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(回答先: グリーグ 『ペールギュント ソルヴェイグの歌』 投稿者 中川隆 日時 2020 年 2 月 22 日 15:19:44)
グリーグ 『2つの悲しき旋律』
Willem Mengelberg - Grieg : 2 Elegiac Melodies (1931)
グリーグ:2つの悲しき旋律
1,Heart Aches 胸の痛み
2.The Lost Spring 過ぎた春
Concertgebouw Orch, Amsterdam, Recorded 6/3, 1931
transfer from Jpn Columbia, J-8002 (WAX-6140/1)
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Grieg : 2 Elegiac Melodies Op.34 - GSO/Jarvi
0.00 Heart Wounds
3.20 Last Spring
Gothenburg Symphony Orchestra
Neeme Järvi
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EDVARD GRIEG, 2 Elegiac melodies Op. 34: No.1. Sir Neville Marriner / ASMF
EDVARD GRIEG, 2 Elegiac melodies Op. 34: No.2 "Last Spring". ASMF. Old Cemetries ~ Gniezno
Sir Neville Marriner
Academy of St. Martin in the Fields
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2つの悲しき旋律 Op.34 1883
弦楽
12の旋律(Op.33)から2曲を編曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/グリーグの楽曲一覧
グリーグがノルウェーの詩人ヴィニエの詩によって書き上げた歌曲集の中の2曲[傷ついた心/最後の春]を弦楽アンサンブルに編曲した作品で、この編成のために書かれたロマンティックな名作の一つです。
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12 melodier til Digte af A.O. Vinje ヴィニエの詩による12の旋律 Den Saerde Op.33-3 傷心
http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S2341.htm
Den Saerde (1858)
詩: ヴィニエ (Aasmund Olavsson Vinje,1818-1870) ノルウェー
曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー
歌詞言語: ノルウェー語
Mitt hjarta har vore i livsens strid,
og mangt eit sår hev det fengi;
det låg sjukt og sårt i so mang ei rid,
men endå har det til denne tid
frå leiken med livet gjengi.
Men ær på ær etter sår på sår
der er på kvar einaste sida,
og upp dei brjota kvar evig vår,
når lauvet spretter og isen går
og gauken gjeler i lida.
Men blomar bløma i desse ær,
og blømande blom er tåret.
Det soleis også med jordi er:
når regn og dogg ho frå himlen fær,
so veksa blomar i såret.
私の心は人生の戦いの中にあり
たくさんの傷を受けている
病んで横たわり、苦しむことも数知れない
だがそれでも今まで続けている
人生の再生のための戦いを
けれど傷に傷を重ね、傷口の上の傷口が
体中に見えている
毎春、それはぱっくりと口を開けるのだ
葉が芽吹き、氷が割れ
そしてカッコウが丘でさえずるときに
傷口からは花が咲き
花盛りには涙があふれる
この大地も同じなのだ
雨や露が空から降り注ぐとき
花が傷口に咲き出でるのだ
もうひとつの「春」の方があまりに有名で影が薄いですが、この曲も弦楽合奏のための「2つの悲しい旋律」に取り上げられています。「春」と同じように長調のメロディなのですが聴いていての悲痛なことは類を見ず。こうして訳してみるとそれも納得できるような歌詞ですね。傷つき、ぼろぼろになった体から花が咲き出でて春になるというなかなかに凄まじい光景ですが、死と再生の物語としてほのかな希望を感じられなくもありません。
( 2009.09.01 藤井宏行 )
http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S2341.htm
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12 melodier til Digte af A.O. Vinje ヴィニエの詩による12の旋律
Våren Op.33-2 春(過ぎた春)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S147.htm
詩: ヴィニエ (Aasmund Olavsson Vinje,1818-1870) ノルウェー
Våren (1859)
曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー
歌詞言語: ノルウェー語
Enno ein Gong fekk eg Vetren å sjå for Våren å røma;
Heggen med Tre som der Blomar var på,Eg atter såg bløma.
Enno ein Gong fekk eg Isen å sjå frå Landet å fljota.
Snjoen å bråna og Fossen i Å at fyssa og brjota.
Graset det grøne eg enno ein Gong fekk skoda med Blomar;
Enno eg høyrde at Vårfuglen song mot Sol og mot Sumar.
Så giddren endå meg unntes å sjå på Vårbakken dansa,
Fivreld å fløksa og fjuka ifrå der Blomar seg kransa.
Alt dette Vårliv eg atter fekk sjå,som sidan eg miste.
Men eg er tungsam og spyrja meg må:Tru det er det siste?
Låt det so vera: eg mykje av Vent i Livet fekk njota;
Meire eg fekk,enn eg hadde fortent og Allting må trjota.
Eingong eg sjølv i den vårlege Eim,som mettar mit Auga,
Eingong eg der vil meg finna ein Heim og symjande lauga.
Alt det,som Våren imøte meg bar og blomen,eg plukka,
Federnes Ånder eg trudde det var,Som dansa og sukka.
Derfor eg fann millom Bjørkar og Bar i Våren ei Gåta;
Derfor det Ljod i den Fløyta eg skar,meg tyktes å gråta.
また再び冬が逃げ去り春に時を譲るのを私は見る
去年花で一杯だったサクランボの木も また花で一杯だ
また再び氷が消えて 大地が姿を現すのを見る
雪が溶けて滝のような水は ほとばしり流れる
緑に萌える草はまた再び 花と共に現れ出でて
また聞こえてくる春の鳥たちの声は 太陽に、そして夏に向かっていく
輝く光が再び春の丘で踊っているのを私は見る
蝶たちはひらひらと飛び交い花を揺らしている
私がこの春の息吹に見るのは長い間なくしていたもの
だが私は憂鬱に自分にこう問いかけるだろう「これで最後なのか?」
なるようになればいい、私はそれでも生命の息吹を感じるのだから
この春を味わいつくし そしてすべてが終わるのだ
一日中、春の香りに浸って わが目をうるおし
一日中くつろいで 春を体一杯に浴びる
春が私にもたらしてくれるのは 摘み取った一輪の花
祖先の魂が踊り、吐息をついている そんな風に思える
だから白樺ともみの木の間には 春には謎があり
私の削り出した笛の音は すすり泣くように訴えてくるのだ
弦楽合奏のための「2つの悲しい旋律」の一曲としてグリーグの作品の中でも有名な曲のひとつですが、元は歌曲です。
明るい春の息吹を感じながら、なぜか悲しい気持ちになるのは、人生の無常に思いを馳せているからでしょうか。旋律は決して短調にはならないのに、にじみ出てくる悲しさはとても深いものがあります。
日本人だと「桜散る」ときの感覚でしょうか。
歌は余韻を残しながら静かに終わります。
フォン・オッターの深みのある歌唱(DG)
バーバラ・ボニーの淡々とした味わい(Decca)、
アルネセンの清楚ななかに無垢な悲しみを湛えた歌(Naxos)
どれも素敵な春の贈り物です。
ピアノ伴奏でなく、弦楽合奏によるものも味わいが深くて良いです。これだと往年の大歌手、フラグスタートのものがありましたっけ。かなり歳を取ってからの録音なのでまさに人生の深みの味わいかと。
このスタイルの録音では、他に私はノルウエーのベテラン、レファースの入れたものが気に入っています。
(2004.05.16)
ノルウェー語を付け焼刃で勉強したので、過去の訳も見直そうということでこの「春」も手を付けてみたものの全く歯が立ちませんでした。といいますのも実はノルウェー語には大都市部を中心に9割近い国民によって話されているプークモール(リクスモール)というデンマーク語に近い言葉と、主として各地の方言を元に作られたニーノシュク(ランスモール)という言葉の2種類があり、この「春」は後者で書かれているのでした。ですから日本語で言えば標準語レベルの勉強を小学校1・2年レベルまでしかやっていない人間がいきなり津軽弁バリバリの民謡を訳そうとするようなものですから辞書を一所懸命引いても???となってしまうのは必然と言えましょう。
このヴィニエという詩人はこのニーノシュクで詩を書くことにこだわった人のようです。
このグリーグの付けた12曲に使われているのもこの言葉、たぶん他のヴィニエの曲にはもう手がでないだろうな、とすっかり怖気がついてしまっているところです。
更にまいってしまったのは、この詩、ネットで検索すると4連からなっているのですね。通常はこのうち最初と最後の連だけが歌われるのですが、まれに第3連が間に入って歌われることがあります(私の手持ちではロジェストヴェンスキー指揮ストックホルム響の伴奏にソプラノのクリンゲボルンが歌ったChandos盤がそうでした)。そこでこれを訳そうとしたら更に悩ましい状況になってしまいました。何しろ第3連に関しては原詩の字の綴りさえも出典によってまちまちなのでどれが正しいか分かりませんし、よしんば分かっても訳せません。ChandosのCDの英語や独語の対訳は手抜きでPeters版の楽譜の歌える訳詞を引っ張ってきているものですから、全然原詞と対応が取れていないのは素人目にも分かります。
ということで2重にも3重にもハンデを背負いながら、色々な情報も集めつつ何とか訳してみたのが上のものです。特に確かな情報が少ない真ん中の連はとんでもなく珍妙な訳になっている可能性が高いですが、私が苦労したのと同じように多くのノルウェー語のわからないグリーグ歌曲のファンの方は歌詞にこだわろうとすると同じように苦労されるところかと思いますので、ちょっとはお役に立てるかということでUPします。もっとノルウェー語に詳しい方の添削をぜひともお待ちしております。
( 2007.03.16 藤井宏行 )
http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S147.htm
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