http://www.asyura2.com/18/senkyo252/msg/503.html
Tweet |
来年の消費増税、見送りの可能性(3)…低所得者対策カットでも軽減税率の財源不足
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25187.html
2018.10.19 文=荻原博子/経済ジャーナリスト Business Journal
麻生太郎財務大臣(写真:AFP/アフロ)
本連載の前回記事、前々回記事で、安倍晋三首相が消費税を引き上げない3つの理由についてお伝えしました。ひとつ目は「来年は、大きな選挙が2つある」、2つ目は「消費税引き上げには、アメリカのドナルド・トランプ大統領が大反対する」というものでした。
3つ目の理由は、「反対倍増で、政府の増税対策が裏目に出そう」ということです。まず、消費税増税については、日本の産業の上から下まで反対の波が広がっています。
■あらゆる商売を阻害する、不公平な軽減税率
たとえば、これまで増税に賛成し、自民党を支えてきた日本自動車工業会。2014年、当時の池史彦元会長(元本田技研工業会長)は、「消費税増税はやるしかない」と発言しており、その路線が続いてきました。しかし、18年に会長に就任したトヨタ自動車の豊田章男社長は、消費税増税が自動車の国内需要を30万台押し下げる懸念があるとして、自動車ユーザーのほかの税負担を軽減しなければ消費税アップは認められないと明言しました。
日本経済団体連合会(経団連)も、増税には一応賛成してはいますが、スタンスはトヨタ寄り。軽自動車税を起点に引き下げを求めています。トヨタは経団連の副会長に早川茂代表取締役副会長を送り込んでいるので、これは当然の要求かもしれません。
裾野でも、消費税増税については怨嗟の声が広がっています。特に、増税と同時に実施される「軽減税率」については恨み節が多く聞かれます。
大手スーパーマーケットなどが加入する日本チェーンストア協会は、レジのシステム改修、商品分類見直しなどの手間とコストが増大するとして、消費税アップに反対しています。また、レストランなどの外食産業が加盟する日本フードサービス協会は、8%の商品が多いスーパーに比べて、外食が10%になるというのは不公平だ、と増税および軽減税率に反対しています。
店員にパートやアルバイトが多いコンビニエンスストアでは、8%と10%の2種類の税率に個別に対応するのは難しいので8%で統一しなくてはならなくなりそうです。しかし、そうなれば、現状のイートインコーナーは食べたり飲んだりできない単なる休息所にしなくてはならず、集客力が落ちると訴えています。これは、ハンバーガーチェーンなども同じです。
さらに、怒りをあらわにしているのが、蕎麦屋さんなどの出前をする業態です。店で食べてもらえば消費税は10%なのに、わざわざ人件費をかけて蕎麦を配達すると8%になるので、価格が安くなってしまう。これでは店で食べるよりも安い出前を取ったほうがいいということになり、配達が増えて人件費が上がるので、そのぶん利益は減ってしまうことになります。新聞以外の雑誌、書籍の業界などからも反発が出ていて、日本雑誌協会など4団体は、はっきりと消費税増税反対の姿勢を取っています。
つまり、商売をしている人のほとんどが、消費税増税だけでなく、複雑で面倒でなんのトクにもならない軽減税率に対して「今までの商売を阻害する不公平なもの」という認識を持っていて、不満を抱いているのです。
しかも、軽減税率だけでなく、さらに小売りの商売を痛めつけそうなシステムを政府は導入しようとしています。
■「キャッシュレスでポイント還元」という愚策
軽減税率以外にも、政府はさまざまな増税緩和策を打ち出そうとしていますが、「それで景気の落ち込みを防げるのか」というものばかりです。なかでも愚策中の愚策が、「キャッシュレス決済を条件にポイント還元を行う」という施策です。
中小の小売店が対象ということで、それらの落ち込みを減らそうという意図はわかりますが、政府がカードリーダーを配ってくれるわけではないので(補助金は出るようですが)、店側は読み取り機を買わなければならず、事務処理の手間もかかります。また、高齢者が多い店では、せっかく読み取り機を導入しても、あまり使われない可能性もあるでしょう。
さらに決定的なのは、それによって店の売り上げが落ちる可能性があるということです。なぜなら、現金決済の場合は1万円を払えば1万円が店の売り上げになりますが、キャッシュレスでは決済に使われるクレジットカードなどによっては店側がカード会社に2〜3%の手数料を支払わなくてはならないため、1万円の売り上げが1万円にならないのです。
仮に、店側が3%の手数料を負担するカードで決済されると、店は2%の増税分と3%の手数料の合計5%の打撃になります。さらに、この政策は1年程度しか行われない見込みで、「そのために読み取り機まで買って振り回されるのはごめんだ」という店は多いことでしょう。
実は、15年にも“天下の愚策”といえる消費税対策が財務省から提案されました。それは、飲食料品(外食も含む)の消費税を還付する制度です。マイナンバーを使い、該当する食品などを購入してカードを端末にかざすと、その記録が政府のデータベースに蓄積され、消費者がインターネットで申請すると還付金を受け取ることができるという仕組みでした。
しかし、仕組みが複雑な上、ネットが使えないお年寄りやカード端末のない店もあり、手続きをしても戻ってくるお金はひとり年間4000円程度ということで、与党から総反発を食らって撤回。財務省は官邸から不信感を抱かれ、消費税増税延期の材料になったともいわれています。
■富裕層ほどトクする軽減税率、いまだ財源不足
今回の消費税増税に賛成しているのは、上は経団連から下は街場の蕎麦屋さんまで、皆無といってもいいでしょう。さらに、当事者の財務官僚のなかにも不安を口にする人がいます。それは、財源の問題があるからです。
軽減税率を導入するにあたっては、1兆円の財源が必要といわれています。しかし、現時点では確保できていない状況です。財務省は、たばこ税の増税で約2500億円、所得税増税で約800億円、「総合合算制度」の見送りで約4000億円を確保できる見通しですが、依然として約3000億円弱が不足している状況です。
ちなみに、「総合合算制度」とは、低所得者へのセーフティーネットを強化する目的で、医療や介護、保育、障害者対策などを家計全体で合計し、一定額を超えたら超えたぶんに給付をしようというものです。病気をかかえながら介護を行っている老老介護の世帯や、子育てと介護の両方をしなくてはならない子育て・ダブルケア世帯、急病で働けなくなった単身世帯に手を差し伸べようという制度でした。この低所得者対策に使うはずだったお金を軽減税率に回そうというのですから、ひどい話です。
しかも、軽減税率というのは低所得者よりもお金持ちに有利な制度です。たとえば、100グラム100円の豚肉を買う人の消費税は軽減税率で8%なら2円安くなるだけですが、100グラム1万円の高級牛肉を買う人は100倍の200円も消費税が軽減されます。同じ100グラムの肉の購入でもこれだけの差があるわけで、つまり軽減税率でトクをするのはお金持ちだということです。
こうした消費税増税の落とし穴が徐々に明らかになってくると、税率アップへの怨嗟の声は、ますます広がっていくことでしょう。菅義偉官房長官は、「リーマン・ショック級の経済危機が起こらない限り増税を実施する」と言っていますが、小売業者や給料が伸びない会社員にとっては、消費税増税こそがリーマン・ショック級の経済危機として認識され始めています。
さらに、政府にとっても、自民党総裁選挙、沖縄県知事選挙と苦い選挙を経験するなかで、ここで消費税を引き上げれば来年の2つの大事な選挙に勝てない可能性も出てくるわけですから、安倍政権にとってもリーマン・ショック級の危機になるでしょう。
そうなれば、選択肢は「消費税増税先送り」のカードしかない。そして、そのカードをより効果のあるかたちで切るために、今は消費税増税の恐怖を煽り、できるだけ混乱させ、来年の統一地方選挙の前のタイミングでサプライズを発表する。今は、その時期を見計らっているのではないでしょうか。
以上は、私の個人的な推測ですが、みなさんはどのように考えるでしょうか。
(文=荻原博子/経済ジャーナリスト)
来年の消費増税、見送りの可能性(3)…低所得者対策カットでも軽減税率の財源不足 https://t.co/WTYVMutrAV 軽減税率の財源は三千億不足だそうだが、やはり上場企業に機能してない法人税は廃止し、控除廃止、売上税5%だよ。上位20社でも9兆くらいは入る
— 丹下段平設計事務所 on ツイッター (@danpei_design) 2018年10月20日
来年の消費増税、見送りの可能性(3)…低所得者対策カットでも軽減税率の財源不足 https://t.co/eQ55xEzJWM via @biz_journal
— 🌈✨snu2222rm❄ (@snu2222rm) 2018年10月19日
期間限定の増税緩和策すると、期間経過後に悪影響が出る
消費や投資に向くべき経済価値が減少し経済が収縮、またデフレになる
財政出動せず緊縮財政すると経済が破壊する
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK252掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK252掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。