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野党に聞かせたい「安倍首相の存在自体が悪」という名セルフ
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2018-05-19 天木直人のブログ
ここまで国民の信頼を失っているというのに、どうやら安倍首相は開き直って6月末の国会閉会まで外交に逃げ込みそうだ。
それもこれも、野党の追及が弱すぎるからだ。
野党は、せめてこれぐらいの啖呵を、国民が見ている予算委員会で、安倍首相に向かって切ったらどうか。
安倍首相は怒り心頭で狼狽するに違いない。
あるいは自信喪失して仮病に逃げ込むかもしれない。
きょう5月19日の朝日新聞「政治季評」で、早稲田大学政治学教授の豊永郁子(とよながいくこ)さんが書いていた。
安倍首相は辞める必要がある。一連の問題における「関与」がなくともだと。
忖度されるリーダーはそれだけで辞任に値するからだと。
すなわち、あるリーダーの周辺に忖度が起こるとき、彼はもはや国家と社会、個人にとって危険な存在なのであると、豊永さんは言い切っている。
安倍首相の意向を忖度することが安倍政権の統治の下でのルールとなってしまった以上、忖度は止まず、不祥事も続くだろう。
だから安倍首相が辞めるしか問題は解決しない。
そう豊永さんは言っているのだ。
その通りではないか。
もはやそれ以上の言葉は不要だ。
安倍首相の存在自体が国と社会と個人にとって悪なのである。
野党は残された国会審議の中で、そう啖呵を切って内閣不信任案を提出し、安倍首相が解散・総選挙を言い出す前に、野党の方から安倍首相を解散・総選挙に追い込むのだ。
世論を信じ、世論に安倍首相をボイコットさせるのだ。
野党のその気迫があれば、国民もまた、豊永郁子教授の言う通り、まともな判断を下すだろう。
安倍首相の存在そのものが悪だと。
さっさと目の前から消えてもらいたいと声を上げるに違いない(了)
(政治季評)忖度を生むリーダー 辞めぬ限り混乱は続く 豊永郁子
https://www.asahi.com/articles/DA3S13500572.html
2018年5月19日05時00分 朝日新聞 後段文字起こし
アイヒマンというナチスの官僚をご存じだろうか。ユダヤ人を絶滅収容所に大量輸送する任に当たり、戦後十数年の南米などでの潜伏生活の後、エルサレムで裁判にかけられ、死刑となった。この裁判を傍聴した哲学者のハンナ・アーレントは「エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」を執筆し、大量殺戮(さつりく)がいかに起こったかを分析した。
前国税庁長官・財務省理財局長の佐川宣寿氏の証人喚問を見ていて、そのアイヒマンを思い出した。当時、佐川氏ら官僚たちの行動の説明として「忖度(そんたく)」という耳慣れない言葉が脚光を浴びていた。他人の内心を推し量ること、その意図を酌んで行動することを意味する。私はふと、アーレントがこの日本語を知っていたらアイヒマンの行動を説明する苦労を少しは省けたのではないかと考えた。国会で首相の指示の有無を問いつめられる佐川氏の姿が、法廷でヒトラーの命令の有無を問われるアイヒマンに重なったのである。
◇
森友学園問題――国有地が森友学園に破格の安値で払い下げられた件、さらに財務省がこの払い下げに関する公文書を改ざんした件――については、官僚たちが首相の意向を忖度して行動したという見方が有力になっている。国会で最大の争点となった首相ないし首相夫人からの財務省への指示があったかどうかは不明のままだ。
アイヒマン裁判でも、アイヒマンにヒトラーからの命令があったかどうかが大きな争点となった。アイヒマンがヒトラーの意志を法とみなし、これを粛々と、ときに喜々として遂行していたことは確かだ。しかし大量虐殺について、ヒトラーの直接または間接の命令を受けていたのか、それが抗(あらが)えない命令だったのかなどは、どうもはっきりしない。
ナチスの高官や指揮官たちは、ニュルンベルク裁判でそうであったが、大量虐殺に関するヒトラーの命令の有無についてはそろって言葉を濁す。絶滅収容所での空前絶後の蛮行も、各地に展開した殺戮部隊による虐殺も、彼らのヒトラーの意志に対する忖度が起こしたということなのだろうか。命令ではなく忖度が残虐行為の起源だったのだろうか。
さて、他人の考えを推察してこれを実行する「忖度」による行為は、一見、忠誠心などを背景にした無私の行為と見える。しかしそうでないことは、ヒトラーへの絶対的忠誠の行動に、様々な個人的な思惑や欲望を潜ませたナチスの人々の例を見ればよくわかる。
冒頭で紹介したアーレントの著書は、副題が示唆するように、ユダヤ人虐殺が、関与した諸個人のいかにくだらない、ありふれた動機を推進力に展開したかを描き出す。出世欲、金銭欲、競争心、嫉妬、見栄(みえ)、ちょっとした意地の悪さ、復讐(ふくしゅう)心、各種の(ときに変質的な)欲望。「ヒトラーの意志」は、そうした人間的な諸動機の隠れ蓑(みの)となった。私欲のない謹厳な官吏を自任したアイヒマンも、昇進への強い執着を持ち、役得を大いに楽しんだという。
つまり、他人の意志を推察してこれを遂行する、そこに働くのは他人の意志だけではないということだ。忖度による行動には、忖度する側の利己的な思惑――小さな悪――がこっそり忍び込む。ナチスの関係者たちは残虐行為への関与について「ヒトラーの意志」を理由にするが、それは彼らの動機の全てではなかった。様々な小さなありふれた悪が「ヒトラーの意志」を隠れ蓑に働き、そうした小さな悪が積み上がり、巨大な悪のシステムが現実化した。それは忖度する側にも忖度される側にも全容の見えないシステムだったろう。
◇
このように森友学園問題に関して、ナチスに言及するのは大げさに聞こえるかもしれない。しかし、証人喚問を見ていると、官僚たちの違法行為も辞さぬ「忖度」は、国家のためという建前をちらつかせながらも個人的な昇進や経済的利得(将来の所得など)の計算に強く動機づけられているように感じられ、彼らはこの動機によってどんなリーダーのどんな意向をも忖度し、率先して行動するのだろうかと心配になった。また、今回の問題で、もし言われているように、ひとりの人間が国家に違法行為を強いられたために自殺したとすれば、そこに顔を覗(のぞ)かせているのは、犯罪国家に個人が従わされる全体主義の悪そのものではないか、この事態の禍々(まがまが)しさを官僚たちはわかっているのだろうか、と思った。
以上からは、次の結論も導かれる。安倍首相は辞める必要がある。一連の問題における「関与」がなくともだ。忖度されるリーダーはそれだけで辞任に値するからだ。
すなわち、あるリーダーの周辺に忖度が起こるとき、彼はもはや国家と社会、個人にとって危険な存在である。そうしたリーダーは一見強力に見えるが、忖度がもたらす混乱を収拾できない。さらにリーダーの意向を忖度する行動が、忖度する個人の小さな、しかし油断のならない悪を国家と社会に蔓延(はびこ)らせる。
すでに安倍氏の意向を忖度することは、安倍政権の統治の下での基本ルールとなった観がある。従って、忖度はやまず、不祥事も続くであろう。安倍氏が辞めない限りは。
◇
とよなが・いくこ 専門は政治学。早稲田大学教授。著書に「新版 サッチャリズムの世紀」「新保守主義の作用」。
本来は社説が言うべきことだが、オピニオン欄で豊永郁子教授『安倍首相は辞める必要がある。』と。https://t.co/XSF6AAIxjH pic.twitter.com/SUKLRlAESO
— 梁田貴之 (@YANADATakayuki) 2018年5月19日
あるリーダーの周辺に忖度が起こるとき、彼はもはや国家と社会、個人にとって危険な存在である。そうしたリーダーは一見強力に見えるが、忖度がもたらす混乱を収拾できない。
— Kaoruko S. (@soryu1937) 2018年5月18日
(政治季評)忖度を生むリーダー 辞めぬ限り混乱は続く 豊永郁子https://t.co/qNUti5zK9z
「国会で首相の指示の有無を問いつめられる佐川氏の姿が、法廷でヒトラーの命令の有無を問われるアイヒマンに重なった」そうな。 / “(政治季評)忖度を生むリーダー 辞めぬ限り混乱は続く 豊永郁子:朝日新聞デジタル” https://t.co/bIWGmbPLYu
— 三河人@いくじなし (@mikawa_1964) 2018年5月18日
まさしく正論!
— ノン (@non10204) 2018年5月18日
理路整然と安倍氏退場の必要性が書かれています!
これ以上、日本の社会を混乱させてはいけない!
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「忖度されるリーダーはそれだけで辞任に値する」は至言。
— 宮城タカオ (@takmyg0306) 2018年5月19日
忖度によって起こる不正や犯罪、犠牲者を止めることができないのならリーダーとして無能なだけでなく害悪でしかない。
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忖度されるリーダーはそれがもたらす混乱を収拾できない。組織と個人に悪を蔓延らせる。国家と社会、個人にとって危険な存在である。
— 宮城タカオ (@takmyg0306) 2018年5月18日
ナチス、アイヒマンを引きながら厳しく批判。
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豊永センセ、めっさ怒ってはる…(苦笑)
— 国難転生ロボ (@robo7c7c_2) 2018年5月18日
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— 三悔堂 (@san_kaido) 2018年5月18日
「忖度されるリーダーはそれだけで辞任に値する…(彼は)一見強力に見えるが,忖度がもたらす混乱を収拾できない。」「忖度する個人の小さな,しかし油断のならない悪を国家と社会に蔓延させる。」
私たちの眼前に広がる光景
「ひとりの人間が国家に違法行為を強いられたために自殺したとすれば…犯罪国家に個人が従わされる全体主義の悪そのものではないか…忖度はやまず、不祥事も続くであろう。安倍氏が辞めない限りは」明快です。 https://t.co/e6WusVy13w
— 竹田昌弘 (@TAKEDAmasahiro) 2018年5月19日
(政治季評)忖度を生むリーダー 辞めぬ限り混乱は続く 豊永郁子:朝日新聞デジタル https://t.co/Jh6DkAWH7r
— SingleCarb◎六四天安門事件 (@SingleCarb) 2018年5月19日
自分やその仲間が嫌う対象の揶揄に『ナチス』を使う人たちの心には、多分悪魔が住んでいると思う。
必読解説。 #森友学園
— nikku (@nikku817) 2018年5月19日
#加計学園
論理構成、事実認定基準。文章のわかりやすさ。補足するとアイヒマンは「上の指示。仕方なかった。真面目に職務を執行しただけ」を裁判でいい続けた。
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あるリーダーの周辺に忖度が起こるとき、彼はもはや国家と社会、個人にとって危険な存在である。そうしたリーダーは一見強力に見えるが、忖度がもたらす混乱を収拾できない。 https://t.co/emzBAbFtrE
— Jun Nagata (@nagata_jun) 2018年5月18日
豊永郁子先生の季評、紙面で読みました。アイヒマンに言及しながら「忖度による行動には、忖度する側の利己的な思惑―小さな悪―がこっそり忍び込む」との記述に納得。読みごたえある内容です。
— hiroyann (@hiro_n78) 2018年5月19日
(政治季評)忖度を生むリーダー 辞めぬ限り混乱は続く 豊永郁子:朝日新聞デジタルhttps://t.co/kBYesepmoy
「忖度」は忠誠心による無私の行為か…「そうでないことは、ヒトラーへの絶対的忠誠の行動に個人的な思惑や欲望を潜ませたナチスの人々を見ればよくわかる…小さなありふれた悪が『ヒトラーの意志』を隠れ蓑に働き、小さな悪が積み上がり、巨大な悪のシステムが現実化した」https://t.co/mZ0aL9nK7D
— 冨永 格(たぬちん) (@tanutinn) 2018年5月19日
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