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6月 11, 2018
<福島県を訪問中の天皇、皇后両陛下は10日午前、いわき市から南相馬市まで車で移動する際、高速道路上で帰還困難地域を通過した。宮内庁侍従職によると、東京電力福島第一原発から5・8キロの地点で車の速度を緩め、車に同乗した皇宮警察の側衛官が両陛下に原発の位置関係を説明。雨で原発は見えなかったが、両陛下はじっとその方向を見つめていたという>(以上「朝日新聞」より引用)
来年五月に退位される天皇陛下は最後の福島県訪問となられたようだ。天皇皇后陛下が福一原発から5.8キロ地点を高速道路で通過される際、車の速度を落とされてその方角を見詰めておられたという。涙が出るような記事だ。
巨大地震とそれに続く大津波で原発の総電源が失われ、冷却装置が停止して原子炉がメルト・ダウンした。原発とはそうした危険性を伴う発電装置だということを事前に政府・東電は福島県民にキチンと説明していたのだろうか。
各地の原発建設に際して、電力会社は「全く問題はない、危険性も何重にも回避する手段が講じてあるから安全だ」と耳に胼胝ができるほど宣伝した。そして似非・文化人を駆使して「原発は明日のエネルギー」というデマゴーグを流した。
ある芸人にして映画監督は原発の耐震性の説明を受けて「それでは地震が来たら原発へ逃げ込めば安全ですね」と愚かなコメントを電力会社のパンフレットの会談記事に寄せていた。
しかし原発の仕組みの簡単な絵図を見ても一目瞭然だが、原子力発電とは原子炉の中に細管と呼ばれる細い管が無数に入っていて、核分裂エネルギーを細管の中に通している水を蒸気にして取り出し、済蒸気でタービンを回し発電する仕組みだ。
つまり放射能補防ぐための分厚い釣り鐘のような原子炉の中へ無数の細管が通していある。そうすれば地震発生時にいかなる現象が起きるか、少しでも物質の振動周期に造詣のある者なら簡単ら分かることだ。
つまり原子炉容器の振動周期と細管の振動周期は大きく異なる.そうするといかなる事態が起きるか、容易に想像出来るだろう。原子炉容器と細管の接合部分が破断する危険性が高いし、原子炉内部で細管どうしが振動で接触して破損する可能性が高い。実際に地震発生時、福一原発は総電源喪失によるメルト・ダウン以前から各種警報音がオペ・ルームに鳴り響いていたという。
日本各地の原発再稼働に動く連中は津波対策を以て再稼働の要件であるかのように議論をすり替えているが、津波が襲って来る以前に福一原発は壊れていたのではないか、という爆発の原因究明がまだ何も出来ていない、という事実をマスメディアも電力会社も政府も隠蔽している。
原発は悪だ、というの感情論ではない。原発は発電装置として致命的な欠陥があるから再稼働してはならないと私は考える。おそらく聡明な天皇陛下御夫妻もそう考えておられるのではないだろうか。だが政治に関与してはならないという「象徴天皇」のあり方から、天皇陛下はそうしたご発言を一切しておられない。しかし福一原発を見詰められた天皇陛下のご姿勢に、そうしたご意思を私は感じる。
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