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(回答先: ヒトラーはユダヤ系少女と仲良しだった……写真競売に 投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 15 日 22:36:46)
米国のヘイトクライム、3年連続で増加=FBI
2018/11/14
BBC News
米連邦捜査局(FBI)は13日、2017年に米国で通報されたヘイトクライム(憎悪犯罪)の件数は前年比約17%増となり、3年連続で増加したと発表した。
FBIの犯罪統計によると、2017年に通報されたヘイトクライムは7175件だった。2016年のヘイトクライム件数は6121件だった。
最新統計は、全米1万6000カ所以上の捜査当局が、任意で報告した数字をまとめたもの。報告した当局の数が前年より約1000カ所増加しており、ヘイトクライムの通報件数が昨年から増加したのはこれが原因ではないかとFBIは話している。
報告書によると、黒人とユダヤ系米国人に対するヘイトクライムが特に増加した。
2017年に通報されたヘイトクライムのうち、アフリカ系米国人を標的にしたものは2013件、ユダヤ系米国人を狙ったものは938件だった。
マシュー・ウィテカー米司法長官代行は報告書を「対策要請」だとし、ヘイトクライムを「我々がアメリカ人として持つ核心的価値観に対する卑劣な侵害」と非難した。
報告書の内容
報告書によると、犯人が特定されたヘイトクライムの59.6%は、人種、民族、あるいは祖先に対する偏見が動機だった。
被害者の宗教が動機のヘイトクライムは全体の20.6%性的指向に対するヘイトクライムは15.8%だった。
FBIはヘイトクライムを「人種、宗教、障害、性的指向、民族、性、もしくは性自認について攻撃者が持つ偏見を、動機の全体あるいは一部とする、個人もしくは資産に向けられる犯罪行為」と定義している。
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2016年の米国でヘイトクライム増加 2年連続=FBI
2017年の統計では、通報されたヘイトクライムは7175件だった。また、関連する攻撃を含めると、合計で8437件のヘイトクライムが報告されている。
このうち約5000件が人間に対する脅迫もしくは暴力で、約3000件が器物破損や押し込み強盗を含む資産を対象にしたものだった。
シク教、ヒンドゥー教、アラブ人に対するヘイトクライムは、2015年以前には記録されていない。
ユダヤ系米国人に対するヘイトクライムは、2016年比で37%増と、目立った増加を見せた。
ユダヤ教は長い間、標的にされることが最も多い宗教となっており、ウィテカー司法長官代行も声明で言及した。
報告書の発表の約1カ月前には、ペンシルベニア州ピッツバーグのユダヤ教礼拝所(シナゴーグ)で銃乱射事件があり、礼拝していたユダヤ系米国人11人が殺害された。この事件はユダヤ教徒に対する犯罪として最も多くの死者を出した事件となった。容疑者はヘイトクライムに関する数十件の連邦法違反で訴追された。
アフリカ系米国人に対するヘイトクライムは2013件あり、前年から16%増加した。
ムスリム(イスラム教徒)の個人を標的としたヘイトクライムは、宗教を動機としたもののうち18.7%を占め、2016年から6ポイント減少した。
反応は
市民権擁護団体は、報告されたヘイトクライム件数は実際よりもかなり少ないと指摘する。被害にあった個人が名乗り出ない場合がある、捜査当局のいくつかが正確な統計を残していない、もしくは調査に参加していないのが理由という。
ユダヤ人団体、名誉毀損防止同盟(ADL)のジョナサン・グリーンブラット氏は報告書が、「アメリカで対立を生む憎悪の風潮への対策がもっと必要だというさらなる証拠を提供している」と述べた。
「対策は、あらゆる職業、社会のあらゆる部門の指導者が、反ユダヤ主義や偏狭や憎悪を、いかなる時でも直ちに力強く否定することから始まる」
市民権擁護団体の全米黒人地位向上協会(NAACP)は、報告書の内容が「衝撃的」で、「議会の十分な注目を要する」ものだと話した。
NAACPは13日、「これは衝撃的で、議会の十分な注目を要する。休会後初の本日の上院司法委員会の公聴会で議題にすべきは、このことではないのか。トランプ氏の選ぶ裁判官たちをさらにごり押しするのではなく。我々の生活が危うくなっている」とツイートした。
https://twitter.com/NAACP/status/1062386635294363648
イスラム教を信仰する市民の自由に関する擁護団体、米イスラム関係評議会(CAIR)シカゴ事務所は、「辺境さと憎悪の増加」に警鐘を鳴らした。
スフィアン・ソヘル副所長は声明で、「我々のうち最も弱い人々を標的にした憎悪事件の発生件数増加は、今年で3年目だ。2016年と2017年にかけてCAIRシカゴ事務所は、差別の発生が50パーセント増加したとの報告を受けた」と述べた。
「状況の改善が必要だ。改善しなくてはならない」
ウィテカー司法長官代行は声明で、「司法省の最優先事項は、アメリカにおける暴力犯罪を減少することだ。そして、ヘイトクライムは暴力犯罪だ」とした。
「司法省はすでに、こうした犯罪について大幅で積極的な対策をとっている。米国市民はその点、安心してほしい。我々は市民の権利を精力的かつ効果的に守っていくので、その点についても安心してほしい」とウィテカー氏は続けた。
(英語記事 FBI: Spike in US hate crimes for third year in a row)
提供元:https://www.bbc.com/japanese/46204334
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
「特別な関係」を築いていくであろう日本とインド
2018/11/15
岡崎研究所
10月29日、東京を訪問中のインドのモディ首相は、安倍総理と首脳会談を行い、その後、両首脳は、日印共同声明‛Japan-India Vision Statement’に署名した。同声明文は全6頁、25項目に及ぶ。内容も包括的、広範囲の日印協力を謳い、人的交流から、高速鉄道、スワップ協定、インフラ整備等、経済分野に関するものが多いが、以下では、主に安全保障に関する部分を紹介する。
(Vichly44/vectomart/iStock)
・日印特別戦略的グローバル・パートナーシップは、共通の価値観に基づくもので、平和、繁栄及び進歩を達成するための主要な源泉である。日印両首脳は、自由で開かれたインド太平洋に向けて協働していく。
・ASEANの一体性と中心性が、インド太平洋の概念の中核にある。米国他パートナー諸国と協力を拡大していく。インド太平洋は、国家主権と領土の一体性、航行及び飛行の自由、適法な通商を確保し、脅迫や武力の行使に訴えることなく、国連海洋法条約を含む普遍的に認められた国際法の原則に依拠する。
・質の高いインフラを通じた連結性の強化及び共通の繁栄のためのプロジェクトに関する協力を行う。この相乗効果 は、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、アフリカを含むインド太平洋地域における日印間の協働プロジェクトにおいて具体化されている。「アジア・アフリカ地域における日印ビジネス協力プラットフォーム」の設立に向けた議論を開始する。
・安全保障及び防衛協力を一層深化させ、既に設置されている協議枠組みに加えて日印外務・防衛閣僚会合(2+2)を設ける。二国間の安全保 障及び防衛協力の戦略的深化につながる日印物品役務相互提供協定(ACSA)の交渉を開始する。
・海上自衛隊とインド海軍の頻繁な共同訓練及びマラバール演習並びに長年にわたる海上保安当局間の対話及び訓練等の協力に見られるように、海洋安全保障協力が著しく進展している。インド太平洋地域における海洋状況把握の拡大に係る交流の強化が、地域の平和と安定に寄与することを認識し、海上自衛隊とインド海軍の間の協力の深化に係る実施取決めが署名された。
・日印間の防衛装備・技術協力は、官民一体となって技術力と産業基盤を強化させるものである。日本とインドの防衛産業間及び当局間の交流を促進する。また、陸上無人車両及びロボット工学の分野における共同研究を開始する。US-2 飛行艇に係る 協力に関して引き続き努力する。
・宇宙における二国間協力を強化するため、年次の宇宙対話を立ち上げることを決定した。共同月極域探査ミッションでの技術協力が進展している。
・6月のシンガポールにおける米朝首脳会談及び三度の南北首脳会談等、北朝鮮に関する諸懸案の解決に向けた一歩として歓迎した。関連国連安保理決議に従った、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を実現することの重要性を強調した。国連安保理決議の完全な履行に対するコミットメントを再確認した。北朝鮮に対し、拉致問題の可能な限り早期の解決に取り組むよう求めた。
・核兵器の廃絶に向けた共通のコミットメントを再確認し、核拡散及び核テロリズムに対処するための国際協力を強化する。3つの国際的な輸出管理レジームへのインドの完全な参加の後、国際的な不拡散の取組を強化することを目指し、インドが原子力供給国グループ のメンバーになるために協力していく。
・テロとその国際的な広がりを非難した。テロリストのネットワーク及び資金源を断絶し、テロリストの国境を越えた移動を阻止し、テロリストの安全な逃避地とインフラを根絶するために取り組むよう全ての国に呼びかけた。
・国連改革、特に、国連安全保障理事会の包括的 な改革を追求する。日本とインドは、拡大された安保理における常任理事国の正統な候補である。
参考:外務省「日印首脳会談」平成30年10月29日
今回、安倍総理とモディ首相が署名した「日印ヴィジョン声明」で、インドは、日本の「特別な戦略的グローバル・パートナー」と位置付けられた。
安全保障分野では、外務・防衛閣僚級会合「2+2」の設置や物品役務相互提供協定(ACSA)の交渉開始が謳われた。日本は、「2+2」を日米、日英、日豪、日仏間で開催している。最近では、日露「2+2」もあるが、二国の外務大臣と防衛大臣4人が集まって話をするというのは、二国間外交にとって、安全保障問題が重要視されている証拠である。
本年から、米国のアジア太平洋軍がインド太平洋軍と名称を変えたように、今後、地域の地理的範囲が拡大し、米国の西海岸からインド洋までを1つの安全保障上の地域として捉えるようになった。その中で、インドは欠かせない存在である。特に、軍拡を進め勢力範囲を拡大する中国を牽制する上で、中国に追いつく人口大国で、民主主義国のインドと連携することには意義がある。
今年9月、米印間で初めての「2+2」がインドで開催された(9月28日付けの当サイト『初の米印「2+2」、背景には中国の台頭』を参照)。これに呼応する形で、日印「2+2」もおそらく来年開催されることになるのだろう。
今回の日印首脳会談は、北京で開催された日中首脳会談の直後に行われた。それも、正式会談の前日、安倍総理は、ご自分の別荘に、モディ首相を招待した。これは、かつての「ロン・ヤス」の日米同盟時代を想起させる。日印関係も、まさに「特別な関係」を築いて行くことになるのだろう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14450
秘密外交≠フ無残な結末、また韓国にだまされるのか
2018/01/15
樫山幸夫 (産經新聞元論説委員長)
「盆と正月が一緒に来る」という言葉がある。新年を迎えた韓国が、まさにそれだった。1月9日に板門店で南北閣僚級会談が行われ、翌10日には、文在寅大統領が慰安婦問題での日韓合意に関して、あらためて日本に謝罪を求めた。「盆と正月」がいい形でやってくるならおめでたいが、残念ながら、そうはならなかった。とくに慰安婦合意についての大統領の方針には、常識ある国々、人々があっけにとられただけでなく、日韓関係がいよいよもって「マネージ不能」(河野太郎外相)に陥るという深刻な状況をもたらした。韓国は、しかし、そういう国なのだろう。誤解を恐れずにいえば、過去に同じ目にあっているにもかかわらず、また騙された日本政府の外交的失敗でもあった。韓国の非を鳴らすだけでなく、自ら反省することも必要だろう。
(cielro/iStock)
理解できない「非公開」
1月10日の記者会見での文大統領の発言、慰安婦合意検証に関する韓国政府の方針はすでに日本のメディアで報じられているので、その詳細を繰り返す必要はあるまい。
それにしても驚くのは、先進国クラブ、OECD(経済協力開発機構)に古くから加盟し、世界で11位(2016年)の経済大国である韓国の指導者がいまだに前世紀の発想から抜け出せずにいることだ。絶望的なことだが、そのことを議論しても詮ないことなので、やめておく。
むしろ釈然としないのは、こういう結末になることはわかりきっていたのに、秘密交渉≠進め、10億円の拠出を余儀なくされた日本政府の甘い外交姿勢だ。しかも、日本国民の税金から支払われたその拠出金は、すでに多くの元慰安婦や遺族に給付された後であるにもかかわらず、韓国側が凍結≠キるという。日本側の意思が踏みにじられた形になってしまった。
秘密交渉≠ノついては、韓国政府が昨年暮れに公表した「慰安婦問題日韓合意検証報告書」で暴露された。
報告書によると、局長協議が難航したため、谷内正太郎国家安全保障局長と李丙●(王ヘンに其)国家情報院長(当時)が別ルートでの非公開の交渉を展開した。最終的な合意内容についても、日本側がソウルの日本大使館前の少女像の撤去や第3国での像、碑の設置への善処、「性奴隷」という言葉を使用しないことを求め、韓国側は「適切に解決されるよう努力する」「韓国政府は支援しない」「公式名称は日本軍慰安婦被害者問題≠セけ」などと約束したという。
慰安婦の象徴とされる少女像がソウルの日本大使館前に設置されていることは、外交官や外交使節団の身分を規定したウィーン条約に違反し、米国内などでの像設置は、日本に対する誤解を助長する結果になっている。日本としては極めて重大な問題であるはずで、それを非公開にしたという判断は理解できない。韓国は非公開の約束について何ら手段をとらずに放置しており、この部分が両国民にはっきりと公開されていたら、その後の展開は違ったものになったかもしれない。
河野外相は、非公開部分が公表されたことについて、「両国首脳間の合意であり、正当な交渉を経てなされた。合意に至る過程に問題があったとは考えられない」と説明しているが、いささか歯切れが悪い。
日本側としてみれば、10億円で「最終的、不可逆的な解決」が実現するなら安いと考えたのだろう。しかし、そうだとしたら、甘かったという他はない。いや、日本政府は、いずれ韓国政府が問題を蒸し返してくることはわかっていたのではないか。しかし、慰安婦問題に固執していた当時の朴槿恵政権を宥めなければならなかったことに加え、北朝鮮情勢を抱えて日韓関係が不安定になることを嫌った米国から、さまざまな形での要請があったであろうことも想像がつく。やむをえず合意をはかった苦しい決断だったのかもしれないが。
予想された結末
2015年暮れの合意当時から、それを危ぶむ声は少なからず存在した。最初は歓迎しておいて、蒸し返されてから「それ、みたことか」と批判に転じる結果論とは違う。合意発表の翌日、15年12月29日付産経新聞の「主張」は早くも「本当にこれで最終決着か」という見出しで、「韓国側は過去、日本側の謝罪を受け、何度か決着を表明しながら蒸返した経緯がある」と強い懸念を表明した。今回まさに、それが的中したというべきだろう。
こうした危惧を抱いたのは、ひとり産経新聞だけではあるまい。やはり日本が資金を拠出したアジア女性基金の教訓から、同じ轍を踏むのではないかとの懸念はあちこちから指摘された。
アジア女性基金は村山内閣当時、戦後50年にあたる1995年に発足が決まった。民間からの募金と政府の支出で50億円を超える基金を創設。韓国やオランダなど元慰安婦の女性たちに見舞金・償い金を支給する事業だったが、韓国では、慰安婦支援団体などが「日本の責任回避のためのまやかし」などと反発、元慰安婦に受取り拒否を説得した。一部支給を受けた人たちもいたものの、韓国内で反発が高まっただけで、何ら問題の解決につながらなかった。
今回、日本が拠出した10億円について、2018年1月9日の朝日新聞夕刊は、17年末の時点で、健在の元慰安婦47人のうち34人に各1億ウォン(約1000万円)、亡くなった199人のうち58人の遺族に各2000万ウォンを支給する手続きがとられたと報じている。
それを中断して、資金を凍結するというのだから、元慰安婦や当事者以外の意思によって事業が挫折するという意味では、アジア女性基金とまったく同様だ。
日本は十分謝罪してきた
文大統領は、あらためて日本側の謝罪を求めるともいう。
日本はこれまで、何度謝罪してきたことか。
今回の合意がなされた15年12月28日、ソウルでの岸田文雄外相(当時)と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相(同)との共同記者会見で岸田外相は、「心身にわたり癒やしがたい傷をおわれたすべての(慰安婦の)方々に心からお詫びと反省を表明する」という安倍首相のメッセージを伝えた。
そもそも、1965年2月、日韓基本条約仮調印のため訪韓した当時の椎名悦三郎外相は、「両国間の長い歴史の中に不幸な時期がありましたことは遺憾な次第でありまして、深く反省するものであります」と明確に謝罪している。
さらに戦後50年の大きな節目だった1995年8月15日の村山富市首相の談話は、「植民支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」ことを認め「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持を表明する」と大きく踏み込んだ。
昨年12月30日付の読売新聞朝刊によると、1990年、韓国の盧泰愚大統領が来日した際、宮中晩餐会での天皇陛下のお言葉にある「痛惜の念」という表現は、陛下のご意向をくんで用いられたという。1984年、全斗煥大統領来日晩餐会での昭和天皇のお言葉、「遺憾」より強い表現となっている。
それでも足りず、さらに謝罪せよという。まさか、そんなことはしないとは思うが、仮に日本政府が韓国の意向を受けて、あらたな謝罪をしたとしても、また同じことが繰り返されるだけだろう。
文大統領は当初、合意の破棄も辞さない姿勢を見せていたが、さすがに思いとどまったようだ。だからといって、大国とは思えない振る舞いをする韓国への批判や嘲笑が軽減することはありえない。
河野外相の談話にあるとおり、日韓関係はもはや「管理不能」になりつつあり、韓国とはもう、やっていけないと感じる人も少なくないのではあるまいか。1月11日付の産経新聞朝刊は、「韓国は放っておくしかない」という見出しのコラムを掲載した。溜飲を下げ、同感した読者も少なくないだろう。
しかし、それでいいのか。韓国を「放っておく」ことは、日韓、さらに言えば日米韓3国の連携を解消することにつながる。それによって、誰が得をし、ほくそ笑むか。考えるまでもないだろう。
文大統領会見前日の9日、板門店で開かれた南北閣僚級会談では、平昌五輪への北朝鮮参加問題、緊張緩和のための軍当局者による会談などで一定の進展がみられたようだ。北朝鮮との対話を模索しながら無視されてきた文大統領は、会談が実現したこと自体大きな成果と感じているだろう。
しかし、日韓を離反させたうえで、文政権をいっそう自らに引きつけることができるとあらば、北朝鮮にとってはこれ以上望めない成果だ。しかし、核・ミサイルの脅威にさらされている日本や米国にとっては危険このうえない。
日米関係強化で韓国を引き戻せ
対日関係が冷却化するような事態をあえて引き起こし、北朝鮮との対話に前のめりになる文政権に対し、日米、とくに日本はどう臨めばいいのか。心情的にはともかく、現実のさまざまな状況を考慮すれば、韓国を「放っておく」ことは難しいだろう。繰り返すが、北朝鮮、そして背後に控える中国を利する結果を招くだけだからだ。
とりあえず、日本がすべきことは、米国との連携をいままで以上に強化することだろう。韓国は対米関係を考えるときに、常に日米関係に強い関心を払う。「日米」に比べ、「韓米」が後れをとることを極端に嫌う。「日米」が、いっそう関係を緊密化すれば、韓国としても心中穏やかではなくなる。そうしておいて、韓国を日米に回帰せざるを得ない状況を作り上げるべきだ
南北関係の推移を注視していくことも重要だ。南北対話を警戒する向きが日本国内にあるが、対話自体は本来、大いに歓迎すべきことだろう。南北間の問題だけを協議するなら朝鮮半島の緊張緩和にもプラスになるはずだ。ただ、核・ミサイル問題について、韓国が安易な妥協をして日米を窮地に陥れるようなことは避けてもらわなければならない。菅官房長官が、北朝鮮の五輪参加を歓迎しながらも、北朝鮮に圧力をかけ続けていくことを強調したのは、こうした期待と懸念を踏まえてのことだろう。日米は韓国に、詳細に南北関係の状況について説明を受け、韓国が対話一辺倒にならないよう牽制していく必要もあろう。
韓国が対話を通じて北朝鮮の核・ミサイル問題を完全に解決できるなら、こんなすばらしいことはないが、韓国にそういう外交手腕があるとはとうてい思えないし、北朝鮮も相手にすまい。事実、9日の協議でも、この問題は議題にすらならなかったようだ。身の丈にあった南北対話を推進するよう日米は強く求めるべきだ。
北朝鮮をめぐる日米韓3カ国の連携には長い歴史がある。最初は、1996年1月、当時北朝鮮国民を苦しめていた水害被害の救済、食糧支援をめぐる次官級協議だった。それ以来、機会あるごとに、緊急のテーマをめぐって首脳、外相、次官級、局長級などさまざまなレベルでの対話が行われてきた。
この連携の枠組みはなんとしても維持しなければならない。それが存在すること自体、北朝鮮、中国への牽制になるからだ。文大統領が宥和政策≠追求するとしても、日米韓の連携の効果まで否定することはできまい。
首相の五輪出席見送りは正しい判断か?
今回の韓国政府の方針をめぐって、安倍首相の平昌五輪開会式出席見送りがとりざたされている。
首相自身は1月12日、今回の問題について「韓国が一方的にさらなる措置を求めてくることは、全く受け入れることができない」としながらも、「合意は国と国との約束で、これを守ることは国際的、普遍的原則だ。韓国側に実行するよう強く求めていく」と述べ、比較的抑制した対応ぶりを示した。韓国をことさら非難、糾弾するだけではいいい結果を生まないことを認識しているのだろう。
個人的考えだが、首相が五輪開会式に出席するのはむしろ悪くはないかもしれない。出席することで大人の態度≠示し、韓国政府に、自らの行動を省みる機会を与える方が生産的ではないか。
それにしても、中国といい、ロシアといい、韓国といい、厄介な隣人≠スちに囲まれている日本の外交には、したたかさが求められる。韓国にだまされるようなことは、もうこれ以上あってはならない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/11664
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