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6月 13, 2018 日々雑感(My impressions daily)
<安倍晋三首相は米朝首脳会談でトランプ米大統領が拉致問題を提起したことを受け、日朝首脳会談への意欲を重ねて示した。トランプ氏との「日米一致」を掲げてきただけに、非核化をめぐるあいまいな文書も評価せざるを得ない立場だが、日朝の対話は見通せない面もある。
首相は12日夕、シンガポールでトランプ氏の記者会見が続いている最中に、首相官邸で記者団の取材に応じた。「朝鮮半島の完全な非核化に向けた、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の意思を改めて文書の形で確認した。北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた一歩だと支持する」と語り、共同声明を高く評価した。さらに同日夜にトランプ氏と電話で約30分間協議し、米朝会談の説明を受け、今後の対応を協議した。
だが、首相が評価した共同声明には、肝心の非核化について、日本政府がこれまで主張してきた非核化の具体的な期限や「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)との文言はない。北朝鮮政策に携わってきた日本政府関係者からは「非核化が骨抜きになる」「ゼロ回答だ」と落胆する声が上がった。
日本政府は米朝首脳会談の現地にまで谷内(やち)正太郎・国家安全保障局長や外務省の金杉憲治アジア大洋州局長を送り込み、米側と北朝鮮の事前協議のすり合わせ作業に深く関わった。トランプ氏が安易な合意に流れないようクギを刺す狙いがあったが、もくろみ通りにはいかなかった>(以上「朝日新聞」より引用)
米朝会談は米国と北朝鮮の共通利益のための会談だ。決して日本の利益のための会談ではない、ということを事前に認識しておく必要があった。
しかし安倍氏は必要以上にトランプ氏に期待して「拉致被害者」を依頼し過ぎた。その結果として「非核化の経費は韓国と日本が持つ」などという言葉になったのだろう。
あるいは実際に安倍氏がトランプ氏と会談した際に、「拉致被害者に言及してくれたなら」という前提条件で、そうした言質を与えていたのかも知れない。安倍外交は決して日本の国益のためらならないとこのブログで批判して来たのに拘わらず、安倍氏は内政から逃げるかのように世界漫遊に呆けて国益を毀損している。
期限や方法が規定されない「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の文言もない「非核化」の経の割り勘をだけを日本に求められても困る。米国はICBM開発の破棄と開発施設の破壊だけで当面は充分だ。半島の非核化はむしろ韓国や日本の問題でしかない。米国からすれば遠い極東の有色人種の国家がどうなろうと知ったことではない。
更に言及すれば、北朝鮮の非核化は中国とロシアの問題だ。米国は昨日の曖昧な非核化の共同宣言で北朝鮮の機嫌を損ねず、これまで中国の独壇場だった北朝鮮の400兆円ともいわれる資源開発に割って入れば良いだけだ。
ことにふんだんに埋蔵されているとされるレア・メタルに関して、米国はシリコン・バレーを再び活性化させるためにも必要不可欠だ。もちろん新規電池開発にも必要不可欠だ。国家戦略として米国は北朝鮮を破壊しても良かったが、どう転ぶか分からない軍事介入よりも、むしろ現体制を維持しつつ米国本土攻撃兵器のICBMの脅威さえ排除できれば米国の利益実現へ向けて金正恩氏と手を組む方が確実だ。北朝鮮国民の困窮や人権問題なども米国の国益とは何ら関係ない。ただ金正恩体制を揺さぶる道具の一つでしかなかった、ということだ。
私はこうなるだろうと予測していた。私の「日々雑感」のバックナンバーを調べて頂ければ明らかになるはずだ。
日本の問題は日本政府が北朝鮮と会談するしかない。ただ安倍政府は既に北朝鮮当局から「調査」の上拉致被害者は存在していない、との結論を伝えられている。安倍氏で再び拉致問題に関して会談を開くことは金正恩氏にとって不都合だ。安倍氏を排除して、次の政権が話し合うしかない。
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