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仰天!超エリートが研究者を断念、落語家の道を選択!
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2018/05/20 21:02 半歩前へ
▼仰天!超エリートが研究者を断念、落語家の道を選択!
東大の頂点は法学部と思うだろうが、その上があった。教養学部である。将来、研究者を目指す学生たちの学部である。そんなエリート中のエリート、しかも大学院まで出た若者が噺家になった。
昨年秋に研究者の道を断念したと聞き、仰天した私は何度も思い直すよう説得した。だが、彼の志は変わらず落語家への道を選択、既にプロの噺家に弟子入りまでしていた。
「なぜ? どうして? そんなもったいない」と私は、我がことのように悔やんだ。
彼との出会いは学生落語会だった。私は定年退職後、道楽で落語を習い、社会人噺家集団を結成して、ボランティアで出前寄席をやっている。だが、出演者が年配者ばかりだと、マンネリ化する。新風を吹き込もうと各大学の落語会に顔を出し、有望な人材のスカウトに努めた。
そんな中の一人が彼だった。噺がすこぶる上手なうえに雰囲気が明るい。父親がロシア人というだけあって抜群のイケメン。聞くと東大教養学部の大学院生。驚きまくった。
「ぜひ私が主催する落語会の出てほしい」と私。ただし、ボランティアでやっているので出演料は出せないと伝えた。「いいですよ」と彼。「年内は論文の仕上げで無理なので年が明けてならOK」と言ってくれた。私に異論があるはずがない。
その時を待に待った。今年初めに電話したところ、「出演できなくなった」と言った。わけを聞くと「本職の噺家に弟子入りしたので、師匠から素人の会には出るな」とくぎを刺されたと言う。ガッカリだ。
それから出演問題はそっちのけで私の説得が始まった。「学者の道に進め。落語は道楽でやればいい」と促したが、「もう、決めました」と彼。両親に話したのかと聞くと、「自分が決めた道に進め。だが、後で泣き言は言うな」と父親。
なぜ、研究者を断念したかについて彼は言った。「将来が見通せない」と彼。安倍政権になって基礎研究費をドンドン削減。大学には独立採算を促し、すぐ成果が出る分野に力点を置いた予算配分をし始めた。その上に少子化で研究者を取り巻く環境はますます厳しくなる。彼の頭にはそんなことが交差したのではないか。
「だったらほかの道があるだろう。キミならいくらでも道が開ける」と言って説得したが、「自分が決めた道を歩みたい」と彼は言った。
朝日新聞にこんな記事が出ていた。大学のスリム化で非常勤が増え続け大学によっては教員の7割が非常勤。年収も掛け持ちでやっと300万円に届くかどうかだそうだ。
水町勇一郎・東京大教授の話 少子化や予算削減が進む中で教員定数の管理が厳しくなり、大学は常勤教員を減らさなければならず、少人数教育などを進めようとすれば、非常勤に頼らざるを得ない。ずっと非常勤のままという人も増えており、雇い止めで非常勤や任期付き教員が職を失うこともある。研究・教育の安定のためにも、できる限り無期雇用への転換を図るべきだ。
金子元久・筑波大特命教授の話 非常勤教員と任期付き教員という「流動型」の大学教員が増え、その多くは若手教員だ。大学教員のキャリアの不透明さが大学院進学者の減少につながっているという指摘もあり、教員のキャリアの安定化が急務だ。一方で、仕事の評価もなく、70歳まで年功序列で給料が上がる大規模私大の専任教員も多く、二極化が組織の硬直化を生んでいる。
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