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(回答先: 横田にオスプレイ 18日間未公表に怒り 住民「国は信用できない」(何故配備前倒し?) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2018 年 4 月 06 日 10:34:26)
部品落下で小学生が命の危機になろうと、粉々に「不時着」しようと、町中を避けたのだから感謝しろ、と言われるのみ。日本政府の低姿勢は、憲法を米製でけしからん、と毒づくのとあまりに対照的だ。
同じ敗戦国でも全く別の道をたどる国もあるというのに。
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沖縄県の最新報告書で判明した、日本と米軍「やっぱり異常な関係」 ドイツとイタリアと比較をしたら…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55127
布施 祐仁ジャーナリスト
日本と米軍の関係は異常だ――。何度も言われていることではあるが、3月27日に沖縄県が発表した「ドイツ・イタリアと米軍の関係(地位協定)」についての報告書で、改めて日本の「異常性」が明らかになった。ジャーナリスト・布施祐仁氏の特別レポート。
●ドイツと米軍の驚きの関係
「日米地位協定の下では日本国の独立は神話であると思いませんか」
――これは、沖縄県の翁長雄志知事が2016年5月に、首相官邸で安倍総理と菅官房長官に向かって語り掛けた言葉である。この直前、沖縄県うるま市で米軍属による女性暴行殺人事件が発生し、知事は日米両政府への抗議のために上京した。
沖縄県では、「日本は独立国と言えるのだろうか」と疑念を抱かざるを得ない現実が日常の中に存在している。
たとえば、昨年12月、普天間基地のある宜野湾市で米軍大型ヘリコプターから重さ約8キロの窓が小学校の校庭に落下する事故が発生した。米軍は事故後、「学校上空の飛行を最大限可能な限り避ける」との再発防止策を発表し、小野寺五典防衛大臣も「基本的には飛ばないと認識している」と説明したが、現実には事故後も米軍ヘリは何事もなかったかのように学校上空を飛んでいる。
2016年12月には、沖縄県名護市の東海岸に海兵隊の輸送機オスプレイが墜落した。沖縄県や名護市は、事故原因がはっきりするまでオスプレイの飛行停止を求めたが、米軍は一方的に“安全宣言”をして事故の6日後には飛行を再開した。
しかも、日本国内での墜落事故にもかかわらず、日本側は事故の調査にはいっさい関与できなかった。墜落直後から海上保安庁が航空危険行為処罰法違反容疑で捜査に着手したが、米軍側が現場検証を行うことを認めず、「物証」となる機体の残骸を一方的に撤去してしまったのである。
日本で起きた事故なのに、日本側で捜査もできなければ原因究明にも関与できない。地元の自治体が原因が明らかになるまで飛行停止を要請しても、米軍はそんなことお構いなしに飛行を再開する。昨年8月に普天間基地所属のオスプレイがオーストラリアで墜落した際には、日本政府が日本国内での飛行自粛を要請したが、その翌日から米軍はオスプレイを飛ばした。
「日本の独立は神話」という翁長知事の言葉は、日米地位協定の下で実際に起きているこうした事実の一つひとつを見れば、けっして大げさではないことがわかる。
このように日米地位協定の下で「治外法権」のようになっている現状について、外務省は次のように説明してきた(外務省ホームページから引用)。
「一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、日本に駐留する米軍についても同様です」
「日米地位協定が他の地位協定に比べて不利になっているということはありません」
自国に駐留する外国軍隊に自国の法律が適用されないのは「一般国際法上」のルールだから、日本だけが特別ではないと説明しているのである。
はたして、これは本当なのか?
私は昨年、伊勢崎賢治さん(東京外国語大学教授)と一緒に、この外務省の説明について「ファクト・チェック」を試みた(その結果は『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』という本にまとめた)。
様々な観点から日米地位協定と他国の地位協定をその運用実態も含めて比較してみたが、外務省の説明はどう考えても「フェイク」としか思えなかった。米軍は世界中に基地を置いているが、日本ほど地位協定で主権を放棄している国はないのではないか――それが、比較検討の末、私たちが達した結論であった。
このことを、さらに豊富なファクトで裏付ける報告書が、3月27日、沖縄県から発表された。
在日米軍基地(専用施設)の約7割が集中する沖縄県は、言うまでもなく、日本に不利な日米地位協定の被害を最も受けてきた県である。だからこそ、これまで米軍による事件・事故が起こるたびに、日米両政府に対して地位協定改定を求めてきた。昨年9月には、独自の日米地位協定改定案を17年ぶりに更新した。
日米地位協定改定を実現するには、国民世論を高める必要がある。そのためには「わが国の地位協定がいかに他国と比べて不利なのかをつまびらかにすることが重要だ」(謝花喜一郎知事公室長=当時)として、沖縄県は昨年12月、ドイツとイタリアにおける地位協定の運用実態調査に着手した。
文献調査を行った上で(拙著『主権なき平和国家』も参考にしていただいた)、今年2月初めには、知事公室の職員3人を両国に派遣して現地調査を行った。今回公表された報告書は、その「中間報告」である。(http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/chuukan.html)
一読して、私は衝撃を受けた。
ドイツには、欧州最大の米空軍基地であるラムシュタイン基地があるが、沖縄県の調査チームは同基地のあるラムシュタイン・ミーゼンバッハ市の市長にインタビューを行っている。私が特に驚いたのは、市長には同基地にいつでも立ち入ることのできる「パス」が発給されているということだ。
●日本と180度違う
ドイツの地位協定(NATO地位協定の補足協定)には米軍基地へのドイツ側の立ち入り権が明記されているが、あらかじめ「パス」まで発給されているとは思いもしなかった。日本では、米軍基地が発生源の環境汚染が起こった場合などの基地への立ち入りは、権利ではなく、あくまで日本側の要請に対して米側が応じた場合に限られる。
実際、環境省が全国の米軍基地で実施している環境調査で、米軍の同意が得られないことを理由に2014年度から基地内への立ち入り調査ができなくなっている。
また、ラムシュタイン基地では、夜10時から朝の6時までの飛行が制限されている。これは、ドイツの航空法が米軍にも適用されていることによるものだという。日本でも、基地ごとに「騒音防止協定」が結ばれ深夜・早朝の飛行が制限されているが、法的拘束力はないため、ほとんど守られていないのが実情だ。
沖縄県の調査チームは、ドイツ連邦政府の航空管制当局や航空保安当局にもインタビューを行っている。これらによれば、米軍機のあらゆる訓練は「ドイツのルールに従った訓練であることが条件」だという。米軍は、ドイツ航空法とドイツ軍の規則に従って訓練を行う。
米軍が飛行訓練を行う場合には、前日までにドイツの航空管制当局に空域の予約をする必要があり(つまりドイツ側の許可を要するということ)、ドイツの航空管制当局は民間航空を第一に考えて調整するという。日本では、米軍機に航空法が適用されないばかりか、空域の調整においても米軍優先となっており、ドイツとは180度違う。
インタビューに応じた「ドイツ航空管制(DFS)」の安全・保安・軍事部門管理者のオスマン・サーファン氏は「ヨーロッパの空は非常に混雑しており、米軍がやりたいように訓練ができる状況ではない」と語っている。日本の空も非常に混雑しているが、米軍がやりたいように訓練ができる状況だ。
米軍機の墜落事故後の対応も、日本とはまるで違う。2011年4月に米軍のA10戦闘機が墜落したラウフェルト町の町長の話によれば、事故現場には規制線が張られたが、町長は問題なく立ち入ることができたという。2016年12月に名護市でオスプレイが墜落した時には、同市の市長は米軍が許可しないことを理由に規制線内部への立ち入りを拒否された。
追い返された当時の稲嶺進市長は「今度はアメリカのパスポートを取ってから来よう」と皮肉交じりに不満を漏らしたが、ドイツではこんなことは起こらないのである。
さらに、ドイツでは、墜落事故の調査委員会にドイツ軍も参加し、米軍と共同で原因究明を行う決まりになっている。2011年の事故では、環境汚染の調査はドイツ側で行ったが、その費用は米軍が負担した。日本では、自衛隊が調査委員会に加わることはなく、米側の調査結果を一方的に報告されるだけ。環境汚染があった場合の調査費用も原状回復のための費用もすべて日本持ちだ。
とにかく、すべてが日本とは正反対である。これでどうして、日米地位協定は不利ではないと言えるのだろうか。
●「遵守」と「尊重」
沖縄県の調査チームは、イタリアでは、1998年に発生した米軍機によるロープウェー切断事故の対応に当たった当時の関係者にインタビューを行っている。この事故では、低空飛行を行っていた米軍機がロープウェーのケーブルを切断し、ゴンドラが落下。オペレーターと乗客20人が全員死亡した。
事故後、アメリカとイタリア両政府は米軍機の飛行訓練に関する合同委員会を立ち上げ、規制を大幅に強化することで合意した。これにより、米軍はイタリア国内で低空飛行訓練がほとんどできなくなった。
アメリカは最後まで、低空飛行訓練の規制強化には抵抗した。しかし、合同委員会のイタリア側代表を務めたイタリア空軍のレオナルド・トリカルコ氏は、ペンタゴン(米国防総省)で米側に「これは取引や協議でもない。米軍の飛行機が飛ぶのはイタリアの空だ。私が規則を決め、あなた方は従うのみだ。さあ、署名を」と迫ったという(「琉球新報」2017年11月19日)。
今回、沖縄県の調査チームはこのトリカルコ氏にもインタビューしている。同氏は「米軍の活動にはイタリアの国会で作った法律をすべて適用させる。外国の人間がその国に入れば、その国の法律に従う。それが個人であろうが国であろうが、その合意がなければ法律は無秩序になる」と語っている。
イタリアの地位協定(「モデル実務取り決め」)は、「すべての訓練と作戦に関する計画と実施は、イタリアの法律を遵守しなければならない」と明記している。一方、日米地位協定では「遵守」ではなく「尊重」の義務しか課していない。
このように、ドイツとイタリアの地位協定の条文とその運用は、その国の領域内にある限り、国籍に関係なくその国の法律の適用を受けるという「属地主義」が大原則となっているのである。
しかし、日米地位協定はそれと正反対で、米軍には日本の国内法が適用されないという考え方が原則になっている。外務省は、それが「一般国際法上」の原則だと国民に説明しているのだ。これが事実ならば、ドイツやイタリアの地位協定は、この「一般国際法」から外れていることになる。日本政府があくまでそう主張するのであれば、「一般国際法上」というその根拠を示すべきだ。
本来なら政府がやるべき
イタリアで米軍機によるロープウェー切断事故の対応に当たったランベルト・ディーニ氏(当時、外務大臣。その後、首相)は、沖縄県の調査チームのインタビューに次のように語っている。
「米軍基地があるのは日本だけではないが、インターナショナルな見直しを進めていかないと、日米関係だけが奇異な関係になってしまう。米国の言うことを聞いているお友達は日本だけだ。世界の状況を見れば、アメリカが日本を必要としていることは明らかなのだから、そこをうまく利用して立ち回るべきだ」
ディーニ氏の率直な指摘と助言は、日本にとって辛辣ではあるが、非常に示唆に富んでいる。これには、「言いなりになることは本当の友人ではない」というメッセージが込められていると思う。
また、日本では「アメリカに守ってもらっているので多少不利な地位協定はやむを得ない」といった認識がまだまだ根強いが、ディーニ氏から見れば、むしろアメリカの方が日本を必要としているのだから、それをうまく利用してアメリカと交渉したらどうかという助言である。これについては、私もまったく同意見である。
沖縄県は今後、ドイツやイタリア以外の地位協定の調査も進めるとともに、日米地位協定の改定に向けて国民的な議論を喚起するために、「地位協定ポータルサイト」を立ち上げて調査の成果を公開していく方針だという。
しかし、これは本来、日本政府がやるべきことだと私は思う。日本以外の米軍駐留国での地位協定の実情を国民に知らせ、改定を求める世論を喚起し、その世論を背景にアメリカとねばり強く交渉し、少しでも日本の主権が確保されるようにもっていくのが日本政府の仕事ではないか。
●海苔弁文書
実は、外務省もこれまでたびたび、他国の地位協定の調査を行っている。私はそれらの報告書を情報公開請求したが、開示された文書を見て驚いた。
なんと、タイトル以外は全て黒塗り、いわゆる「海苔弁」状態だったのである。
*画像:黒塗りすぎる文書 http://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/8/3/83771_1413_5e97eb8a_91e5450c.jpg
なぜ、他国の地位協定の実情を秘密にしなければならないのか。おそらく、公表すると、「一般国際法上、外国軍隊には国内法は適用されない」「日米地位協定は他の地位協定と比べて不利ではない」という日本政府の主張が崩れるから秘密にしているのだろう。
だが、河野太郎外務大臣には、2000年代初めに自民党の日米地位協定の改定を求める議員連盟の幹事長を務め、改定案をまとめた過去がある。
当時、河野氏は「平時には、米軍人は皆きちんと日本の法律に従ってもらいます、ということをちゃんとやらなければいけない」と発言している。実際、議員連盟がまとめた改定案も、この考え方を基本にしている。
3月20日の衆議院安全保障委員会で、元沖縄防衛局長で昨年の総選挙で希望の党から国会議員になった井上一徳氏が河野氏に、当時の改定案について外務大臣としてどう思うかを尋ねたところ、「なかなか案としてはいい案なんではないかと思っている」と答えた。
であれば、まずは、外務省が過去に行った他国の地位協定の調査結果を公表するところから始めてみてはいかがだろうか。
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