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世界中で横行するネット世論操作 現政府支持への誘導と批判者の攻撃
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181207-00010000-php_s-bus_all
PHP Online 衆知 12/7(金) 11:53配信
すでにネット世論操作は産業化しているという
<<SNSを利用するうちに、知らず知らずのうちに思想が操作されている――世界各国でネットによる世論操作が行われていると指摘する『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』の著者である一田和樹氏。
本稿では、世界各国で横行するネット世論操作の目的やビジネス化する現状を、同書の一節から紹介する。>>
※本稿は一田和樹著『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)より、一部抜粋・編集したものです
ネット世論操作の4つのパターン
フェイクニュースを含むネット世論操作について整理したい。
ネット世論操作を整理する試みが、『政府の支援を受けたトロール(STATE-SPONSORED TROLLING)』(Carly Nyst, Nicholas Monaco, 2018年7月19日、INSTITUTE FOR THE FUTURE)で展開されている。これによればネット上での世論操作に対する政府の関わり方には四つのパターンがある。
・政府実行 政府自身あるいは関係組織がネット世論操作を実行する
・政府支持、調整 計画は政府が立てるが、指示と調整を行い、実行は外部にまかせる
・政府扇動、支援 政府が扇動してネット利用者が政府批判を行う個人や組織を攻撃し、世論操作を実現する。四つのパターンの中でもっとも危険
・政府承認、支援 政府が名指しして批判することで、攻撃してもよいという雰囲気を作る
ネット世論操作の基本の目的は国内の支配確立
アメリカ大統領選へのロシアの干渉で、フェイクニュースやネット世論操作を他国への攻撃に用いている印象を持った方も少なくないと思う。
しかし実際には多くのネット世論操作はまず第一に国内の安定を優先している。なぜなら同じ攻撃を他国から受ける可能性があるからだ。
ロシアもまず自国内のネット世論操作を徹底して行っている。その後で海外に手を伸ばした。ほとんどの国のネット世論操作部隊が主に国内を対象としているのもそのせいだ。2017年の資料によると中国、韓国、北朝鮮、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、ミャンマー、オーストリアなど、48カ国が現政権支持のネット世論操作を行っている。
そして、自国内を掌握するためには攻撃的な兵器であるネット世論操作に加えて監視の強化が不可欠となる。通信傍受(要するに盗聴)からSNSの監視までさまざまなチェックが行われている。
フェイクニュースを兵器として使うネット世論操作への対抗は難しい。もしかすると、もっとも有効な手段は自らネット世論操作を行うことかもしれない。ただし、それでは事実を共有して社会を運営することができなくなるのだが。
拡大するネット世論操作産業
世界で実施されているネット世論操作やその要素であるフェイクニュースはビジネスとして成立している。
似非民主主義の政府が資金と支援を提供し、金目当ての事業者や団体がフェイクニュースサイトやアカウントを運用、ボットネットとトロールを配備する。
政府や議員自らが差別や極端な政策を語り、メディアを規制する。そうした発言に寛容かつ肯定的な雰囲気を作り上げる。保守的傾向のある者が追随するあるいは、ネットでのせられた者が安易に追随する。
この仕組みがある程度動き出すと、なにも知らずに政府を支持、あるいは批判者を攻撃する発言がボットやトロールによって勝手に拡散され、アクセスも伸びるという現象が起こる。
サイトに広告を貼っていれば収入は増加する。味を占めて、同じ傾向の発言を繰り返すようになる。サイト運営者は誰がなんのために拡散しているかはあまり知らずに運営しているかもしれない。
その一方で政府自身が前出ネット世論操作4パターンにあった「政府扇動、支援」や「政府承認、支援」を行えば直接関係を持つことなく、国内に現政権を支持し、敵対する相手を攻撃してくれるサイトやアカウントが乱立するようになる。
これらのサイトやアカウントの言うことをまともに受け取って信じる人々も多数生まれる。このようにして、このエコシステムができあがると拡大を続け、それ以外の発言を押し流してゆくことになる。
たとえばインドネシアのサラセンというフェイクニュース・シンジケートはフェイスブックへの1回の投稿で7,500ドルを得ていたし、フィリピンでは2,600万ドルの政府予算と大統領の機密諜報費4,970万ドルが選挙期間中のネット世論操作にあてられた。日本の右派サイトとして有名な保守速報やアノニマスポストも広告収入を得ていた。
これらのことを考えると次のようなエコシステムが存在しているように思える。
・政府による「実行」 ボットやトロールの配置。政府もしくは関連組織(ネット世論操作の大本)がネット世論操作のためのボットやトロールを金で雇う。
・政府による「実行」もしくは委託した「外部」 フェイクニュースの流布。金で雇った人々がフェイクニュースを流し、拡散する。
・政府による「扇動、支援」と「承認、支援」 ネット世論操作を受け入れるように世論を誘導する。その結果として、草の根組織の増加。政府とは関係なく政府支持、敵対者批判などのサイトやアカウントが登場し、ボットやトロールがその内容を拡散し、広告収入を得られるようになる。その結果として間接的に政府が支援するサイトやアカウントが増加する。
これらと並行して既存メディアを無効化し、政府が掌握するメディアを浸透させる。海外に対して干渉する際は、そのためのメディアを作る。
ロシアの場合、世界に展開するRTとスプートニクというメディアがある他、対アメリカではニセの地方紙メディアを作っており、バルト三国でも同様にメディアを作っている。こうしたメディアを浸透させ、影響力を拡大する。
一田和樹(作家、元IT企業役員)
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