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野党は森友加計疑惑徹底究明方針を貫け
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2018年5月28日 植草一秀の『知られざる真実』
大事なことはひとつの問題をおろそかにしないことである。
森友疑惑、加計疑惑が表面化して1年3ヵ月の時間が流れた。
この期に及んで、重大な事実がなお明らかにされている。
財務省の佐川宣寿元理財局長は、森友学園と財務省との交渉記録はすべて廃棄処分にしたと国会で明言していた。
ところが、膨大な交渉記録は存在し、そのコピーが1年3ヵ月の時間を経て、ようやく国会に提出された。
財務省は、交渉記録はすべて廃棄したと国会で説明する一方で、交渉記録の廃棄を省内で指示していた。
公文書毀棄罪に該当する事案である。
他方、財務省は決裁公文書を大規模に改ざんしていた。
14の公文書の300箇所以上を削除していた。
300箇所以上を削除した虚偽の公文書を新たに作成していたわけで、虚偽公文書作成の罪に問われる必要がある。
問題の発端は、時価10億円相当の国有地を森友学園に実質200万円で払い下げたことだ。
国有地の不正廉売は財政法第9条に違反する違法行為であり、国に損害を与えたことになるから刑法の背任罪に該当すると考えられる。
検察は重大な犯罪が遂行された疑いが濃厚になった時点で強制捜査に乗り出す必要があった。
罪証隠滅の恐れも高かった。
現に、財務省は森友学園との交渉記録の廃棄に突き進んでいた。
国会では1年以上にわたって森友疑惑、加計疑惑が最重要の問題であり続けた。
森友疑惑に関して安倍首相は、自分や妻がかかわっていたら、総理大臣も国会議員も辞めると明言した。
この発言を契機に、森友事案は政局問題と化したのである。
その主因は安倍晋三首相自身にある。
森友事案の中核に位置する人物は安倍昭恵氏である。
安倍昭恵氏は新設小学校の名誉校長に就任し、籠池氏からの相談を受けて公務員秘書の谷査恵子氏に指示して財務省と折衝させた。
その結果として国有地の激安払い下げが実現したのであり、これは、安部首相のいう「妻がかかわった」ことに他ならない。
だから、安倍昭恵氏の国会招致が必要なのである。
それを安倍首相が逃げ続けている。そのために、問題が収束せずに尾を引いている。
国民は、いつまでも森友、加計疑惑にばかり時間を要していることに食傷気味の感を抱き始めている。
それも無理からぬことだが、大事なのは、このときの対応なのだ。
だらだらと、この問題ばかりに時間を費やしているから、そろそろ、この問題から離れてはどうかとの意見が浮上する。
これが最悪の対応なのだ。
日本的な反応とも言えるが、ここで、あいまいな幕引きをするなら、それこそ、これまでの1年2ヵ月の時間が完全な「空費」となる。
ここまで時間をかけて論じてきた問題であるからこそ、明確な決着をつけることが大事なのだ。
加計疑惑では、安倍首相が加計学園の獣医学部新設意向を知った上で、国家戦略特区諮問会議での強引な獣医学部新設認可を強行したことが明らかになるなら、重大な汚職事案になる可能性が高い。
おろそかに処理できるような事案ではない。
安倍首相は、当初、加計学園の獣医学部新設計画を早い段階から知っていたと国会で答弁していたが、審議の途上で、突然、2017年1月に初めて知ったと、答弁を全面的に修正した。
しかし、2015年2月に加計学園の加計孝太郎理事長を面会し、獣医学部新設の意向を直接聞いていたことを示す証拠が明らかになった。
安倍首相と加計学園は、面会の事実を否定しているが、その否定に説得力はまったくない。
森友疑惑も加計疑惑もすでに「疑惑」の次元を超えて、濃厚な「容疑」の段階に移行している。
だからこそ、あいまいな決着で済ませてはならないのだ。
いつまでもこの問題ばかりに時間を費やすべきでないとの声は、安倍支持者から発せられている言葉であって、主権者全体の声とはまったく異なる。
日本の悪弊は、こうした事案を、あいまいに処理してしまうところにある。
しかし、その悪弊が、不正や不祥事を再発させる最大の原因になるのだ。
国会は、さまざまな雑音を排除して、森友疑惑と加計疑惑の完全解明を、責任をもって完遂するべきである。
安倍昭恵氏の国会招致を必ず実現しなければならない。
あいまいなまま幕引きを図ることを国会自体が絶対に許すべきでない。
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