>>12 >共産主義を志向してはいないという意味では、たしかに共産支那ではなくなっているがね、共産党が支配する一党独裁国家という意味では、相も変らぬ共産支那だと思うよ。 > さらに、あれが資本主義国だなんて、笑いころげてしまう。自由主義市場や民主主義を排除した資本主義だなんて… 非常に良いところを突いてくれたね。 罵愚君、ありがとう!(^^)
ブッシュJrが9.11の報復としてアフガン侵攻を決めたとき「自由社会を守れ!」と言ったものだが、私はその「自由」がどんな「自由」なのか疑問だった。それは本当に私たち自身の「自由」なのだろうかと。 思えば我々はずっと、資本主義=自由主義=民主主義と思いこまされてきたような気がする。たぶん、学校やマスコミが半ば無意識にやっている洗脳の結果だろう。 そして、共産主義の国家は独裁的で自由がないが、それに引き換え、資本主義社会に生きる我々には自由がある(たとえ金はなくとも)と、その幸せを反復確認させられたものだ。 でも、本当にそうなのかな?
例えば資本主義の更なる“進化型“というべき新自由主義(ネオリベラリズム)の最初の実験はチリのピノチェト政権下で行われた。 民主的な選挙によって選ばれた社会主義者の大統領、サルバドール・アジェンデをアメリカに支援されたクーデターで倒したピノチェト将軍は、その軍政下で多くの国民を虐殺、拷問にかけ、恐怖の独裁政治を敷いたことで知られる。 しかし、アメリカの新自由主義の教祖的存在、シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授に学んだ「シカゴボーイズ」たちは、自分たちの学んだ師の理論を実戦するためにこの独裁国家を選んで自らを売り込んだのだ。(ちなみにフリードマン教授はブッシュJrから「国父」扱いを受けていたという人である) そしてチリでは、彼らの進言に従って、国営、公営の多くの事業を民営化、様々な規制緩和によって外国資本が国内に投資しやすい環境を作った。 その結果、チリの経済は目覚ましい発展を遂げ、現在に至るまで「チリの奇跡」と呼ばれ、世界から賞賛されている・・・ というのは実は嘘っぱちのデタラメ、よく言っても特定少数の立場の人々から見た神話に過ぎない。 現実にはチリでの経済は外国資本のお狩り場となり、労働者としての市民は最低賃金制度や労働組合の交渉権を剥奪されて多くが貧困化、チリの国営企業は安値で外国資本にたたき売られ、民営化された年金制度は破綻、ついに市民は暴動やストライキを起こした。 やむなくピノチェトはシカゴボーイズを追い出し、アジェンデの社会主義路線を復活せざるを得なかったのだ。 このことはフリードマンのかつての弟子であり、シカゴボーイズの同窓でもあるジャーナリスト、グレック・バラストの“The best Democracy Money can buy” 邦題『金で買えるアメリカの民主主義』に詳しい。 ともかく、この大失敗の路線が、フリードマン派の人々によってなぜか「成功例」として世界な喧伝され、ほかの国々の後追いを許すことになる。 しかし、そうした政策は、ほぼもれなく、国を揺るがすような大きな政変や災害、戦争などで、その国の民主主義が後退、ないし破壊された時をねらいすまして行われた。 カナダのジャーナリストナオミ・クラインはこれを「ショックドクトリン」と呼び、人々が正常な判断力を奪われた状態を狙って行われていると言った。 そもそも「国民多数が望まないこと」を政府が強行するためには、その国の民主主義が弱体化していることが望ましい。つまり、新自由主義は市民の権利や自由を奪う独裁性と親和性があるのだ。(それか「共産主義」を標榜しようが「自由主義」を叫んでいようがさして変わらない) その点で今の中国ほど向いた国はないのかもしれないが、我々日本人も用心した方がいいだろう。 結局、資本主義、新自由主義のもとでの「自由」とは、第一義的には「資本の自由」のことであって「人間の自由」を指してはいない。そのことは心した方が良いようだ。
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