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消費税率10%推進安倍政治が日本を破壊する
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2018年6月24日 植草一秀の『知られざる真実』
日本経済に変調の足音が忍び寄っている。
第2次安倍内閣が発足してから5年半の時間が経過する。
第2次安倍内閣は経済政策としてアベノミクスを掲げて、メディアがこれを宣伝したから、経済政策が成功したような印象が与えられているが、客観的な基準で判断すると、アベノミクスの評価は極めて低くならざるを得ない。
ものごとの見え方は見る角度によって変わるから、ある角度から見れば、アベノミクスが成功したとの評価も成り立つが、全体の評点は「不可」と言わざるを得ないのである。
総合点を決定する二つの重要指標は
実質経済成長率
と
実質賃金変化率
である。
第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率平均値は+1.3%で直前の民主党政権時代の成長率+1.8%を大幅に下回る。
労働者一人あたりの実質賃金は第2次安倍内閣発足後に約5%も減少した。
パッとしなかった民主党政権時代でも実質賃金は横ばいで推移した。
大多数の主権者の経済状況は、あのパッとしなかった民主党政権時代よりも、第2次安倍内閣発足後がはるかに悪いのである。
この事実を踏まえずにアベノミクスの評価をすることはできない。
第2次安倍内閣発足後に良くなったと言えるのは、
大企業の収益と株価
雇用者の数
だけである。
雇用者数は増えたが、一人あたりの実質賃金が5%も減った。
経済成長率は大幅に低下した。
つまり、経済の低迷が強まったなかで、減少した労働者所得を分け合う人数だけが増えたということなのだ。
だから、全体としてアベノミクスは成功したのではなく、失敗したとしか言えない。
他方で、大企業の収益は史上最高水準を更新してきた。
これを受けて株価が大幅に上昇した。
しかし、株価が表示される企業というのは日本全体で約4000社しかない。
日本の法人数は約400万社。
その上澄みの0.1%の企業の株価が上昇しただけなのだ。
つまり、大企業にとってのみ、アベノミクスは成功したと言えるが、大多数の主権者にとってのアベノミクスは大失敗と言わざるを得ないのである。
だが、2018年度は上場企業の収益も減益に転じる見通しになっている。
為替レートは全体として円安から円高に流れが転換し始めている。
景気の変化を端的に示す鉱工業生産指数、鉱工業在庫率指数の推移は、日本経済が微妙な曲がり角に位置していることを示している。
日本経済は景気後退の入り口に差し掛かっている可能性があるのだ。
2018年後半の最重要政策事項は2019年10月の消費税増税問題である。
消費税率の10%への引き上げを実行すれば、間違いなく日本経済は大崩落する。
安倍内閣は消費税再増税の方針を示している。
この政策判断が日本経済を崩落させてしまうことを主権者国民が認識しておかねばならない。
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