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(回答先: 人口と経済の危うい関係、中国はどうなる 中国人の面子とドラゴンボールの世界 ロシア社会の変革を担う若き職業ボランティア 投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 05 日 10:59:42)
日韓「友好幻想」の終焉
元徴用工判決の狙いは65年日韓基本条約のちゃぶ台返し
混迷する朝鮮半島
2018年11月5日(月)
重村 智計
日韓基本条約は「日米韓の軍事同盟だ」との強い批判を日本国内でも受けつつ批准された(写真:AP/アフロ)
在日韓国人の友人は、次のことを父親にきつく口止めされていた。「太平洋戦争の時、八幡製鉄(現新日鉄住金)で働いた。日本が敗戦し帰国する際は退職金が出た。送別会で餞別ももらった。強制労働はなかった。日本人には話すな」。父親は、「募集」か「官斡旋」で八幡製鉄に来た。帰国したが職がなく、密航して再び日本に来た。
韓国の大法院(最高裁)は10月30日、韓国人の元工員に対し、1人当たり1億ウォン(約980万円)を支払うよう新日鉄住金に命じた。判決は「原告は未払い賃金や補償金を求めているのではない」と述べ、「慰謝料請求権」を認めた。
これは、奇妙な判決だ。メディアは「徴用工訴訟」と報じたが、原告は「徴用工」ではなかった。判決は「強制動員の被害者」と述べた。「徴用工」とは、1945年以降「徴用令」に基づいて来日した朝鮮人だ。原告はそれ以前の「募集」か「官斡旋」に応じて新日鉄住金で働いた人たちだ。
さらに奇妙なのは、判決は「損害賠償」ではなく、「慰謝料の支払い」を命じた。慰謝料とは、一般的に精神的苦痛に対する支払いとされる。
つまり、原告は「未払い賃金」と「補償金」が訴因では、勝訴できないと考え「慰謝料」を請求した。これを韓国最高裁は認めた。なかなか巧妙な訴訟戦術だ。慰謝料なら、その後の精神的苦痛や差別、病気などを理由に請求できる。賃金の支払いや補償金と違い、慰謝料なら労働の実態などの事実関係が争点になりにくい。
最高裁判事の過半を文大統領が任命
この判決に対し、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相は「司法府の判断を尊重する」と述べた。「司法の独立」と、なぜ言わなかったのか。韓国のメディアも「司法の独立」とは報じなかった。韓国語で「司法の独立」を言うと、多くの韓国人は白けるか、鼻で笑う。司法が独立していると、決して思っていないからだ。筆者もソウル特派員時代に、大統領府に判決内容を相談に来た裁判所長を目撃した。
韓国では、長い間「司法は権力の僕(しもべ)」と揶揄された。それでも今回の判決に、韓国民の多数が「胸がスッキリした」思いを抱いているのは事実だろう。国民は「強制労働」「不法な植民地支配」「反人道的な不法行為」の認定に、満足する。判決に権力(行政)の意向が反映されたと、一般庶民は思うだろう。
司法が独立していないと断じる根拠は、最高裁長官の経歴だ。金命洙長官の前職は、春川地方裁判所長であった。地方の裁判所長が、最高裁長官に抜擢された。ありえない人事だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、同じ考えの裁判官を抜擢したと考えるのが、常識だろう。加えて、最高裁判事13人のうち7人が文大統領に任命された。
日韓併合を無効と「確定」する
とすれば、判決の背後に文大統領をはじめ革新(左翼)勢力の思いと戦略があった、と考えても間違いではないだろう。この判決が日韓関係に衝撃を与えることを当初から予想していたはずで、大統領府、政府と司法部はその対応を練ったはずだ。そうでなければ、韓国の官僚は無能だ。
判決はどんな効果を狙ったのだろうか。それは@大統領の支持率アップA日韓併合無効の確定B日朝正常化の遅延C日韓基本条約再交渉D大統領再選――である。一言で言うと、「65年日韓基本条約」の「ちゃぶ台返し」だ。
判決は「不法な植民地支配」「植民地支配の不法性」を強調した。日韓併合を「国際法違反で無効」とする韓国内の主張を、最高裁が公式に認めたことになる。韓国では「韓国を日本の保護国とした1905年の第二次日韓協約は、日本軍の脅迫で成立したから無効である」との主張が支配的だった。判決は、これを確定した効果がある。
日朝国交正常化交渉の遅延を図る
文在寅政権は、この判決が日本と北朝鮮の国交正常化交渉に大きな影響を与える、と期待している。日朝国交正常化交渉で、「徴用工への慰謝料請求」を北朝鮮に要求させる計算だ。そうなれば、日朝交渉は紛糾する。韓国は、日本が先に北朝鮮に進出するのを、望まない。また、日本が北朝鮮の要求を受け入れ「不法な植民地支配」と「慰謝料請求」を認めれば、日韓基本条約再交渉の糸口になる。
ところが北朝鮮は、判決に沈黙を続けた。「歓迎」の立場を直ちに表明することはなかった。韓国の意図を見極めるのに時間がかかったのだ。北朝鮮は、金日成(キム・イルソン)主席が日本帝国主義に勝利した歴史を「正統性」の根拠にしており、韓国のように「歴史の立て直し」を必要としていない。また、日本帝国主義と一般国民を区別しており、日本国民全員を日本帝国主義者とはしない。
韓国は、日本と戦争し勝利したわけではないので、「国家の正統性」にコンプレックスを抱いている。この心理克服のために「歴史立て直し」や「日本への勝利」を必要とする。最近の「慰安婦財団解散」や自衛隊艦船の旭日旗掲揚拒否は、革新勢力が目指した「歴史立て直し」の一環で、「対日勝利」のシンボルだ。
文在寅政権の「歴史見直し」戦略は、今後も続くと見るべきだろう。日本政府や企業の対応にも問題はあっただろう。だが、植民地支配への反省から日韓友好のために経済協力や韓国支援を進めた日本の好意は、理解されなかった。
隣国との関係悪化は、望ましくはない。歴史を振り返ると、およそ1300年前の白村江の戦い以来、日本は朝鮮半島に関与して、敗北の連続だった。韓国最高裁の判決は、日本は朝鮮半島に深く関わると裏切られる、との歴史の教訓を再確認させたのかもしれない。
このコラムについて
混迷する朝鮮半島
朝鮮半島の動向から目が離せない。
金正恩政権が、核とミサイルの開発を続けている。
日本に対する核の脅威が刻一刻と高まる。
金正恩委員長の動向は、北朝鮮と周辺国との関係だけでなく、日米・日韓関係にも影響する。
韓国では文在寅氏が大統領に就任。
米韓と南北の距離感が大きく変わる可能性がある。
この変化をウォッチし、専門家の解説をお送りする。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/230558/110200034/
メルケル首相が去ってもドイツの苦悩は消えない
様変わりした政治情勢、これから誰が欧州大陸の平和を守るのか
2018.11.5(月) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年11月2日付)
メルケル独首相の退任表明、EUは機能不全に? アナリスト
ドイツの首都ベルリンにあるキリスト教民主同盟(CDU)本部で記者会見するアンゲラ・メルケル首相(2018年10月29日撮影)。(c)Tobias SCHWARZ / AFP〔AFPBB News〕
こんなに良い暮らしをしたことはかつてなかった――。
ハロルド・マクミランによるこの有名な発言は大抵、誤って記憶されている。
1950年代末期の英国が好景気に沸いていたことを、当時首相だったマクミランが自慢した言葉は実は限定されていた。
「率直に言って、ほとんどの国民はこんなに良い暮らしをしたことがかつてなかった」。こう言った後に、忘れられていることが多いが警告をつけ加えていた。
「中には、できすぎではないかと心配し始める人もいる。いや、たぶん、こんなに良いことは長続きしないのではないかと言うべきだろう」
こんなに良いことは長続きしない。疑念に満ちた成功。マクミランなら、今のドイツの気分を認識してみせただろう。
筆者は先日、ある高齢の政治家が、ドイツがこれほどまでに繁栄したことはかつてなかったと語るのを耳にした。
それなのに、どうだろう。アンゲラ・メルケル氏の率いる連立内閣は好かれていない。国民のムードは不安定で、政界は分裂している。
ドイツ国民は自分たちの繁栄をなかなか認識できずにいる。
企業経営者たちも相反する感情を露呈している。
ドイツはケタ外れの経常黒字を出している。価格を高く設定できる高品質な製品を作っている。
シュツットガルトのような都市に行けば、ドイツが生み出している富を目の当たりにすることができる。
しかし、経営者たちの顔色はさえない。安全第一の文化ゆえにイノベーションが生まれず、リスクが取られることもない。
過度に厳しい規制も同じことをしている。未来は機械学習と人工知能(AI)というデジタルの世界にあるのに、どちらも近いうちに米国と中国に独占されかねない、と嘆いているのだ。
ベルリンの人々が皆以前から知っているように、首相としてのメルケル氏は黄昏時を迎えている。今では退陣までの手順も決めた。
このところは打撃続きで、直近では同氏の率いるキリスト教民主同盟(CDU)がヘッセン州の州議会選挙で得票率を大きく下げた。
その前には、姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)が本拠地バイエルン州の州議会選挙で手痛い負けを喫し、首相と党首を兼任するというメルケル氏の選択を与党の連邦議会議員らが拒否した。
政治家が長居をすると、ろくなことにならない。メルケル氏と同様に首相を務めたコンラート・アデナウアーやヘルムート・コールの時がそうだった。
今年12月に党首を降りることにしたメルケル氏の決断は、威厳を保ったまま舞台を去ろうという取り組みであると同時に、13年に及ぶ首相在任が長すぎたという告白でもある。
2021年まで首相を続けるとの意向も、真意ではないが言わねばならないことだと指導者が感じるようなことの一つに見える。
中道右派のCDUとCSUが痛手を被ったとするなら、両党と大連立を組んでいる社会民主党(SPD)への支持率は急降下している。
排外主義のポピュリスト(大衆迎合主義者)政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が台頭していること(特に、繁栄から取り残されているとの不満が強いドイツ東部で顕著であること)は、国際的な注目を集めている。
しかし、それ以上に勢力を伸ばしているのが緑の党だ。
環境を心配している保守派と、移民への門戸開放に好意的な左寄りのリベラル派の両方を引き寄せた同党は、SPDに代わって第2党に浮上する可能性がある。
奇妙なことに、今でも、政治家の中で最も人気があるのはメルケル氏だ。同氏はドイツの国内政治地図のど真ん中に鎮座している。
中には、それが問題だと考える向きもある。同氏が2015年に100万人の難民に国境を開くと決断したことは、自分の党の右派を怒らせたうえに、AfDにつけ入る隙を与えることにもなった。
それでも、この決断のおかげで、メルケル氏個人は中道左派から支持を集めた。
ベルリンの政界通の間では、メルケル氏が舞台を去れば国内政治は心地よい普通の状態に戻るだろうとの見方がある。
CDUは右寄りにシフトしてAfDの支持者を一気に引き寄せるだろうし、SPDが中道左派からの支持を再び増やす余地を生み出すということだ。
このような普段の姿を渇望する声は、部外者には、厳しい現実に目をつぶるエスタブリッシュメント(体制側)の希望的観測のように響く。
ドイツ政界の地図はすでに描き換えられている。かつては3党(CDUとCSUを分けて考えるなら4党)が競い合い、小規模な自由民主党(FDP)のリベラル派が連立に必要な浮動票を提供していた。
そのような時代はもう終わった。今では6党(あるいは7党)が連邦議会に議席を有している。
最近の世論調査で見られる20%超の支持率がたとえ誇張であるとしても、緑の党はすでに7州以上で連立政権に加わっている。
同党が売り込みをかけているのは、社会的な責任感のある裕福な専門職の人々だ。
極左政党のリンケ(左派党)は東部に強固な支持基盤を持つ。東部には昔の共産主義の秩序に対する郷愁――オスタルジアと呼ばれている――が残っており、政治にまつわる記憶とはかくも早く薄れてしまうものなのかと思わずにはいられない。
AfDは、難民への恐怖感にとらわれた人々に加え、ネオナチからの支持もかき集めている。
では、経済がこれほど好調でありながら、政治のバランスがここまで目に見えて失われてしまったのはなぜなのか。
その一部は、豊かさの配分に偏りがあることで説明できるに違いない。
また、政府にはカネがあふれるほどあるにもかかわらず、政治家たちはなぜか、ほころびの見えるインフラの建て直しを困難だと考えている。
橋や道路は修復されず、新しい空港も建設されない。WiFiや携帯電話も、ちゃんとつながることは期待できないのが実情だ。
それでも、大半のドイツ人はマクミランと同じように、「こんなに良いことは長続きしないのではないか」と思っているようだ。その答えはイエスかもしれない。
かつてドイツの重要な後援者だった米国も、今ではドイツ人が反対するあらゆること――露骨なナショナリズム、力のあるものが優位に立つという決まり、法の支配への侮蔑――を体現する人物を大統領に据えている。
メルケル氏は時折、欧州は自衛のために立ち上がらねばならないと語る。人々はその通りだとうなずくものの、結局、実行しようという熱意は見せない。
同氏はコールのようなタイプの情熱的なヨーロッパ人ではなかったが、ドイツの繁栄が欧州の安全と安定のうえに成り立っていることは確かに理解している。
しかし、今後は誰がこの大陸の平和を守るのだろうか。
By Philip Stephens
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54581
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