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アマゾン盆地に点在する「小さな森」が1万年以上昔に農業が行われていた痕跡だと判明
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/973.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 15 日 10:58:13: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 人類最初のアメリカ到達は16,000年以上前であったことが判明 投稿者 中川隆 日時 2019 年 9 月 08 日 05:48:04)

2020年04月15日
アマゾン盆地に点在する「小さな森」が1万年以上昔に農業が行われていた痕跡だと判明
by Umberto Lombardo
https://gigazine.net/news/20200415-amazon-strange-forest-point-agriculture/


アマゾン川流域に広がるアマゾン盆地には、アマゾンと聞いて連想するような熱帯雨林だけでなく、草原地帯も存在します。そんなアマゾン盆地に位置するボリビア北部のモホスという地域には、草原地帯の中に点々と小島のような「森」が存在していることが知られており、研究者らはこの小さな森が「先史時代の人々が農業を行った痕跡」だという証拠を発見しました。

Early Holocene crop cultivation and landscape modification in Amazonia | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2162-7

Evidence of 10,000-Year-Old Crops Points to the Amazon as an Early Agricultural Hotspot
https://gizmodo.com/evidence-of-10-000-year-old-crops-points-to-the-amazon-1842749202

Strange Forest Patches Littering The Amazon Point to Agriculture 10,000 Years Ago
https://www.sciencealert.com/the-amazon-basin-was-an-ancient-agricultural-hotspot-10-000-year-old-evidence-says


アマゾン盆地南西部に位置するモホスの草原地帯にある小さな森は、森は周囲の地面と比較して数フィート(数十センチ〜数メートル)ほど高くなっており、合計で数千個以上も存在しています。研究者らはこの森が自然にできたものではなく、約1万年前に最終氷期が終わった後の完新世初期〜中期に暮らした人類の住居跡だと考えてきました。

by Umberto Lombardo

この小さな森の謎を解き明かすため、スイスやスペイン、イギリス、ボリビア、ブラジルの研究者らのチームは、合計で6643個もの小さな森をマッピングし、そのうち82の森から土壌を採取して堆積物の分析を行いました。その結果、堆積物の中からプラント・オパールと呼ばれる、植物内部に作られるシリカの粒子が発見されたそうです。

プラント・オパールは、植物が根から吸収したケイ酸が特定の細胞の細胞壁に蓄積し、細胞内に形成されたガラス質の細胞体です。プラント・オパールは植物ごとに特徴があるため、研究チームは土壌中のプラント・オパールを分析することで、土壌に含まれていた植物の種類を特定することができます。また、放射性炭素年代測定を用いることで、プラント・オパールが形成された年代を特定することも可能とのこと。

研究チームが合計30の森で採取された堆積物のプラント・オパールについて分析した結果、キャッサバやカボチャ、トウモロコシなどの栽培作物が含まれていたことが判明。また、年代測定からキャッサバは1万350年以上、カボチャは1万250年以上、トウモロコシも6850年以上も古いものであることも判明し、なんと1万年以上も昔からアマゾン盆地の草原地帯では、これらの作物が栽培されていた可能性が浮上しました。

by Thomas Quine

以前から考古学者や地理学者、生物学者らは、アマゾン南西部でかなり早い時期から作物の栽培が行われてきたと主張してきましたが、これまでこの地域で古くから農業が行われていたという証拠は見つかっていませんでした。しかし、今回の発見によって中国・中東・メソアメリカ・アンデス山脈の4つに加え、アマゾン南西部でもかなり初期から農業が行われてきた可能性が示されたとのこと。

今回の研究を受けて、ブラジル・サンパウロ大学の植物学・考古学者であるジェニファー・ワトリング氏は、「これはアマゾンと南米の考古学にとって非常に重要な貢献です」と指摘。キャッサバは遺伝子研究から8000〜1万年前に栽培され始めていたことが判明していましたが、カボチャも1万年以上昔から栽培されていたことは驚くべき発見だとワトリング氏は述べています。

エクセター大学の考古学教授で、研究チームの一員でもあるJosé Iriarte氏は、「私たちが見つけた証拠は、この地域の最も初期の入植者が単なる熱帯の狩猟採集民族だったわけではなく、作物を栽培していたことを示しています」とコメント。アマゾン南西部に住み始めた初期の人々が、草食動物や魚といった獲物に加えて、炭水化物を豊富に含む作物を食べていた可能性が高いと研究チームは主張しました。
https://gigazine.net/news/20200415-amazon-strange-forest-point-agriculture/  

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コメント
1. 中川隆[-12684] koaQ7Jey 2020年5月15日 06:10:54 : tLwJcHYXH2 : OUYvamRlUFBrZFU=[2] 報告
2020年05月15日
前期完新世アマゾン地域における作物栽培と景観改変
https://sicambre.at.webry.info/202005/article_22.html


 前期完新世アマゾン地域における作物栽培と景観改変に関する研究(Lombardo et al., 2020)が報道されました。植物栽培の開始は、人類史における最も重要な文化的移行の一つです。アマゾン川流域南西部は以前、栽培植物と野生近縁種の遺伝的類似性を示す分子マーカーに基づいて、植物の栽培化における初期の中心地だった、と提唱されました。しかし、アマゾン川流域南西部における初期の人類居住の実態や、この地域での植物栽培の歴史はほとんど明らかにされていません。

 この研究は、放射性炭素年代測定法を用いて、植物化石(植物の存在を示す丈夫なケイ酸体、プラント・オパール)を識別しました。その結果、ボリビアのモホス平原において、10250年前頃(以下、すべて較正年代)にカボチャの一種(Cucurbita sp.)が、10350年前頃にキャッサバの一種(Manihot sp.)が、6850年前にトウモロコシ(Zea mays)が栽培されていた、と明らかになりました。これらの植物が栽培されたのは、炭水化物が豊富かつ調理が容易だったから、と推測されています。

 この地域では、10850年前頃から居住者により新たな景観が作り出され始め、それが最終的に、高木がなく季節的に冠水するサバンナに点在する約4700の人工孤立林になった、と示されました。こうした孤立林は、前期完新世には盛り土と耕作が行なわれた森林中の開拓地でした。これらの知見は、モホス平原が初期の植物栽培のホットスポットであったことを裏づけるとともに、人類はアマゾン川流域に到達した時からずっと景観を大きく作り変えてきており、生息地の不均一性や種の保全に永続的な影響を与えてきた、と明らかにしています。

 この研究は、アマゾン川流域南西部が植物栽培の独自に始まった世界でも最初期の地域の一つだったかもしれない、と明らかにしました。また、アマゾン川流域南西部の最初期の住民が、到着からかなり早く植物栽培を始めた可能性も示されました。先コロンブス期のアメリカ大陸は、には広大な「手つかず」の自然が広がっており、先住民は自然と「共生」していた、というような見解を否定する知見が蓄積されつつあり、先コロンブス期アメリカ大陸は大規模に開発されており、その萌芽はすでに前期完新世にあった、と考えるのが妥当と思われます(関連記事)。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


人類学:前期完新世のアマゾン川流域における作物栽培と景観改変

人類学:アマゾン川流域で栽培されていた初期の作物

 ペルーやボリビアといったアマゾン川上流流域で景観が人間活動によって改変されてきたことは、古くから知られている。今回、高木がなく季節的に冠水するサバンナに点在する約4700の人工孤立林の一部について考古学的調査が行われ、そうした状況が印象的な形で示されている。こうした孤立林は、前期完新世には盛り土が行われ耕作が行われた森林中の開拓地であった。U Lombardoたちは、これらの孤立林の一部について炭素年代測定を行い、植物化石(植物の存在を示す丈夫なケイ酸体;プラント・オパール)を探した。その結果、ボリビアのモホス平原では、較正年代で約1万250年前にカボチャ類が、同約1万350年前にキャッサバ類が、同約6850年前にトウモロコシが栽培されていたことが明らかになった。


参考文献:
Lombardo U. et al.(2020): Early Holocene crop cultivation and landscape modification in Amazonia. Nature, 581, 7807, 190–193.
https://doi.org/10.1038/s41586-020-2162-7

https://sicambre.at.webry.info/202005/article_22.html

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