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「辺野古訴訟判決 移設への影響は」(時論公論)
2018年03月14日 (水)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/292194.html
西川 龍一 解説委員
安達 宜正 解説委員
【西川】
沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設に向けた埋め立て工事をめぐって、沖縄県が国に対し工事の中止を求めた裁判で、那覇地方裁判所は、県の訴えを退けました。沖縄県の翁長知事は控訴する考えですが、国は工事を進める方針で、秋に自身の選挙を控え厳しい立場に立たされることなります。政治担当の安達解説委員とともに考えます。
西川】
今回の裁判は、国が沖縄県を訴えた裁判で、県の敗訴が確定したあと、逆に県が国を訴えた、いわば辺野古訴訟第2幕です。国が去年4月、事実上の埋め立てとなる護岸工事を始めたのに対し、県の許可を得ないまま岩礁を壊す工事を行うのは違法だとして起こしました。那覇地方裁判所は、13日「県の訴えは法律上の争いとして裁判の対象にならない」などとして県の訴えを「門前払い」の形で退ける判決を言い渡しました。安達さん、この判決、政府はどう受け止めていますか?
【安達】
政府は勝訴を想定していたと言っていいと思います。といいますのも、すでにおととし12月の最高裁判決。沖縄県が埋め立て承認を取り消したことをめぐる裁判で政府側が勝訴し、決着済みという立場だったからです。菅官房長官は「わが国は法治国家であり、司法判断に従う」と述べています。現在、辺野古沖では移設に向けた護岸工事が進められていますが、夏ごろまでには移設予定地の埋め立て工事を始める計画です。判決が工事を進めるうえでの追い風になることは確かでしょう。
【西川】
普天間基地の辺野古移設をめぐっては、国と沖縄県は双方が訴え合うなど、この3年間でほかにも4つの裁判で争いました。裁判では和解が成立したり、最高裁判所で県の敗訴が確定したりと、これまでも県側の主張が認められることはありませんでした。県にしてみれば、司法の場では移設計画を阻止するための有効な一手を打ち出せないままだったわけです。
判決について、沖縄県の翁長知事は、訪問先のワシントンで「最大の問題点に関する審理がまったくなされないまま却下という判断が示されたのは残念だ。納得できず控訴したい」と述べました。
翁長知事にしてみれば、これまで言ってきた通り、辺野古移設を阻止するため、あらゆる手段を尽くす方針は変わらないということです。しかし、ともに辺野古移設反対を強く掲げていた地元名護市の稲嶺前市長が先月初めの市長選挙で敗れたことに続く痛手であることは間違いありません。
【安達】
翁長さんに近い陣営の幹部を取材しても、残された手段は埋め立て承認の撤回という声が強くなっている感じがしますが、西川さんはどう思われますか。
【西川】
前知事が行った辺野古の埋め立て承認を「撤回」して工事を白紙に戻すことか、移設の是非を問う県民投票を行って県民の意思を示すことです。ただ、いずれも実施には高いハードルがあることや実効性があるのかという声もあります。
一方、名護市では、政権与党などの推薦を受けて初当選した渡具知新市長が就任して1か月となります。渡具知市長は、辺野古移設の是非について、選挙後も態度を明らかにしていませんが、安達さん、名護市への政府の対応は、ずいぶん変わったようですね?
【安達】
当選直後に安倍総理が渡具知市長と直接、会談。渡具知氏の選挙公約、経済振興などに全面的に協力する姿勢を示しました。そして、防衛省の辰巳審議官が名護市を訪れ、工事の進捗状況を説明。政府は辺野古移設を受け入れの決断を促したいという思惑があることは確かです。また、いわゆる再編交付金です。政府は名護市に対して、平成20年から3年間でおよそ18億円を支給していましたが、辺野古移設受け入れに反対したため、現在はありません。渡具知さんが受け入れに前向きな姿勢を示せば、再開する方向です。翁長県政を支える側から言えば、政府は基地と沖縄振興はリンクさせないと言いながらも、露骨なやり方だという批判もあります。
【西川】
渡具知市長は、普天間基地の辺野古移設については、国と県の裁判の行方を見守るとしていました。それだけに、今回の判決が決断に向けたターニングポイントの1つとの見方がありました。しかし、判決を受けて「県がどのような対応をとるのか引き続き注視していく必要がある」と述べるにとどめました。名護市では、移設受け入れの是非が前面に出て争われた過去の市長選挙などで激戦が繰り広げられてきた経緯があります。名護市民の民意が複雑なことは、渡具知市長もわかっているだけに、手のひらを返したように受入を表明することは難しいことも確かです。
辺野古の移設予定地では、裁判が続く中でも工事が進められてきました。現在あわせて5本の護岸工事に着手していて、最も外側の護岸だけで見ると、全体の2割ほどにあたる800メートルまで延びています。国はこのまま護岸工事を進め、夏頃には大量の土砂を海の中に投入する埋め立て工事に入る方針です。
【安達】
ただ、政府の側も移設に向けた確実な見通しがあるわけでもありません。例えば、政府が当時の仲井真知事に約束した、普天間基地の運用停止、来年2019年2月としていましたが、実現のメドはありません。政府部内からも「沖縄県が辺野古移設に協力していない現状では運用停止は難しい」という声も聞かれますが、それ以上にアメリカ側の理解が得られないというのが、本当のところではないでしょうか。
西川】
沖縄の人たちにしてみれば、最初に普天間基地の撤去があったのに、いつの間にか移設が条件とされたという思いが強いわけです。そのことは翁長知事も再三指摘していて、仮に辺野古移設が条件とした場合は、新しい基地ができるまで何年かかるかわからず、その間、普天間基地は固定化されたままだと批判しています。
その翁長知事は、今年12月に1期目の任期を迎えます。今回の判決は、その知事選挙にも大きな影響を与えると見られています。4年前、辺野古移設阻止を掲げ、前知事との選挙戦に圧勝した翁長知事は、2期目を目指すと見られていました。しかし、県内の市長選挙で翁長知事が支援する候補者が相次いで敗れたり、裁判闘争での手詰まり感が強まったりする中、翁長知事の求心力が低下している状況で、2期目を目指すことができるのかとの声も出始めています。安達さん、各党の動きはどうでしょう?
【安達】
国政与党の自民、公明両党は早急に候補者を決めたいとしています。ただ、自公の間に温度差があることも確かです。辺野古移設をめぐり、自民党は受け入れ容認ですが、公明党県本部は反対です。さらに海兵隊の県外移設を求めています。知事選に向けて、どのように調整していくのかも焦点です。
一方で国政野党。翁長知事に立候補を求める方針です。立憲民主党は党内に専門委員会を設置し、民主党時代の辺野古移設容認を見直すべきだという声が強くなっています。知事選に向け、共産党や社民党などとの連携も視野に入れています。辺野古移設の是非は知事選挙がまさに天王山になると思います。
【西川】
移設工事が進められる中で、沖縄では若者を中心に「どうせ基地はできてしまうのだから、国から見返りをもらった方がいい」という声があることも事実です。しかし翁長知事が誕生して以降、国政選挙で辺野古移設容認を高く掲げて当選した候補者は出ておらず、県民の多くが移設は容認できないという状況は変わっていません。沖縄に在日アメリカ軍基地が集中する状況とともに、国と県の対立も変わらない。沖縄に寄り添うという政府の言葉とは裏腹な状態が当面続くことになります。
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- 辺野古移設「一つの手段」 名護市長、県対応を引き続き注視(市民が納得するか、は市民が判断する⁇) 戦争とはこういう物 2018/3/15 23:57:00
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