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憲法破壊宣言の首相に戦前・戦中派の戦慄 「不戦の誓い」の白々しさ、嘘はこれだけある(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/18/senkyo249/msg/313.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 15 日 21:50:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


憲法破壊宣言の安倍首相 毎度の「終戦談話」の白々しさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235446
2018年8月15日 日刊ゲンダイ ※タイトルは紙面による

 
 お国入りの講演で改憲に強い意欲を見せた(C)共同通信社

 この夏も、安倍首相が繰り出す言葉は空虚だ。73回目の終戦の日を迎えた15日の戦没者追悼式での式辞といい、広島・長崎の原爆忌での挨拶といい、毎年ほぼ同じ文章の使い回し。「戦禍を二度と繰り返してはならない」とは言うものの、歴代首相が盛り込んできたアジア諸国への加害責任や謝罪については言及しない。日本の戦争責任を棚に上げ、侵略戦争だったとは絶対に認めない。そんな態度がアリアリで、どうにも安倍の「不戦の誓い」からは本気度が伝わってこない。心がこもっていない。

 口先首相の白々しさに、とりわけ戦前・戦中派は心底、呆れ、辟易していることだろう。実際、安倍の主張や行動は、平和とは真逆のことばかりだ。

 地元・山口県での講演会で12日、「いよいよ憲法改正に取り組む時を迎えた。自民党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう取りまとめを加速すべき」と言い切った。9月の総裁選で3選したら、自らブチ上げた「9条に自衛隊を明記する案」の具体的な検討に入り、実現させるというのだ。集団的自衛権の行使容認で解釈改憲に手を染めた違憲首相が、さらに憲法を破壊することになる。

 憲法に自衛隊を明記することは、9条の死文化を招く。つまり事実上、日本は9条のない国になるのである。戦力不保持と交戦権否認を定めた2項を残したままにするので、安倍は「自衛隊の文字を加えるだけで、今までとは何も変わらない」ような説明をしているが、だまされてはいけない。3年前の安保法制制定時に、海外派兵を可能にする「重要影響事態」を盛り込んだのに、安倍が「専守防衛の原則は不変」と言っていたことを思い出させる。

■国難をでっち上げる「危険な戦争屋」

 集団的自衛権の行使容認で、既に日米一体化の軍事行動が現実のものとなっている。昨年4月、海上自衛隊の護衛艦2隻が米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」とフィリピン海で共同訓練を行った。当時、北朝鮮に対し「先制攻撃のさまざまな選択肢がある」と明言していた米国と共に北を威嚇したのである。これのどこが「専守防衛」なのか。

 米国から巨額の武器も買いまくり、軍国化まっしぐらだ。来年度の防衛省の概算要求は5兆4000億円となる見通しで、第2次安倍政権になって以降、6年連続の増加、過去最高を更新である。安倍は、戦後73年かけて築いた「平和日本」を壊すことしか考えていない。だから戦争を知る世代は、安倍3選に猛烈に反対するのである。

 1936年生まれ(82歳)の経済アナリスト・菊池英博氏は今月、「使ってはいけない集団的自衛権」(角川新書)を上梓した。政府与党や改憲論者が北朝鮮による国難を「でっち上げ」、国民に恐怖心を与え、危機をあおって憲法改正の必要性を植え付けようとしている今、ぜひとも書いておかねばならないと強い思いを抱いたのだという。

「安倍首相に平和を守ろうという気持ちは全くないと思います。彼は危険な戦争屋です。それは終戦の日の発言でもよく分かる。天皇陛下は毎年、戦没者とその遺族を慰労されると同時に関係各国に与えた『加害行為』に対し謝罪します。ところが安倍首相は、それまでの首相が盛り込んできた日本の戦争責任やアジア諸国との和解という文言をやめてしまった。そして中国や韓国とケンカして、危機をでっち上げ、改憲に突き進もうとしている。非常に卑怯な男です。安倍首相が憲法9条に自衛隊を明記することでやろうとしているのは、自衛隊を米国の傭兵にすること。米軍と一体化して戦争をすることになるのですよ」

 
 戦争を知る世代はアベを危険視(C)日刊ゲンダイ

歪んだ歴史観で、戦前の帝国主義への反省ナシ

 戦争を知っている人は「アベ政治」を心から危惧している。

 今年5月に死去した絵本作家のかこさとし氏(加古里子・享年92)は安倍政権下の2014年に出版した著書「未来のだるまちゃんへ」でこう書いていた。

<昭和二十(一九四五)年というのは、僕にとって、一人の人間の終わりであり、始まりの年なのです。精一杯考えて、自分で「これ以外にない」と思ったことが、まんまと違ってしまった。あの時の後悔と懺悔、無知、錯誤の恥ずかしさを忘れるわけにはいきません>

<これからはそういうことが二度とないように、十分に用心しながら考えて、心がけてはいるけれども、また間違えることがないとは言い切れない。今という時代は、何かそんな不穏な気配さえあるような気がしてなりません>

 安保法制反対のシンボルだった「アベ政治を許さない」を揮毫した俳人の金子兜太氏(今年2月死去・享年98)も、日刊ゲンダイのインタビューで、こう語っていた。

<若い人に絶対に戦争をさせてはならないという思いで書いた。今の政権は国民の言うことに耳を傾けようとしない。アベとかいう変な人が出てきたもんですから、危機感を痛切に感じるようになりました>

 驚いたのは、1932年生まれ(86歳)の藤井裕久元財務大臣の発言だ。12日放送のTBS系「時事放談」に出演。自民党総裁選への出馬を表明したばかりの石破茂元幹事長が共演者だったが、そこで、<私は戦争を知っている人たちと付き合っています。その人たちの安倍支持率は19%なんですよ>と安倍をこきおろしたうえ、石破には、<自信を持って下さい><あなた勝って下さい>と激励、「総裁選で安倍をやっつけてくれ」と言わんばかりだったのだ。

 東大から旧大蔵官僚を経て、自民党国会議員に転じた藤井は、竹下派に所属した保守本流の政治家だ。民主党政権で財務大臣に就いているが、革新系じゃない。根っからの保守だ。それがここまで安倍を否定し、石破にハッパをかけるとは、よほどのことである。

■日本国憲法は戦死者の遺言

 藤井と同じ1932年生まれの政治評論家・森田実氏もこう言う。

「安倍首相というのは、祖父である岸信介から歪んだ歴史観を引き継いでいるので、戦前の日本の帝国主義に対する反省がないのです。あの戦争で310万人が亡くなりました。当時の日本はまだ人口1億人に達していませんでしたから、実に人口の3%以上が命を落としたことになる。ほとんどの家族で誰かが犠牲になった。沖縄もメチャクチャになりましたしね。これが戦争の現実なのです。ですから戦後の日本は、『もう戦争は一切しない』『アジア諸国に酷いことをした』という反省の上にある。日本国憲法はそういう精神で存在している。1954年に自衛隊法が制定された時も『日本の領土、領海内に行動を留める』と参院の決議で条件をつけています。ですから安倍首相が、改憲で9条に自衛隊を明記しても何も変わらないと言っていますが、自衛隊の海外派兵を合憲化するのだから、1954年の決議に逸脱する行為であり、嘘なのです。そういうトリックを平気でやるのが安倍首相。信用なりません」

 14日の毎日新聞夕刊で、1927年生まれ(90歳)の俳優の鈴木瑞穂氏が「憲法は戦死者の遺言だ」と言っていた。鈴木氏は海軍兵学校で学ぶガチガチの軍国少年だった。しかし敗戦によって<大人の言うことは信用しない>とニヒルになり、「民主主義」を唱えるようになったという。そして、京大在学中に出あった新憲法の条文に衝撃を受ける。

<日本は戦力を放棄する。もう二度と戦争をしない、と書かれている。なぜこんなにやさしい言葉で、一人一人の人間に愛情を注げる憲法が生まれたのか。感動したというより、未知のものを見た驚きがありました。兵学校の2、3期上は戦地に赴き、無残に死んでいった。この憲法は、戦争で死んだ人たちの遺言に思えたのです>

 戦中派がこんなにも大切にする平和憲法を亡きものにしようとする安倍をこれ以上居座らせたら、この国は再び過ちを犯すことになってしまいかねない。

 終戦の日のきょう、全ての国民がそういう思いをあらたにしなければならない。


73回目の終戦の日 平成最後の「全国戦没者追悼式」(2018年8月15日)

※7:25〜安倍内閣総理大臣、式辞。14:15〜天皇陛下、お言葉。
















 



 

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コメント
1. 2018年8月15日 22:06:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1312] 報告

確かに不戦の誓いなど意味はない

死刑の廃止と同じで、外的条件が変われば、いつでも戦争は起こる

ヒトとは、そういうものだ


 

 

 
オトナの教養 週末の一冊
帝国陸軍は愚かで非合理だからアメリカと戦争したのか?〜『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』牧野邦昭・摂南大学経済学部准教授に聞く〜
2018/08/15
友森敏雄 (「WEDGE Infinity」編集長・月刊「Wedge」副編集長)

開戦時・内閣総理大臣だった東条英機(写真中央・AP/AFLO)
「8月や、6日、9日、15日」という詠み人知らずの歌がある。広島に原爆が落とされた8月6日、続いて9日に長崎、そして15日無条件降伏(ポツダム宣言の受諾)である。
 8月15日には、陸海軍を中心に戦争時の資料が大量に焼かれた。今でも「大本営発表」というと悪い意味で使われるように、戦時中は負けているにもかかわらず、勝っているような発表がされ、負けてしまえば、責任逃れのために資料を焼いた(公文書を粗末に扱うという官僚の悪弊は今にも引き継がれているということだろうか……)。
 このように昭和の軍部、特に帝国陸軍は、非合理主義で、極端な精神主義に走った組織という認識が一般的だ。
 ところがそんな陸軍が、開戦前に日本を含め、アメリカ、イギリス、ドイツなどの主要国の「経済抗戦力」について調査を行っていたという。陸軍主計中佐・秋丸次朗をリーダーとして調査組織を設置した(通称「秋丸機関」)。
 秋丸機関の調査によって、日米の経済力の差は「20:1」にもおよぶことが判明した。そして、この報告書は陸軍にとって都合の悪いものであるために「焼却処分」された――。
 非合理な陸軍だから、さもありなんということで、戦後長らくこの通説が信じられてきた。

『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』(新潮選書)。牧野邦昭。1977年生まれ。東京大学経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。現在、摂南大学経済学部准教授。専攻は近代日本経済思想史。著書に『戦時下の経済学者』(中公叢書、第32回石橋湛山賞受賞)など
 しかし、これについて「本当だろうか?」と、問題提起をしたのが『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』(新潮選書)を上梓した、牧野邦昭摂南大学経済学部准教授だ。
「通説」打破への突破口となったのは、牧野氏がネット上のデータベースに、焼却処分されたはずの秋丸機関の報告書がいくつか残っていることを発見したことだ。
「2008年、京大の院生のときに、京都府立図書館のデータベース(OPAC)で、秋丸機関の別称である『陸軍省主計課別班』を検索してみました。すると、関連資料が出てきたのです。その後、京大、東大などの図書館のデータベースにも資料があることが確認できました」
 秋丸機関の研究員の一人で、「(秋丸機関の)報告書は陸軍の意向に沿わないので、焼却処分された」と発言していた有沢広巳・東京大学経済学部教授が1989年に亡くなり、その蔵書が遺品として東大経済学部図書館に寄贈された際、その中から報告書の一部である『英米合作経済抗戦力調査』(其一)が見つかったことは既に知られていた。

 しかしそれ以外の資料はほとんど見つかっていなかったが、牧野氏は多くの秋丸機関の資料をネット上のデータベースで発見する。
「2013年にはGoogle Booksで秋丸の発言が掲載された報告書を見つけました。そして、(国立情報学研究所が運営し、全国の大学の蔵書などを調べることができる)CiNii(サイニイ)Booksで、『独逸経済抗戦力調査』が静岡大学図書館にあること発見しました」
 さらに牧野氏は、『英米合作経済抗戦力調査』(其二)を、古書データベース「日本の古本屋」で発見し、購入した(その後、東大経済学部資料室に寄贈)。

「こうした発見ができたのは、情報がデータ化されたからです。今後は、AI(人工知能)が、新しい資料を発見するということも起きてくるかもしれません」

 焼却処分されたというものがなぜあるのか? 牧野氏の疑問は深まった。しかし、報告書の内容を読み込んでいくと、英米の経済抗戦力の大きさを示してはいるが、全体としては、当時の論壇や政府機関、シンクタンクで言われていることと変わらない内容だった。そして、当時の雑誌などに、秋丸機関の研究員が報告書と同様の内容を執筆、発言していることが分かった。
 では、秋丸機関の「報告書」の内容とはどのようなものなのか。
勝ち目が少ないことを指摘していた報告書

 マクロ分析された『英米合作経済抗戦力調査』(1)では、
英米が合作すれば、米国の供給で英国の供給不足を補うことができる。
英米の合作は、第三国に対して70億ドル余りの軍需資材の供給能力になる。
ただし、最大の供給能力の発揮には開戦後1年〜1年半の時間が必要。
英国船舶の月平均50万トン以上の撃沈は、米国の対英援助を無効にする。

 ミクロ分析された『英米』(2)では、
英国の弱点として、島国であるために食料や資源を遠隔地から船舶で輸送しなければならない。

『独逸経済抗戦力調査』では、
ドイツの経済抗戦力は1941年がピークで、その後低下する。
英米長期戦に頼るにはソ連の生産能力を利用しなければならない。
食料不足が表面化しており、ウクライナからの供給が必要。
石油も不足しており、ルーマニアからの供給だけでは足りず、ソ連のバクー油田からの供給が必要。

 しかし、ドイツがソ連の各種能力を利用するには、ソ連との決戦を短期で終了させる必要があり、長期化した場合は、「対英米長期戦遂行は全く不可能」となると、悲観的に述べられている。

 これに加えて、日本が行動すべき指針も示している。

「東亜」は欧州に不足しているタングステン、錫、ゴムなどを供給することができるため、日本はシンガポールを占領し、インド洋連絡を行う必要がある。
独ソ開戦以降、ソ連と英米の提携が強化されるため、日本は包囲網突破の道を南に求めるべし。
北における消耗戦を避け、南において生産戦争、資源戦争を遂行すべし。

 報告書全体としての結論をまとめると、「長期戦になればアメリカの経済動員力により日本もドイツも勝利の機会はない」、ただし「独ソ戦が短期で終われば、イギリスには勝てるかもしれない」というものだ。そして、日本がなすべきこととしては、「北進(対ソ戦)」ではなく、資源獲得のチャンスがある「南進(対英米)」すべきとされた。

 こうした情報は当時、機密でもなんでもなかったのである。むしろ「常識」とも言えるものだった。それにもかからず「なぜ、開戦を決断したのか?」。そのとき、思い至ったのが行動経済学における「プロスペクト理論」だった。

人間は、損失を被る場合にはリスク愛好的(追及的)な行動をとる
 本書のなかで、牧野氏はこんな事例を示している。
 2つの選択肢のうちどちらが望ましいか。
(a) 確実に3000円支払わなければならない。
(b) 8割の確率で4000円支払わなければならないが、2割の確率で1円も支払わなくてよい。
 (b)の損失の期待値はマイナス3200円(=マイナス4000円×0.8+0円×0.2円)で、(a)よりも損失が大きくなる。人が合理的に動けば、(a)を選ぶ。しかし、実験では(b)を選ぶ人が多い。つまり、「人間は、損失を被る場合にはリスク愛好的(追及的)な行動をとる」のだ。
 これを証明したのが「プロスペクト理論」で、人は財が増えるのと、減るのとでは、減る場合のほうに価値を置く。そのため、損失が出る場合は、その損失を小さくすることを望む。つまり、確率は低くても、損失が0円になる可能性がある(b)を人は魅力的に感じてしまうということだ。
 この(a)と(b)の状況は、昭和16年(1941年)に、日本が置かれた状況と同じだと、牧野氏は指摘する。

(A)昭和16年8月以降はアメリカの資金凍結・石油禁輸措置により日本の国力は弱っており、開戦しない場合、2〜3年後には、確実に「ジリ貧」になり、戦わずして屈服する。
(B)国力の強大なアメリカを敵に回して戦うことは非常に高い確率で日本の致命的な敗北を招く(ドカ貧)。しかし非常に低い確率ではあるが、ドイツがソ連に短期で勝利し、英米間の海上輸送を寸断し、日本が東南アジアを占領して資源を獲得して国力を強化してイギリスが屈服すれば、アメリカの戦争準備は間に合わず、講和に応じるかもしれない。

「プロスペクト理論に基づけば、現状維持よりも開戦した方がまだわずかながら可能性があるということになるのです」
 牧野氏は「『開戦すれば高い確率で日本は敗北する』という指摘自体が、逆に『だからこそ低い確率に賭けてリスクを取っても開戦しなければならない』という意思決定の材料になってしまった」と指摘する。
 これが「なぜ正確な情報があったにもかかわらず、開戦にいたったのか?」という疑問に対する牧野氏の答えだ。
秋丸機関は第3の選択肢を出すことができた
 こうした状況は現代の政治や、ビジネスのなかでも起こりうる。上手に乗り切るために必要なことは何なのか。牧野氏はこう話す。
「視野狭窄に陥らないようにして、選択肢を広めに持つということが大事だと思います」
 そうすると、日米開戦時にこのような大局的な視点に立って物事を判断できる人材がいれば、日米開戦は回避できたのだろうか。牧野氏は、秋丸機関は第3の選択肢を出すことができる存在だったと考えている。
 満州時代に、後に首相となる岸信介、日産の創業者である鮎川義介などと対等に渡り合い、共に仕事をして「関東軍参謀に秋丸参謀あり」と謳われた秋丸主計中佐、そして東大教授の有沢広巳、慶應大教授で陸軍主計少尉でもあった武村忠雄など、優秀な人材が集結していた。
「もし、秋丸機関に『3年後でもアメリカと勝負できる国力と戦力を保持できるプラン』を出すように示唆する人物が陸軍にいれば、秋丸機関はそのプランを出すことができたと思います」
 開戦を回避していたら、その後の日本はどうなり、いま、どうなっていたのだろうか……とも、考えてしまうが、それは本書の主題ではない。
 現在まで、かつての日米(英)戦争は、非合理的な陸軍が無謀な戦争をはじめたという認識が一般化している(もちろん、帝国陸軍は様々な過ちを犯した)。ただ、「ストーリーとして分かりやすいから、戦後こうした考えが浸透したのだと思います」と、牧野氏が指摘するように「陸軍悪玉論」にしてしまうと、思考はそこでストップしてしまう。
 牧野氏は、本書の冒頭で政治学者・丸山眞男の言葉を引用している。
「陸軍や海軍というのは、もともと組織的に頭のいいのがいたというせいもあるけれど、よほど合理的だったのではないか」
 決して狂信的な人たちではなく、むしろ合理的な人たちが「正しい情報があったはずなのに、なぜこのような選択をしたのか?」。この問いは、現代にも通じるのである。


 


日本に武力行使の用意あるか、漫画が突きつける問い
日本に起こり得る軍事の未来を描いた作品、累計300万部超え
「空母いぶき」の作者かわぐちかいじ氏(7月9日) BENJAMIN PARKS FOR THE WALL STREET JOURNAL

By
Chieko Tsuneoka and
Alastair Gale
2018 年 8 月 15 日 12:51 JST
 【東京】ある嵐の夜、東シナ海の無人島に怪しい3人組が上陸した。そこから緊迫が高まり、ついに中国が日本の幾つかの島を侵略。日本政府は第2次世界大戦後で初の軍事力行使に踏み切り、陸海空で激しい戦いが繰り広げられた――。
 これは漫画「空母いぶき」シリーズで描かれているフィクションだ。日本に起こり得る軍事の未来を描いたこの作品は、累計販売部数が300万部を超えている。次に控えているのは、実写版の映画と5年ぶりに見直される「防衛計画の大綱(防衛大綱)」だ。これまでは漫画でしか見られなかった兵器の一部が導入される可能性がある。
 「日本の自衛隊は他国を攻撃する能力を有するべきか」。「いぶき」が投げかけるこの疑問は防衛大綱見直しの中心にある。
就役・建造中の標準空母

Source: International Institute for Strategic Studies 米国中国インド英国イタリアロシアフランスタイ米国その他
Note: Spain has an assault ship that can launch short take-off aircraft; Japan has four helicopter-carriers.


 第2次大戦中の日本による侵略行為のため、攻撃的軍事力の保有は日本や近隣諸国で扱いが難しい問題となっている。旧日本軍は戦後に解体され、自衛隊に作り変えられた。自衛隊の役割は限定されており、多くの日本人は災害救助が主な任務だと思っている。
 安倍晋三首相は自衛隊に対する法的制約を一部緩めたが、自衛隊が戦闘に従事できる状況には厳しい制限がある。
 複数の政策担当幹部が、同盟国の米国に促される形で、北朝鮮と中国の脅威が高まっているため新たな軍備に投資して自衛隊の戦闘能力を高める必要があると話している。
 日本の将来的な軍事支出に関する詳細は年内に、来年度の予算案と新たな中期防衛力整備計画(中期防)の中で示される見通しだ。

自衛隊の富士総合火力演習(2017年8月) PHOTO: YOSHIO TSUNODA/ZUMA PRESS

 昨年、日本は巡航ミサイルの購入計画を発表し、いわゆる攻撃能力の確保に向けて1歩踏み出した。政府は巡航ミサイルが国土への侵略を防ぐのに役立つと述べたが、外国の軍事基地を狙うこともできる。
 与党・自民党の安全保障調査会は今年、第2次大戦以降で日本初となる空母を保有し、「F-35B」ステルス戦闘機ないし同等機を搭載するための多額の予算を盛り込んだ提言をまとめた。
 同委は、空母を保有し持続的な防空能力を投入することで、東シナ海で起こり得る中国の攻撃から日本の島々を守る防衛力を大幅に高めることになると主張。一方、野党の一部政治家は、空母は他国の攻撃にも使えるため日本の専守防衛の原則に反すると訴えている。

漫画「空母いぶき」 PHOTO: BENJAMIN PARKS FOR THE WALL STREET JOURNAL
 第2次大戦中、日本は世界有数の空母群を保有していた。そのうち6隻は1941年の真珠湾攻撃に使われた。
 中国は3隻目となる空母を建造しており、日本政府に対しては軍備構築に際して歴史を顧みるよう警告してきたが、日本が空母を保有する可能性については直接コメントしていない。
 日本南部の島々を巡る軍事衝突で空母が果たす役割は漫画「空母いぶき」の中心をなすテーマだ。この作品は2014年に連載が始まり、最新の単行本は7月に発売された。
 作品中の空母に搭載されているF35B戦闘機は、日本が軍事力(日本が創設したものに酷似した水陸機動団など)を総動員する間、中国戦闘機を迎撃するものだ。実写映画は来年の公開が予定されている。
 作者のかわぐちかいじ氏(70)は海上自衛隊を扱った漫画で有名だ。「いぶき」のアイデアは13年、日本が空母を開発するとのうわさが飛び交っていた際にひらめいた。軍事衝突の中でいかに防衛的空母にするかを示し、紛争を防ぐための強さというメッセージを伝えたいと話している。
 かわぐち氏は「日本に手を出す、東シナ海に手を出すと自衛隊は黙っていませんよ、と中国に伝えたいと思う」と述べた。同氏の父親は戦時中、掃海艇に乗艇していた。
 「いぶき」人気については、日本が過去の蛮行を繰り返すことなく軍事衝突に勝てるという、武力行使に対する抵抗感を払拭(ふっしょく)するメッセージを反映しているとの声もある。作品では日本の護衛艦艦長が、「いぶき」は大日本帝国海軍の復活だと見られかねないとの懸念を示し、日本は専守防衛を厳格に守っていると強調している。

かわぐちかいじ氏(東京、7月) PHOTO: BENJAMIN PARKS FOR THE WALL STREET JOURNAL
 戦争の記憶をテーマにした社会学を研究する立命館大学の福間良明教授は「歴史認識のくびきから放たれるという(効果もある)」と述べた。
 「いぶき」を読んだことのある54歳の男性エンジニア、小野内智さんは陸上自衛隊広報センターを見学後、「私は腰抜けなので、日本を絶対戦場にしてはいけないと思っている」と話した。
 空母の開発・運用、あるいは全通甲板のヘリコプター搭載護衛艦 4隻のうち1隻を空母に改修するには多額の費用がかかることから、日本が導入を思いとどまることも考えられる。米ランド研究所の日本の軍事専門家ジェフリー・ホーナン研究員によると、日本政府は無人航空機を選んだ方が支出に見合った価値を得られる可能性がある。
 日本が空母の計画を進めれば、「いぶき」の追い風になるかもしれない。小野寺五典防衛相は昨年現職に就任する前、この作品について、「 あまりにリアルで驚きました 」と述べたと伝えられている。
関連記事
【社説】日本のミサイル防衛強化、中国の自業自得(2017年12月21日掲載)
【寄稿】日本の産業セキュリティー強化は急務



[スレ主【赤かぶ】による初期非表示理由]:その他(アラシや工作員によくあるコメントはスレ主が処理可能)
場違い長文記事。

2. 2018年8月15日 22:46:35 : Elio0nEowE : h2RZrOIR1F8[-444] 報告
>>1. 2018年8月15日 22:06:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1312]
> 現在まで、かつての日米(英)戦争は、非合理的な陸軍が無謀な戦争をはじめたという認識が一般化している

現在は「憲法9条が日本の安全を守っている」という朝日新聞の非合理的な認識が一般化している。

> 決して狂信的な人たちではなく、むしろ合理的な人たちが「正しい情報があったはずなのに、なぜこのような選択をしたのか?」。

日本に対米戦争を決意させたのはF.D.ルーズベルト大統領だ、F.D.ルーズベルト大統領は日本と戦争したいと願った狂人だった、とハーバート・フーバー大統領は書いている[1]。

> この問いは、現代にも通じるのである。

非合理的な主張で多くの国民が騙されるという状況は、現代にも通じるのである。

[1] フーバー大統領の回想録『Freedom Betrayed(裏切られた自由)』
〜フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症
http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2275.html
本書には数多くの特筆すべき記述があります。たとえば、真珠湾攻撃にいたる日米関係について関係者の証言をまじえて分析し、日米戦争はルーズベルトの欺瞞に満ちた外交によって引き起こされた、と結論づけています。

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

3. 2018年8月15日 22:53:37 : Elio0nEowE : h2RZrOIR1F8[-446] 報告
>>2. 2018年8月15日 22:46:35 : Elio0nEowE : h2RZrOIR1F8[-444] 報告
> [18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

[18初期非表示理由]:的確なコメントは混乱した担当により全部処理

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

4. 2018年8月16日 00:47:58 : 4ImPab2nyM : PepI7W98esI[353] 報告

アベとかいう変な人は「不戦の誓い」しませんな。
「戦禍を二度と繰り返してはならない」は、真っ赤なウソ…、
改憲が参戦への意思表示だな。
お盆が過ぎた、自民党はいよいよアベ時雨となるか?。
5. 2018年8月16日 07:27:59 : Fk1Afnj2GA : Ko3XWGKCcCY[3] 報告
内閣が、明確に憲法を否定している状況を
見て見ぬ振りを続けている司法・行政・立法府構成員は

憲法違反を積極的に行っているに等しい人達の集まりだ。
ここに切り込む日刊ゲンダイは、さすがだ。

6. 2018年8月17日 19:32:22 : g0IDi09OCk : UQbDNUnByFU[60] 報告
やる気なし それならいっそ 出ぬが良し

原爆も 敵に言わせりゃ ブーメラン

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