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サウジアラビアは止められるべき、今回は止められるかも知れない
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2018年11月 3日 マスコミに載らない海外記事
2018年10月30日 Andre Vltchek New Eastern Outlook サウジアラビア王国は、もしそうしたものがあったとすれば、良識のあらゆる限界を超えたように見える。 限界を超えたのは、何万人もの無辜の人々をイエメンで残虐に殺害したがゆえにではなく、シリア国内(実際は、世界中で)テロリストを、しばしば欧米のために支援し続けているからでさえない。サウジアラビアが隣国カタールを、半島から、島へと変えようとさえしているためでもない。 サウジアラビアが人類に対して行った犯罪は累積しているが、世界から隔離された王国(隔離の余り、監視を逃れるため観光ビザさえ発行していない)はいかなる経済制裁や禁輸の目に会っていない。この国が行っているのは、どこかで誰かによって行われたもののうち現代史上最も残酷な犯罪だ。処刑してからの四つ裂き、四肢切断、拷問、一般市民の爆撃。 だが、何年も何十年も、こうしたこと全て問題にならなかった。サウジアラビアは、最初はイギリス、後には欧米全般の巨大な事業権益と政治権益の両方に忠実に奉仕してきた。これには、もちろん、サウド家がシーア派イスラムに対するほとんど奇怪な憎悪を共有しているイスラエルが含まれている。 それゆえ、何千億ドルもの価値の兵器が、サウジアラビア王国に到着し続け、石油、あの黒い粘着性の災いのもとが輸出され続ける中、少なくとも、欧米マスコミや、ヨーロッパやアメリカの政府では、どの残虐行為も公的に議論されたことはない。 リヤドは何のおとがめもない状況を享受していたのだろうか? 全く! だが、こうしたこと全てが止まるかも知れない。たった一人の人物、ジャマル・カショギ氏のおかげで、より正確には、イスタンブールのサウジアラビア領事館中での、彼のall悲劇的で、ゾッとするような死とされるものおかげで。 ニューヨーク・タイムズが2018年10月11日引用したトルコ当局によれば
彼らはサウジアラビア国民のカショギ氏を残虐に殺害し、それから製材ノコギリを使って、手足を胴体から切り離したと推定されている。 全てが、カショギ氏のトルコ人婚約者ハティジェ・ジェンギズが領事館前のベンチで、彼を待っていた間のことだ。彼は彼女との結婚に必要な書類を受け取るため、館内に入った。だが、彼は決して戻って来なかった。 今やトルコ国は憤慨している。 十年前、一年前なら、全てがもみ消されていた可能性が極めて高かったはずだ。サウジアラビアが世界中で行ってきたあらゆる大量虐殺が常にもみ消されたように。自分たちの自家用ジェット機を使っての、 感覚を鈍らせる麻薬で、それゆえ戦闘地域や、テロ攻撃の際に使われる麻薬のサウジアラビア王家によるレバノンからの密輸に関する情報がもみ消されたのと同様に。 だが今は、2018年の年末だ。そしてトルコは益々敵対的な国による凶行残、トルコ最大の都市の中心で行われた残虐行為を容認するつもりはない。かなり長期間、トルコとサウジアラビア王国は、もはや友達ではない。トルコ軍部隊は、サウジアラビア軍と対決し、ちっぽけな(無害とは言えない国でもあるが)湾岸国家を、あり得る攻撃や切迫した破壊から守るため既に数カ月前、カタールに配備されている。一方、トルコは、サウジアラビアとイスラエルとアメリカの大敵イランとの親密度を益々強めている。 カショギ氏は、ただの普通のサウジアラビア国民ではない - 彼はサウジアラビア政権に対する主要な批判者だが、最も重要なのは、帝国の目から見て、ワシントン・ポスト記者なのだということは指摘しておこねばならない。 それゆえ彼の死は、もし事実であれば、欧米がどれだけ、見出しから消滅することを望んでいるにせよ、結局、死を無視することは不可能だ。 トランプ大統領はしばらく沈黙し、やがて“懸念”するようになり、最後にワシントンは中東で二番目に親密な同盟国に対して何らかの行動さえとるかも知れないことを示し始めた。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子はワシントンと他の欧米列強双方によって‘育てられた’のだが、今や彼は実際失脚しかねない。結局、彼はイランのシャー・パーレビーのようなことになるのだろうか? 今ではないが、間もなく、あるいは少なくとも‘どこかの時点で’? サウド家の余命はいくばくもないのだろうか? * ワシントン・ポストは、“トランプが受け入れたことが、サウジアラビア皇太子を大胆にさせた’という論説で、‘サウジアラビア政権’(とうとう、あの軽蔑的な単語‘政権’がサウド家に対して使われた)とアメリカ政権双方にかみついた。
“我々は誤って信じていたのだろうか?”だがサウジアラビアと、その力は、ほぼもっぱら、最初はヨーロッパ、特にイギリスによって、そして後にアメリカ合州国によって、中東と世界中に押しつけられているグローバル欧米‘体制’への協力に基づいている。 サウジアラビア王国が中東地域のみならず、中央アジア、アジア太平洋や、アフリカの一部でも広めてきたあらゆるテロは、ワシントン、ロンドン、テルアビブさえもの、奨励、支援、少なくとも承認を受けてきた。 サウジアラビアは、アフガニスタンでソ連を、更に、社会主義で進歩的なアフガニスタンそのものを破壊するのを支援した。彼らは欧米のために、共産主義と、イスラム世界のあらゆる左翼政権と戦った。彼らは今もそうしている。 今や欧米とサウジアラビア王国は相互依存している。サウジアラビアは石油を売って、ロッキード・マーチンなどのアメリカ企業と‘途方もない’防衛契約を結んで兵器を購入している。彼らはワシントンで、様々な政治家たちにも‘投資’している。 現在、ジャーナリスト殺害とされるものが、欧米マスコミ内に、ただならぬ内省の波を引き起こしている。及び腰ではあるが、ともあれ内省だ。2018年10月 、ハフィントン・ポストはこう書いている。
これは、ホワイト・ハウスが、リヤドとの関係を絶たないよう最善を尽くす可能性が極めて高いことを意味している。多少の激しい言葉のやりとりはあるかれ知れないし、その可能性は高いだろうが、この緊張した状況が、サウジアラビア側による、次の‘分別のない’行動を‘引き起こ’さない限り、何らかの断固とした対応はまずあり得ない。 ハフィントン・ポスト記事はこう指摘している。
欧米報道はここまでで、真実を全て語ることはせず、物事を大局的に見ることもない。主流マスコミの誰もこう叫ぶことはない。‘基本的にリヤドに独自外交政策は皆無だ!’ そう、石油で‘アメリカやイギリスの工場で働く男性や女性たちに仕事を与えている’兵器を購入し、これらの兵器は、アフガニスタン、イエメン、シリアやほかのあらゆる場所で、男性、女性、子供を殺害するために使われる。彼らはイラン、カタールや他のいくつかの国々を恫喝している。石油と欧米の支持が、欧米が望んでいる永久戦争のためにテロリストを採用することにも役立ち、何千もの豪奢なモスクを建設し、東南アジア、アフリカや他の国々の何千万人もの人々を、サウジアラビア-イギリス製の過激な宗教的教理であるワッハーブ派に改宗させるのにも役立っている。(私の著書“Exposing Lies of Empire”にはこの話題で重要な章がある - “欧米がイスラム教の怪物を造っている : イスラム・テロの責任は一体誰にあるのか”)。 * 欧米で多くの人々が考えている事実にもかかわらず、中東では、サウジアラビアへの愛はほとんど存在しない. サウジアラビア王国は、インドネシアやマレーシアのような遥か離れたイスラム国家によって、無知か宗教的熱狂から支持されるが、概して‘地域’に暮らす人々によってではない。 イエメンに対する戦争や、シリアやアフガニスタンやリビアや他の場所にテロリストを送り込んだり、支援したり、あるいは、最近の事実上のレバノン首相拉致のような醜悪な行為や、道徳的偽善や、イスラム教の聖地や、それを取り巻くあらゆる物を、品の無い商業主義で、投機的事業に変えたことや、金持ちと貧乏人の明らかな差別から、アラブ諸国内の大半ではないにせよ、多くの人々が、サウジアラビアの傲慢さと、いじめに既にうんざりしている。 本質的に社会主義的で、平等主義的な宗教を、現状のものに変えてしまったのは、もちろん、イスラム世界中が従順な儀式を大切にする人々である方が、支配が容易で、いかなる反対も無しに天然資源を略奪できる欧米による断固たる支援を得た、サウジアラビアの責任だと多くのアラブ人は考えている。サウジアラビアは、世界の中でも、最も格差が大きい国の一つだ。一方に少数の極めて裕福なエリートと、領土中に広がる困窮。サウジアラビアは‘愛されない国’ではあるが、これまで‘尊重されていた’。主として恐怖から。 今、世界中が注目している。沈黙に憤りを感じた人々は声高に発言し始めた。 我々全員、世界中の作家やジャーナリストは、カショギ氏が、どこかで生きていて、間もなく、いつの日か解放されることを願っている。しかしながら、日が経つにつれ、そういうことになる可能性は、益々小さくなって行く。 もし彼がサウジアラビア工作員に殺害されたのであれば、カショギ氏の死は、彼の国も中東の他の国々も、すっかり変えてしまうかも知れない。彼は常にそうした変化を願っていた。だが、そのために自らの命を犠牲にすることになると、彼は決して想像してはいなかった可能性が高い。 今回、サウジアラビア支配者は、血の匂いを消散させるそよ風を期待していたのだろう。彼らは大嵐を受け継いだのかも知れない。 * アンドレ・ヴルチェクは哲学者、小説家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作している。彼は革命的小説『Aurora』や他の本の著者。彼の新刊には『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』や『The Great October1 Socialist Revolution』がある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/30/saudi-arabia-has-to-be-stopped-and-this-time-it-may-get-stopped/ ---------- |
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