入する
「賛成派」「仕方なかった派」ばかりを紹介
さて、「悪魔の兵器」の問題点である。この番組では、大量殺戮兵器としての原爆使用「賛成派」2人と「仕方なかった派」1人の科学者を大きくクローズアップしている。
2人のうちの1人、原爆開発の現場にいた科学者のトップにいたロバート・オッペンハイマーからは、「世界はこれ(広島でパターンとなった原爆使用)が人間と国家と文化の間にゆっくりとだが根本的な変化をもたらすことをこれまでにないほどよく理解するだろう」という肯定的言葉を引き出している。
もう一人の暫定委員会の委員で大統領の科学顧問だったヴァネヴァー・ブッシュには、もっとはっきりと「原爆は結局世に出るものだった。それが劇的にあらわれただけだ」と言わしめている。
罪深いのは、フランクリン・ルーズヴェルト大統領に原子力研究を勧めたレオ・シラードを「仕方がなかった派」に入れていることだ。その証拠に、番組の最後でシラードの伝記作家ウィリアム・ラヌエットに「(シラードは)原爆を作るという間違った賭けをしたと自覚していたが、その選択は仕方がなかった」と締めくくらせている。
シラードにとって問題だったのは、原爆を作ったことではなく、それをどう使用するか、だった。実際、彼は(番組でも申し訳程度に触れているように)他の多くの科学者と共に日本への実戦使用に反対していた。シラードが存命ならかなり激しい抗議文をNHKに送ったことだろう。
この番組の制作者は、「尺をかせぐために」これら3人だけでなく、彼らの周囲にいた、多少批判的ではあっても原爆の殺戮兵器としての使用を肯定する、あるいはそれを仕方のない選択だと思っている多数の科学者たちのとりとめもないおしゃべりも長々と垂れ流している。
その一方で、ジョセフ・ロトブラット(のちにノーベル平和賞を受ける)など、ドイツが原爆を完成する見込みはないと知り、もはや原爆を作る必要はなくなったとして、マンハッタン計画から去った「離脱派」はまったく話に出てこない。そのまま残ったものの、日本に原爆を実戦使用すべきでないと政権に訴えた科学者は、シカゴの冶金研究所を中心に数十名もいたのに、番組には一人も登場しない。
なぜ「賛成派」ないし「仕方なかった派」だけを番組に取り上げるのだろうか。こうした「賛成派」「仕方なかった派」の主張の背景に潜むのは「広島や長崎にしたような原爆の実戦使用は戦争終結のためにはやむをえなかった。結果として多くの人が救われたのだ」という戦後アメリカが採用してきた公式見解だろう。
この公式見解を正しいとすれば、原爆の実戦使用を強く否定する主張があったという事実は望ましくない。だからこそ、この番組は科学者の大多数が実戦使用に反対だったし、暫定委員会の委員や軍人の多くも、大量殺戮兵器としての使用には反対していたという事実には目を瞑るのだ。
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原爆投下はアピールのため
また、同番組はシラードに多くを語らせているのに、彼の次のような重要証言は紹介しない。
「バーンズ(国務長官・トルーマンの側近)は戦後のロシア(ママ)の振る舞いについて懸念していた。ロシア軍はルーマニアとハンガリーに入り込んでいて、これらの国々から撤退するよう説得するのは難しいと彼は思っていた。そして、アメリカの軍事力を印象づければ、そして原爆の威力を見せつければ、扱いやすくなると思っていた」
これはシラードが当時暫定委員会に大統領代理として加わっていたジェイムズ・バーンズと1945年5月28日に会見したときに得た証言である。
この証言は、なぜアメリカ側が日本にとって最も不当な大量殺戮兵器としての使用を選んだのかについての説明になっている。つまり、そうすることが、ルーマニアやハンガリーなど東ヨーロッパ地域に勢力拡大を図るソ連に対する軍事的威嚇になるからだ。
シラードのこの証言は、研究者の間では常識となっている。「アメリカはソ連のヨーロッパでの勢力拡大を抑止するために原爆を使った」という主張の根拠としてよく使われているのだ。要はアメリカが軍事力をアピールするために、広島、長崎の市民の命を奪ったということである。
アメリカの変化
実のところ、長年、原爆投下を正当化してきたアメリカ国内においても世論は変化しつつある。その一つのきっかけは、ABCテレビが1995年に放送した「ヒロシマ・なぜ原爆は投下されたのか」という番組だ。この番組では「原爆投下か本土上陸作戦しか選択肢はなかったというのは歴史的事実ではない。他に皇室維持条項つきの降服勧告(のちにこの条項が削除されてポツダム宣言となる)を出すなどの選択肢もあった。従って、原爆投下という選択はしっかりとした根拠に基づいて決断されたものとはいえない」という結論を示している。
これは「原爆投下によってアメリカ軍兵士は救われた」というアメリカ国内の「常識」に真っ向から挑む内容だ。この「常識」に挑むことは、スポンサー企業への大規模な不買運動を覚悟しなければならないため、一種のタブーだった。
民間放送であるABCは、それでもなお事実を追求し、自国の不名誉にもなる番組を放送した。そして驚くべきことに、放送界でもっとも権威あるピーボディ賞を受けている。こうした番組の功績もあり、「原爆投下は正当だった」と答えるアメリカ人は、かつては8割以上いたが、最近は5割強にまで落ちている。
当のアメリカですら、フェアに多角的に事実を見つめようとしているのに、日本の公共放送が「原爆投下は正当だった」という歴史観を前提にした番組を作り続けている。事実を知らないのならば怠慢であるし、知ってのことならば何に忖度をしているのか、と言いたくなるところだ。そして、これが「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(放送法第4条)を怠っているのは明らかではないだろうか。
デイリー新潮編集部
あわせて読みたい関連本
1
『原爆投下』
NHKスペシャル取材班 著/松木 秀文 著/夜久 恭裕 著
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2
『日本原爆開発秘録』
保阪 正康 著
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【第13回】 2018年10月25日 週刊ダイヤモンド編集部
朝日の実売はついに400万部割れ?決算書で分かる新聞「財務格差」
テクノロジーの進化でさらなる激変期に突入したメディア業界。これから数年で業界の序列は大きく変わるでしょう。勝ち残るのはどこなのか。連載を通じてメディアの近未来を模索していきます。第13回は『週刊ダイヤモンド』10月27日号の特集「メディアの新序列」のスピンオフとして、凋落が続く新聞業界の実情に迫りました。大手新聞社の現役およびOB役員から成る有志集団「プロジェクトP」の協力を得て、最新の実売部数を試算したところ衝撃の数字が出てきました。(週刊ダイヤモンド副編集長兼ダイヤモンド・オンライン副編集長 山口圭介)
今年9月、米老舗ニュース雑誌の「タイム」が1.9億ドル(約210億円)で買収された。金の出し手は顧客情報管理で最大手の米セールスフォース・ドットコムの創業者兼CEOのマーク・ベニオフ夫妻。超の付く富裕層だ。超富裕層によるメディア買収といえば、米紙「ワシントン・ポスト」を買った米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が有名だが、それ以外にも複数いる。
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例えば、米老舗評論誌「ジ・アトランティック」の経営権を握ったのは、米アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏から遺産を相続したローリーン夫人だ。
超富裕層によるメディア買収が増加する背景には、当然、メディアを取り巻く厳しい状況がある。米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームの調査によると、2004年から16年までの間に、米国の新聞社の3分の1以上で所有者が変わったという。
「タイム」「ワシントン・ポスト」「ロサンゼルス・タイムズ」など多くの米メディアが買収
インターネットの台頭で広告収入が激減し、経営に行き詰まったメディアが次々と投資ファンドなどに安く買いたたかれていったのだ。新聞など伝統的なメディアはジャーナリズムにはこだわるものの、マネタイズは不得手で経営の効率化も不十分なケースが少なくない。
テクノロジーの導入によって劇的に経営が改善する可能性を秘めている点で、テック企業創業者に買われるケースは幸せかもしれない。実際、ワシントン・ポストは自社開発のAI(人工知能)で記事の自動執筆を進めるなど、大きな成果が出ている。
最新の推定実売部数を試算
翻って日本の伝統メディアはどうか。決算数字から見ていこう。
下図は、朝日新聞社、読売新聞グループ(基幹6社の合計)、毎日新聞グループホールディングス、産経新聞社の連結売上高と営業利益の推移を示したグラフだ(日本経済新聞社については後述するが、この4社とは事情が異なるため除外した)。4社の売上高は6年で15.8%減少、金額にすると2000億円超も減った計算だ。
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加速する部数の減少が新聞社の経営を直撃している。02年下期に1000万部を超えていた読売の部数は851万部まで減り、朝日に至っては600万部を割り込み、02年下期から230万部も急減している。
日本の新聞社の場合、さらに大きな問題がのしかかってくる。「押し紙」だ。押し紙とは、部数をかさ上げして広告単価を引き上げたい新聞社が販売店に押し付ける「在庫」のことで、配達されることのない部数を指す。
大手新聞社の現役およびOB役員から成る有志集団「プロジェクトP」は自らの経験や販売店への取材に基づき、朝夕刊セット部数は部数のかさ増しがほとんどない一方、朝刊単独で売られている部数には4割から5割の押し紙が含まれていると結論付けた。
プロジェクトPが策定した計算式を基に、本誌で全国紙の最新の推定実売部数を算出したところ、下図の通り衝撃的な結果となった。朝日の実売部数は400万部割れ、産経は100万部割れの可能性があるというのだ。
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このままのペースで部数の減少が続けば、ビリオネアのIT創業者が全国紙のオーナーになる日も遠くないだろう。
現役役員が描く3つの再編案
最も厳しいのが産経だ。朝日の自己資本比率が59.8%、利益剰余金が3198億円に達するのに対し、産経のそれは20.0%、132億円にすぎない。保有していた資産の切り売りでしのいできたが、それも尽きた。
プロジェクトPのメンバーの一人は「産経か同じく財務が厳しい毎日が再編の引き金を引く可能性が極めて高い」と予測する。プロジェクトPは業界再編の在り方も提案している。具体的には以下の3案だ。
(1)産経と毎日が「MSグループホールディングス」を結成(他紙の再編受け皿としても機能)
(2)共同通信加盟社を束ねた持ち株会社の設立(中心はオーナー家が社長になった中日新聞社)
(3)読売以外の全国紙が地方取材の新組織を立ち上げ(取材効率の向上と地方紙の対抗軸をつくる)
あくまでも提案であり、具体的に動いているわけではないが、いずれにしても全国紙の「財務格差」を見る限り、全国紙5社体制は間もなく終わりを告げるだろう。
https://diamond.jp/articles/-/183343
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