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(回答先: チャップリン キッド The Kid (1921年) 投稿者 中川隆 日時 2019 年 2 月 24 日 12:42:42)
モダン・タイムス Modern Times
監督 チャールズ・チャップリン
脚本 チャールズ・チャップリン
音楽 チャールズ・チャップリン アルフレッド・ニューマン
撮影 ローランド・トザロー アイラ・モーガン
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 1936年2月5日
▲△▽▼
キャスト
工員:チャールズ・チャップリン
浮浪少女:ポーレット・ゴダード
キャバレーの主人:ヘンリー・バーグマン
工場の技師:チェスター・コンクリン
製鉄会社社長:アラン・ガルシア
ビッグ・ビル(チャップリンと同じ工場で働く工員、後にデパートの強盗):スタンレー・サンドフォード
強盗:ハンク・マン、ルイ・ナトー
少女の父:スタンリー・ブリストーン
工員と同房の服役囚:リチャード・アレクサンダー
牧師:セシル・レイノルズ
牧師夫人:マイラ・マッキニー
カフェーの給仕:フレッド・マラテスタ
タービンの交換手:サミー・スタイン
流れ作業の工員:チャールズ・コンクリン
流れ作業の職長:ウォルター・ジェームズ
工員:ボビー・ワーカー、C・ハミルトン、ジャック・ロン
囚人:フランク・モラン
少女の妹:グロリア・デ・ヘイヴン
造船会社の労働者:フランク・ハグニイ
警官:パット・ハーモン
医師:エドワード・キンボール
デパートの売り場主任:J・C・ニュージェント
ウエイター:ジョン・ランド
ストーリー
大きな製鉄工場で働くチャーリーは、スパナを手にひたすらベルトコンベアーを流れる部品にねじを回し続けるという単純作業を繰り返していた。その様子はテレビモニターで監視され、休む暇もなく働かされていた。ある日、チャーリーは労働者の食事時間を節約するために作られた自動給食マシーンの実験台にされ散々な目に合わされる。その後も仕事を続けていく内にチャーリーは発狂し、トラブルを起こして精神病院送りになってしまう。ようやく退院を迎えた日、トラックから落ちた赤旗を拾い運転手に返そうと追いかけていく内にいつの間にかデモ隊の先導をきってしまい、そのリーダーと間違われて捕まって拘置所に入れられてしまう。脱獄囚を撃退した功績で模範囚として放免され造船所の仕事を紹介されるものの、上手くいかず辞めてしまい、あてもなく街をうろつく生活に陥ってしまう。
拘置所が恋しくなったチャーリーはわざと無銭飲食をして捕まえられるが、護送車の中でパンを盗んだ浮浪少女(ポーレット・ゴダード)と出会う。護送車が急カーブで横転し、外へ投げ出されたチャーリーと少女は逃亡。少女と意気投合したチャーリーは、2人のために家を建てるという夢を胸に一念発起とばかり働き出す。デパートの夜回り、工場の技師の助手と仕事を獲得するものの結局上手くいかず、2件とも警察沙汰になるという不運な結果に終わってしまう。その後少女が勤め始めたキャバレー[3]のウェイターの職を得る。見世物の「ティティナ」を歌って大成功したが、少女の微罪のため、そこも追われてしまう。やっとの思いで手に入れた幸福すらも失い悲しみに打ちひしがれる少女を、チャーリーは力強く励ます。
そして、二人は未来に希望を見出し、現代社会の冷たさと束縛に囚われない自由な生活を求めて共に旅立っていくのだった。
音楽
ティティナ
前述した「ティティナ」は(YouTube「Projeto Abridor de Cabeças」では1:15:56から)、1917年にフランスの作曲家レオ・ダニデルフ(英語版)によって "Titine Je cherche après Titine" というタイトルで作曲され、本作で使用されて世界的に有名なメロディとなった。
スマイル
本作のラストシーンで印象的な「スマイル」は、チャップリンが作曲したもので、彼が作曲した音楽の中では特に有名である。喜劇映画にあってコード進行は暗い(ニ短調)。
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資本主義社会や機械文明を題材に取った作品で、労働者の個人の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を笑いで表現している。自動給食マシーンの実験台にされるシーンや、チャップリンが歯車に巻き込まれるシーン、ラストのチャップリンとヒロインが手をつないで道を歩いてゆくシーンなどが有名である。
この作品は前作の『街の灯』(1931年)に続いてのサウンド版で、一部にセリフが入る以外は音楽の伴奏と効果音のみによるサイレント映画となっている。また、チャップリンが初めてスクリーンで肉声を発した映画であり、キャバレーでインチキ外国語(一説にはフランス語風と言われる。また、「taxi」と聞き取れる部分がある)による「ティティーナ」を歌うシーンで、チャップリン自身の歌声を聴くことができる。自作の映画音楽も映像にのせており、前述の「ティティーナ」とラストシーンで印象的な「スマイル」を作曲し、その音楽的才能も開花させている(後述)。公開当時はすでにトーキー映画が普及していたため、この作品は「時代遅れ」と呼ばれて、あまり高い評価は得られなかった。
公私にわたるチャップリンのパートナーで、本作でヒロインを務めたポーレット・ゴダードは、チャップリンによる次作で反ナチス・ドイツ映画の『独裁者』(1940年)においてもチャップリンと共演している。他キーストン時代からチャップリンと共演しているチェスター・コンクリンが出演し、キーストン社時代に演じた「ウォルラス氏」の扮装で登場した。
本作はルネ・クレール監督作品『自由を我等に』と内容が酷似している(ベルトコンベアが走る流れ作業、それから起こるドタバタ騒ぎ、ラストの野原の直線道路を行く構図などが似ているといわれる)。そのため『自由を我等に』のドイツの製作会社・トビス社(Tobis Film)はチャップリンを著作権侵害で告訴しようとした。しかし、証人に立ったルネ・クレールは、「もし『モダン・タイムス』が自分の映画からヒントを得ているならば、光栄に思う」と証言したため、告訴は取り下げられている(1937年)。
しかし、第二次世界大戦後1947年にトビス社は再び訴えを起こし、それをうっとうしく思ったチャップリンサイドは、僅かばかりの支払いをした。ドイツの映画会社トビスによる(二度目の)訴えについて、チャップリンサイドは反ナチス・ドイツ映画『独裁者』への報復であろうと確信している[1]。チャップリンは『独裁者』で、チャップリンの友人コンラッド・ベルコヴィチから盗作訴訟を起こされた[2]。
作品は資本主義を批判していることから、作品を「共産主義的である」と非難した評論家もいたという。そのため当時ファシズム政権にあったドイツなどの国家では、作品が共産主義的であるとみなして、上映を禁止されていた。
日本では1938年2月に封切られており、同年度のキネマ旬報ベストテン第4位にランクインされている。
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評価
本作はチャップリンの作品の中でも特に傑作と呼ばれ、『黄金狂時代』『街の灯』『独裁者』と並ぶチャップリンの代表作と称される。
1989年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
ランキング
「映画史上最高の作品ベストテン」(英国映画協会発表)※10年毎に選出
1982年:「映画批評家が選ぶベストテン」第21位
1992年:「映画批評家が選ぶベストテン」第41位
1992年:「映画監督が選ぶベストテン」第6位
2002年:「映画批評家が選ぶベストテン」第40位
2012年:「映画批評家が選ぶベストテン」第63位
2012年:「映画監督が選ぶベストテン」第22位
「AFIアメリカ映画100年シリーズ」 1998年:「アメリカ映画ベスト100」第81位
2000年:「コメディ映画ベスト100」第33位
2007年:「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」第78位
2000年:「20世紀の映画リスト」(米『ヴィレッジ・ヴォイス』紙発表)第67位
2008年:「史上最高の映画100本」(仏『カイエ・デュ・シネマ』発表)第65位
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