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安倍内閣は豪雨災害で国民をタダ働きさせるな
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2018年7月24日 植草一秀の『知られざる真実』
政治の最大の仕事は財政活動である。
財政活動が政治そのものと言っても過言ではない。
財政とは、国民から資金を強制徴収して、これを財政支出として配分することである。
中央政府だけで歳出規模は240.5兆円にも達している(2016年度)。
2016年度の日本の名目GDPが539.4兆円だから、GDPの45%が中央政府を通じて流れていることになる。
地方政府を含めれば金額はさらに拡大する。
支出費目のうち、最大であるのが国債費の90.3兆円と社会保障関係費の88.3兆円で、国債の場合には、償還費用の大半は新たな国債の発行で賄っているから、数字は過大表示であるとも言える。
社会保障関係費の財源の最大のものは社会保険料収入であり、保険料で集めた資金が社会保障関係費として支出されている部分が多い。
それでも、一般的な政策支出が29.9兆円あり、これ以外に、地方自治体に交付する地方交付税が19.3兆円ある。
したがって、社会保障関係費以外に一般支出として約50兆円の支出が政府から行われている。
他方、2016年度の国税収入は55.5兆円であった。
この50兆円の財政支出の使い方と、55兆円の国税収入の調達の仕方を決めているのが政治の役割の最大のものである。
国会では各種法律が制定されるが、通常国会で真っ先に審議されるのは予算である。
収入を定める税法、支出を定める予算が、国会審議のなかでの比重も圧倒的に大きい。
財政活動こそ政治そのものとも言える。
このうち、55兆円の税収については、過去27年間に劇的な変化が生じている。
消費税が導入された1989年度の国税収入は約55兆円。
2016年度の国税収入規模とほぼ同額である。
この27年間に生じた変化は、
所得税の年額が4兆円減り、
法人税の年額が9兆円減った一方で、
消費税の年額が14兆円増えたことである。
消費税だけに、年額で14兆円もの増税が実行された。
法人税には年額で9兆円もの大減税が実施されてきた。
所得税にも年額で4兆円の減税が実施されたのである。
消費税は所得がゼロの国民にも税負担をかけるもの。
所得税の場合には年収300万円程度までは無税である。
所得の少ない人には税金を課さない。
なぜなら、生活が立ち行かなくなるからだ。
しかし、消費税は所得がゼロの市民、年金生活者からもむしり取る税金である。
この消費税を年額で14兆円も増税してきた。
他方で、法人税は年額で9兆円、所得税は年額で4兆円も減税してきたのだ。
緊急記者会見で豪雨災害の警告が気象庁から発せられた7月5日の夜に安倍首相や上川法務相など40名もの自民党議員が「赤坂自民亭」なる呑み会に興じていた。
NHKは安倍内閣の広報活動としてのオウム死刑囚死刑執行ニュース報道を優先して、災害特別報道体制を敷かなかった。
その結果として200名を超える犠牲者が発生した。
その水害復旧事業について、安倍内閣は日本の国民によるタダ働きを推進している。
「タダボラ」と称される無賃金のボランティア活動が全面推進されているのだ。
このような災害時にこそ、国民が納めた税金を使うべきではないか。
財政運営の根本姿勢が完全に歪んでいる。